Murat Yetkin コラム:テロリスト対策とテロリズム対策
2008年09月12日付 Radikal 紙

昨日、タイイプ・エルドアン首相を座長に開かれた包括的テロ対策会議は、911攻撃の7周年記念日と重なった。会議に続いて行われた短い会見では、本来の議題の1つがクルド労働者党(PKK)への参加をどのように阻止できるかであったことが明らかになった。
会議の冒頭、参謀総長のイルケル・バシュブー陸軍大将がブリーフィングを行ったことが分かっている。これは事態の流れに沿ったものだ。バシュブーは先週軍司令官たちとともに訪れたディヤルバクルで、交渉と見聞(の成果)をまず政府に伝えることを明言していた。
バシュブー大将が一時期、1-テロリストとの戦いとテロリズムとの戦いは別々のことであること、2-治安部隊がテロリストと戦うことであるのに対し、テロとの戦いは経済的、政治的、法的、心理的局面に及ぶこと、3-PKKへの参加を阻止するために包括的な対策が必要であること、の各点を強調していたことが知られている。軍が好んで用いる言葉のうち、「テロリストとの戦い」を「PKKとの戦い」に、「テロとの戦い」を「クルド分離主義との戦い」という表現に置き換えれば、トルコ限定で問題をよりクリアに見ることが可能となる。
トルコ限定で、と私が言った理由は、この問題が単にトルコに限ったものではないからだ。先日アメリカのマイケル・ミューレン統合参謀本部議長は国会で行った演説の中で、アフガニスタンやパキスタンで採用した(テロ対策の)方策はタリバーンやアルカイダへの参加を減らさず、逆に増やす結果をもたらしたと発言していた。
PKKとの戦いにおける問題とタリバーン、あるいはアルカイダ(あるいは何らかの違法な集団武装活動における)問題は同じである。なぜなら:組織への参加を防ぐことができないなら、問題への取り組み方や問題の捉え方、問題に対する方策を刷新するときが来ていることを意味するからだ。同じ言い方をすれば、(PKKへの参加を防ぐことができないなら)テロリストの活動として生じている問題の源にあるクルド分離主義、あるいはイスラーム原理主義問題への取り組み方も見直し、刷新するときが来ているということを意味する。
昨日の会議から包括的な視点の刷新を期待することは現実的ではない。憲法裁判所の判決によって公正発展党(AKP)政権が傷ついたこと、地方選挙が近づいていること、また軍が視野をどれほど広げようと努めても、それは急激な方針転換には向いていない組織であること、これらが包括的な政策の刷新を妨げるのである。
ただ(会議では)南東アナトリア・プロジェクト(GAP)の枠組みにおいて、また他の投資形態で来年3月の地方選挙前までに地域に流入するであろう資金から、PKKの構成員の供給源である地域住民への取り組み方に至るまで、数多くのテーマに言及されたことがわかっている。アブドゥッラー・オジャランとPKKの指導者に対する恩赦の呼び掛けを行うような動きは目下全く見られていない。
バシュブー大将が「完璧」と評したイラクのPKK拠点に対するアメリカとの協働継続のため、おそらく政府は早晩議会から新たな許可を求める議案を送るはずだ。
政府に対する越境軍事作戦のための現議会による許可が2007年10月17日付で1年間与えられていた。
政府が、PKKに対する軍事作戦を国際的な協力を得て継続する一方、軍とともにクルド分離主義に対し経済的、政治的、法的、心理的な対策を試みるものとみられている。エルドアン首相にとって(ディヤルバクルをはじめとする)東部ならびに東南部における(一方で憲法裁判所の解党訴訟の圧力の下に置かれている)民主市民党(DTP)の傘下にある自治体を獲得するという目的もこのプロセスにおいて重要な役割を果たすだろう。しかしどのような状況においても、PKKとの戦いにおいてもクルド分離主義との戦いにおいても、(地域住民の)生の実態が政府に新しい視点と方策を強いるように見える。

■バシュブーの9月16日における記者会見

バシュブー参謀総長が9月16日の記者会見で(マスコミの参加資格)認定を拡大させることを耳にしたことは喜ばしいことであった。イェニ・シャファクとスターの両紙の記者も会見に参加し、質問をすることができる。しかし外で待機する新聞もある;ザマン、ビルギュン、タラフ、エヴレンセルの各紙もこの中に含まれる。
それでもやはり決定をバシュブーの指令による参謀本部のメディアへの新たなアプローチの最初の一歩とみなす必要がある。前回の試みは、ある記者が参謀本部の前で撮らせた写真を自紙に「城を落とした」というほのめかしの言葉とともに掲載したことにより成果が出ていなかった。

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( 翻訳者:穐山 昌弘 )
( 記事ID:14691 )