サウジアラビア国軍内で、クーデターの企てが発覚
2008年09月03日付 Jam-e Jam 紙

【国際部】サウジアラビア国軍と国家警護隊の上級将校らによる軍事クーデター計画が発覚し、クーデターは失敗に終わった。

 アル・ワタン紙のニュースサイトは昨日、サウジアラビア治安機関からの情報として、同国のサウド家統治転覆を企てた軍事クーデターが未遂に終わったと発表した。それによれば、国家警護隊のアフマド・マアヤーズ・アル=ザフラーニー少佐が、国軍および警護隊将校らとサウド家王族一人の協力を得て、今回のクーデターを画策したという。

 150人のクーデター実行グループは計画の発覚により、同国指導者への反逆未遂の容疑で逮捕された。さらに、同事件の真相究明のため、彼らは軍事検察庁に引き渡された。クーデター首謀者らの計画は、ここのところ体調がすぐれない80歳の皇太子、スルターン・ビン・アブドゥル・アズィーズが死去した場合に、すぐさま軍事行動を起こし、アブドゥッラー現国王に忠誠的な国家警護隊司令官らを失脚させるというものであった。

 逮捕された一部の将校らは、クーデターの意図を、サウド家による統治の転覆にあると説明した。また、他の将校らによれば、次期皇太子選出の禁止は、国王によって決められたものであり、国王はこの問題について王族有力者らの了解を得ていないという。
今回のクーデター計画は、国軍および警護隊の全ての主要ポストが、同国の王制支持派に握られている中で画策されたものだった。警護隊の副司令官には、国王自らが長男ムタイブを選んでいる。

王権の危機>
 サウド王家は、統治権が常に同国王室の始祖アブドゥル・アズィーズの子孫に世襲されることに関して、批判を受けてきた。これに対し、王家の有力者らは問題解決のため、皇太子を、サウド王家一族の代表らで構成される誓約委員会によって選出することにした。

(中略)

高齢の皇太子>
 現在の皇太子は、アブドゥッラー国王の弟にあたる、スルターン・ビン・アブドゥル・アズィーズである。しかし、サウド王家の中には、他の人物を次期国王として支持している者たちもおり、この問題がサウド一族の間に亀裂を生じさせている。

 アブドゥル・アズィーズは、皇太子の地位に加え、副首相、国防相、監察長官の任にも就いている。西洋の専門家らは、現アブドゥル国王が死去した場合、サウジアラビアでは全面的な政治的危機が生じるだろうと予測している。国王候補の政敵が多数いることを考えると、危機を回避することは困難である。

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( 翻訳者:水谷陣也 )
( 記事ID:14700 )