アルメニア政府、歴史的な一歩を準備中 -共同歴史委員会設立に向けて
2008年09月16日付 Zaman 紙

アブドゥッラー・ギュル大統領がアルメニアの首都エレバンを訪問することで、トルコ・アルメニア両国関係が新時代へと突入する中、二国間で歴史的な一歩が踏み出されようとしている。

1915年事件の調査のために「共同歴史委員会を設立する」というトルコ側の提案に対し、アルメニア側も好意的にとらえているのが明らかになった。歴史調査のほか、経済・文化・外交関係を発展させるため、それぞれ異なる委員会の設立が検討中である。こうした検討議題の進展は、二国間の関係を早急に発展させ、トルコの国際的立場の改善し、在外アルメニア人グループを困難な状況に置くといわれる。外交筋は、トルコ政府が関与を始めた上カラバフ地域問題の解決に関わる展開は、アゼルバイジャンでの10月15日の大統領選挙後に進展すると注目している。

トルコがここ暫く外交レベルにおいて接触を行うアルメニアとの外交折衝は、ギュル大統領の訪問によって新たな段階に入ったという評価が行われている。トルコの要人たちは、エレバン訪問でアルメニア側が共同歴史委員会設立という考えにもはや「より明確に好意的にとらえている」のを目にした。トルコ側は、今後この件において重要な発展があることを期待している。共同歴史委員会のほか、経済・文化・外交関係の発展のためにそれぞれ異なる委員会を設立することが明らかにされている。様々な委員会の設置は、在外アルメニア人グループによるアルメニア側への圧力を軽減することに向けたものであることが推測される。

共同歴史委員会設立は、アルメニア側が1915年事件に関する、いわゆるジェノサイドがあったという主張を取りやめという意味ではない。しかしながら真摯な科学的な取りくみが進められることなしに問題を解決できないと考えているトルコ側にとって、委員会(の設置)は両国関係の前途を開くものである。またトルコは、この問題を議会で議論する非当事国に対しても、負担が減ることとなろう。委員会設立後に非当事国に対し「我々は自身の問題を話し合いで解決している」と発言できるためである。委員会設立はこの件で長年営為努力し、莫大な金額を費やす在外アルメニア人グループが最も怖れることになるとみられる。

この間、訪問中に上カラバフ地域問題を初めてアルメニア側が問題としたことも、トルコ側が重要視するところである。トルコの要人たちは、この件がアルメニア側から持ち出されたことを、「アルメニア側は、上カラバフ地域がトルコ・アルメニア関係に密接に関わっているのを理解した」といった形で解釈している。トルコ側は、この歩み寄りに非常に満足している。この振る舞いは「事実の理解」として位置付けられる。

上カラバフ地域問題の解決に関わる展開が、特に10月15日のアゼルバイジャンでの選挙後に速まるという見方が支配的だ。トルコ側はアゼルバイジャンとアルメニア双方からこの点で強力なシグナルを受け取っている。トルコの要人の印象によれば、両国はアルメニア占領下の上カラバフ地域問題が一刻もはやく解決されることを望んでいる。コーカサスでの危機は両国にこの問題の早急な解決が必要であることを示した。両国は、外交で解決できず凍結しているこの問題が、南オセチアのように、今後より大きな危機として直面することになる可能性を理解した。アルメニアは、トルコとアゼルバイジャン両国との国境が閉鎖されていることから、グルジアで危機生じた際に食料と燃料問題を経験したのだ。

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( 翻訳者:大田垣綾子 )
( 記事ID:14715 )