「新規小規模事業所育成計画」で創出された雇用者数、約90万人:当初の事業計画との間に乖離
2008年09月30日付 E'temad-e Melli 紙

【イラン労働通信】中央銀行は調査を実施し、「新規小規模事業所」に融資された資金の約38%に流用があると発表したが、その後新たな報告書によって雇用創出の面でも、当初の事業計画から38.43%にのぼる乖離があることが分かった。

 入手した報告書によると、イラン暦85年〔西暦2006/7年〕、86年〔西暦2007/8年〕、そして87年の最初の5ヶ月〔西暦2008年3〜8月〕の間に、経営段階に至った事業計画で創出された新規雇用者数は、90万5955人であった。しかしその一方で、融資を受け取った事業主は自ら銀行に提出した事業計画の中で、計147万1526人分の雇用が創出されるとしていた。

 巨額の予算を投じた結果が90万5千人分の雇用創出というのは、不適切かつ不条理というものだろう。しかし、融資が行われ事業計画が実行に移された後の雇用創出に4割もの乖離が計画との間に生じていること自体、この計画の達成度に対して加えられている数々の批判が正しいものであることを証明している。

 第九政権の関係者らは〔ハータミー前大統領による〕改革派政権の「雇用緊急計画」を失政であるとして、それに多くの批判を浴びせているが、〔彼らが推し進める〕「新規小規模事業所育成計画」のコスト・パフォーマンスを一瞥するならば、別の側面が見えてくる。

 〔前政権で推進された〕「雇用緊急計画」では、総額3千万リヤール〔約35万円〕の自営業向けローンが職を求める人々に支給されていたが、それに対し公式の統計によると、〔現政権によって推進されている〕「新規小規模事業所育成計画」で創出された各雇用に費やされた平均コストは1億2380万リヤール〔約145万円〕であり、実際高コストな雇用がイラン国内で生まれたことになる。

 また、〔銀行との間で〕交わされた融資契約で見込まれていた雇用数の平均は2.62人であったが、しかし経営段階に至った事業計画で創出された実際の雇用数の平均は2.07人であったことにも、注意しなければならないだろう。

 なお、上記期間〔2005〜2008年8月〕に銀行に持ち込まれた事業計画数は110万6166件であった。また、新規小規模事業所育成計画で創出が見込まれていた雇用数は311万4387人分にものぼり、当初の予算額は621兆6010億リヤール〔約7兆3000億円〕強であった。

〔後略〕

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( 翻訳者:綿引香緒里 )
( 記事ID:14840 )