3万人が巡礼にいけないかも:サウジ政府、巡礼者の追加受け入れ枠に否定的
2008年09月15日付 Zaman 紙

サウジアラビアが毎年トルコに認めていた約3万人の追加巡礼受け入れ枠に、今年大きな問題が起きている。トルコは、メッカ周辺の工事を根拠に追加受け入れ枠を認めることを望まないサウジアラビア政府と、高官レベルでの外交交渉を行っている。

9月2日に湾岸協力会議に参加するため、サウジアラビアに赴いたアリ・ババジャン外務大臣は、同国の要人たちと追加受け入れ枠の問題について会談した。しかし、この会談からは肯定的な結果を得られなかった。これを受けて、アリ・バルダクオール宗務庁長官は、後日サウジアラビアに赴き、巡礼長官と追加受け入れ枠の件で話し合いを行う予定だ。最初は3万人の追加受け入れ枠を求めて交渉を行うが、これが実現しない状況では、トルコはサウジアラビア政府に対し、より少ない追加受け入れ枠での説得に努めるだろう。

宗務庁の関係者たちは、トルコが毎年得ている追加受け入れ枠が、今年は認められない可能性が目下の検討課題であると明らかにしている。トルコは何年もの間、巡礼を最も良く執り行う国であったため、7万の通常巡礼受け入れ枠とは別に、3万の追加受け入れ枠も得ていた。しかし、今年は追加受け入れ枠の認可が遅れた。さらに認められない可能性があることも明らかにしている。このため、以前は5月15-16日に登録受け入れを通知する追加枠への申請は、省庁間大・小巡礼委員会の決定により、期日を先延ばしにされた。宗務庁は、追加受け入れ枠が既定のものであるかのように準備をすすめ、宿泊施設をおさえた。追加受け入れ枠の許可が出ない場合、3万人の聖地を訪れる夢が実現しえないだろう。

巡礼の問題で宗務庁の最も大きな悩みは、トルコに今まで認められてきた受け入れ枠が、要望を遥かに下回っていることである。今年、巡礼に77万人が申請したが、認められた正式な受け入れ枠は7万である。毎年追加受け入れ枠を得ることで、約10万人を巡礼に送り届けてきた宗務庁は、追加受け入れ枠を得る際に、様々な困難を経験している。

今年はというと、サウジアラビア政府は、聖域周辺における古い建物の取り壊しと新しいビルの建築を根拠として示している。(つまり)宿泊施設が(受け入れの上での)問題であることを明らかにしつつ、追加受け入れ枠を認めることを望ましく思っていない。

しかし宗務庁の関係者たちは、トルコ人の巡礼者たちが宿泊するホテルが、追加受け入れ枠が既定のものであるかのように、事前に予約済みとして、「トルコに認められる追加受け入れ枠は、宿泊施設の問題とは関係ない」と述べている。昨年も問題は生じており、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相の尽力により3万人の追加受け入れ枠が実現しえたのだ。ただサウジアラビア政府は、カーバ神殿周辺を広域化する事業を理由に、どの国へも追加受け入れ枠を認めない傾向にあることが明らかにされている。

トルコにおける巡礼の申請者数は、毎年堅調に増加している。昨年は67万3千人であった巡礼申請者は、今年は77万人になった。申請者の増加に対して、トルコの7万という正式受け入れ枠は変わらない。申請者の増加に並行して、女性の巡礼志願者数が、今年初めて男性を上回った。申請者合計の53%を女性が構成する一方、男性の割合は47%であった。

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:14706 )