Guneri Civaoglu コラム:アメリカの公正発展党(AKP)観
2008年09月27日付 Milliyet 紙

アメリカ中央情報局(CIA)で長い間トルコ部長を務めたグラハム・E・フラーによると、「AKPとイスラーム」との関係は次のようなものだ:

「私はAKPを単に穏健なだけでなく、同時に、さらにより重要なものとして、宗教的価値観が政治的領域と統合されることがどのような意味を持つかを発見しようと努めているイスラーム主義の政党だと考えている」。

AKPは、イスラーム主義政党の思想形態において新たなページを開いている。この意味でムスリム主義(Muslimhood)は、ある明白な宗教的議題を政党の政治プログラムから取り出すとき、イスラームの性質に起因する価値を排除しない、という創造的な概念である。

フラーは、彼が話をしたAKPの党員たちの次の発言にもスペースを割いている:

宗教が基本的に個人的なものであることを認める一方で、「宗教はセキュラーな(世俗的な)国家システムに譲歩することなしに公の、政治的領域と接合され得る」。

フラーの、5つの法的領域に対する宗教の便益についての見解は次の通り:

この議論を締めくくる最後の到達点は、「自治と公共、また個人的、市民的、政治的なものの再定義である」。
個人の宗教的アイデンティティは、「個人の倫理的、精神的態度が付加されることによって、政治的領域に便益さえもたらし得る」。

■一連の「わけ」

フラーは、「AKPを一種のイスラーム政党とみなしている」と書き、その理由を列挙している:

1-AKPの指導者の多くは、エルバカンならびに彼の開いた諸政党と関係がある。ここではその関係性の深さとともに継続性もまた重要である。
2-自らを「保守政党」と定義する一方、AKPはもともとイスラームとオスマン朝の遺産を抑圧するかわりにそれを認識し、承認する形で、トルコのイスラーム教徒の多くが抱いている幅広い要望にこたえている。
3-AKPは信仰心の篤いムスリムから熱心に支持されている。
4-AKPは ―現在まで成功はしていないが― 多くの社会-宗教政策を掲げている(公共機関や大学でのスカーフ着用... 姦通を罪とする... イマーム・ハティプ高校の教育システムへの完全統合の呼び掛け)。
5-急進的な世俗主義者は、AKPが実際にトルコをイスラーム化し ―これを信じることは困難だが― シャリーアを適用することに向けた真の協議事項をひた隠しにしていると主張している。
6-AKPのリーダーたちは、他のムスリム国家と急いで良好な関係を結び、こうした国々を孤立させ急進化させることに終止符を打つことの必要性を強調している。
AKPは幅広いムスリム世界の基準を用いれば、明らかに穏健派イスラーム主義者のカテゴリーに含まれている。

■「イスラーム主義者」はいい意味でも用いられるべき

フラーは次の結論に達している:AKPを単に(ポピュリスト的な)サービス政党として位置付けることは、他党と区別する上での全ての特徴をそぎ落とすことを意味する。
「イスラーム主義者」という用語 ―西洋の視点から見た― は、単に「悪い人たちに対して」だけでなく、「(宗教主義者)陣営の建設的な勢力に対して」も用いられるべきだ。

トルコのイスラーム主義者は、イスラームと政治という問題でより現実的で洗練された見解に向かう興味深い移行プロセスを経験した。
イスラーム主義者の知識人メフメト・メティネルによると:
「イスラームは ―どのように解釈されようと自由だが― 、単にシャリーア法との結びつきに矮小化されない」。

■結論

グラハム・フラーはアメリカの大学教員である。
大シンクタンクのトルコ-中東専門家である。
上の文章は彼の『存在感を増す地域的アクター、新トルコ共和国』という本から引用した。
(同書は)AKPがアメリカでどのように受け止められているのか、どうして支持されているのかを軸とする議論と疑問符(の解消)に役立つかもしれない。
ホワイトハウスに向けたトルコ・レポートは、グラハム・フラーや似た見解を持つ人々によって執筆中である。

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( 翻訳者:穐山 昌弘 )
( 記事ID:14782 )