大学受験生に衝撃走る:出身地別入学割当制の導入で高得点の受験生も不合格に
2008年09月08日付 E'temad-e Melli紙

昨年大学入学者数を性別で割り振る「性別割当制」の導入に対し、受験生から抗議の声が上がったばかりだが、今年はそれに加えて「出身地別割当制」が若者たちから教育の機会を奪っている。

 教育関係者によると、出身地別割当制の導入決定は、文化革命最高評議会議長を兼任するアフマディーネジャード大統領の直接的な命令によるものだという。「文化革命最高評議会の決定により、全日制各大学の定員の65%は地元出身の学生を受け入れなければならなくなった。大学入試センターは通達されたこの決定事項を実施するだけだ」。

 エブラーヒーム・ホダーイー大学入試センター副所長がこのことを明らかにした時には、時すでに遅しであった。昨年第9政府は突如として「性別割当制」を導入し、優秀な女子学生から教育の機会を奪い、男子学生にその分を割り当てたが、今年は文化革命最高評議会議長兼大統領の名により「出身地別割当制」が導入され、多くの男女から教育機会を奪っている。

 今回の突然の、そして安直な決定により、87年度〔2008年〕全国大学入学試験では、上位から3番目や7番目、23番目、40番目、60番目〔‥‥〕の点数を取った学生 ―― これは氷山の一角だ ―― ですら入学に失敗し、教育を続けることができない状況に陥っている。

〔中略〕

良い大学には首都圏の学生のみ入学可能に

 努力を積み重ねてきたにも拘わらず、ただただ大統領の決定によって大学への入学を阻止された受験生らは、入試結果の発表から3日が経った昨日朝、イランの若者たちに対する明らかな教育差別に抗議する集会(二日目)を開いた。受験生らへの同情からでなくとも、職務上の責任感から、関係者から彼らに説明があることを期待してのことだった。しかし大学入試センターの責任者は受験生らの疑問に答えなかったばかりか、同センターの門を固く閉ざして、抗議の声を上げる受験生らを門前払いにした。

 責任者らの冷たい対応に落胆した抗議学生とその家族は、テヘランのキャリーム・ハーン・ザンド通りをふさぐという行動に出た。もしかしたら彼らの抗議の声が、大学入試センター関係者の耳に届くかもしれないと考えてのことだった。しかしそのときやってきたのは同センターの責任者ではなく、あろうことか群衆を解散させるために派遣された治安維持軍の隊員らであった。

 続けられる抗議の結果、ついにエブラーヒーム・ホダーイー副所長が抗議集会の現場に姿を現した。彼はそこで、以前発表した内容そのままに文化最高評議会の決定事項に言及し、学科選びの前に「正確な」情報提供を行ったと弁明した。

〔中略〕

 同副所長は昨日、抗議学生らに対して行った短い説明の中で、唐突に次のように述べた。「例えば、定員150名のシャリーフ工科大学電気工学科の80%は、決められた地域の学生が入学する。つまり、80%はテヘラン州、セムナーン州、ザンジャーン州、ゴム州、中央州、及びガズヴィーン州からなる〈一区〉の受験生に割り当てられる、ということだ。残りの定員の20%、すなわち約30名はその他の州に割り当てられる」。

 この短いことばは、極めて憂慮すべき内容を含むものであり、受験生らの背筋を凍らせるものであった。「出身地別割当制」という第9政府の決定がもたらす結果は、単刀直入に言えば、今後イラン中央部(首都圏とその周辺)の学生はどんな点数でも(あまり点数が良くなくとも)首都テヘランの最も優秀な大学に入学できる。逆に、努力して大学入試で最高の点数を取った他の地域の優秀な学生からは、教育の権利を奪ってしまう、ということだ。大統領の命令によれば、「恵まれない」地域(第二区、第三区)の学生は学術レベルの比較的低い、地域の大学で学ばざるを得ないのである。

女子学生が置かれた状況は、男子のそれよりもさらに深刻

 イランの将来を担う若者たちに対する第9政府の新たな政策への家族の不安は、消えないどころか、時々刻々と増大している。今年から「出身地別割当制」なるものが「性別割当制」に追加されため、女子受験生の周辺からは痛々しい話も聞こえてくる。

 国の正式な統計によれば、何年もの努力の結果、ここ数年間大学入試で最も高い得点をあげてきたのは女子学生たちであった。しかし彼女たちはいま、「学力」ではなく「性別」のみで教育の機会を奪われている。実際、昨年の大学入学では4割が女子、6割が男子に割り当てられているのだ。〔訳注:それより前、イランでは女子の入学が男子を上回っていた〕

 今年、「出身地別割当制」と「性別割当制」の二つの割当制が女子学生たちに重くのしかかっている。イランの「恵まれない地域」で教育を受けているために、〔工学部など人気のある〕経験科学の学科入試で良い成績を収めても、政府の新方針によりどの教育機関にも入れない、という女子学生が存在するのだ。〔‥‥〕〔大学入試センター試験で〕1200番だったにもかかわらず、イラン全国のどの医学部にも入ることができない女子学生がいる一方で、1900番の男子がその代わりに合格したというケースもある。

〔後略〕

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(翻訳者:斉藤正道)
(記事ID:14716)