国会、文化遺産観光庁の大統領府からの分離・文化イスラーム指導省への合併を緊急動議
2008年09月15日付 Jam-e Jam 紙

【政治部】国会のエスファンディヤール・ラヒーム=マシャーイー副大統領に対する批判が相次ぐ中、同副大統領は自身の「イスラエル国民は友人」発言に対する説明責任をいまだ果たしていない。このような中、国会議員らは同副大統領の責任を追及すべく、ついに文化遺産観光庁を大統領府から切り離し、同庁を文化イスラーム指導省に合併するための緊急法案を可決することで、ラヒーム=マシャーイー副大統領の説明を求める動きに出ている。

 これより前、200名の国会議員はマシャーイー発言に抗議する書簡に署名し、また同氏を国会へ召喚したが、それでも説得力のある回答は得られなかった。しかも大統領は本件に関して沈黙を貫いている。

 これに対して一部の国会議員は、大統領に対し質問主意書を提出するといった動きをとってきた。そして今回、彼らは文化遺産観光庁を大統領府から分離させ、同庁を文化イスラーム指導省に合併させる法案を緊急に審議することを決定、政治的手段によりラヒーム=マシャーイー副大統領を国会に対して説明責任のある立場に置く構えを見せている。

 出席した252名の国会議員中、賛成146票、反対86票、棄権6票により、国会は法案の緊急審議を可決し、可及的速やかに同案を検討するよう求めた。

観光産業をないがしろにしてはならない

 国会経済委員会の委員であるカーゼム・デルホシュ議員は、国会議員らが合併法案の緊急審議を可決したことを批判して、文化遺産観光庁の重要性はその経済的側面にあるのであり、文化イスラーム指導省への合併は観光産業とその経済的側面をないがしろにする行為だと指摘、その上で観光は石油に代わる位置を占めるべき産業だと述べた。

〔中略〕

 他方、国家安全保障・外交委員会の副委員長であるテヘラン選出のエスマーイール・コウサリー議員は、「責任ある立場にいる者が〔問題となるような〕内容を発言し、〔これに対して〕国会議員らが〔納得のいく〕結果を得られず、200名の国会議員の〔抗議の〕書簡に対しても合理的な回答が得られないような場合は、このような反応〔=文化遺産観光庁を大統領府から切り離し、同庁を文化イスラーム指導省に合併するための法案を提出すること〕があったとしても当然だ」と述べる。

 同議員は続けて、「アフマディーネジャード大統領が同問題に介入するなり、マシャーイー氏が謝罪を行うなりすべきであった。そうすれば、問題はとっくに収束し、ここまで引きずることもなかったであろう」と語った。

 コウサリー議員は、マシャーイー発言に対して国会議員が反応を示すことは、議員として認められた法的な権利だとした上で、「われわれが議論しているのは〔同氏に自らの発言についてどうやって〕説明をさせるかであり、〔観光産業をめぐる〕経済的議論やそのための構想作りとは別である」と話した。

〔中略〕

 合併法案に反対する議員らは、文化遺産観光庁の任務とは富と雇用の創出であり、そのため同庁は独立して業務を遂行すべきだと指摘しつつ、「ただでさえ文化イスラーム指導省は映画や出版、モスクをはじめとする数多くの機関を監督している。それゆえ、〔文化遺産観光庁のような〕広範な課題を抱える一機関を文化イスラーム指導省に合併させる案には無理がある」と強調している。

 他方、合併法案に賛成する議員らは、副大統領兼文化遺産観光庁長官が説明責任を果たしていないことが今回の緊急動議の採択の基本的原因であると述べ、「もし大統領への質問に対しても〔誠意ある〕回答がなされず、他に方法がないような場合には、これ以上不愉快な発言を耳にすることがないよう、文化遺産観光庁を国会の監督下に位置づけた方がよい」と強調している。

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( 翻訳者:柴田愛子 )
( 記事ID:14719 )