バーザールの灯、いまだ消えたまま:絨毯・家庭用品販売業者もシャッターを下ろす
2008年10月12日付 E'temad-e Melli 紙
2008年10月14日付エッテマーデ・メッリー紙11面より
2008年10月14日付エッテマーデ・メッリー紙11面より

【経済部】テヘランをはじめとするイランの多くの都市のバーザールは昨日も、営業を停止した。経済関係者らはバーザールの灯を近く再点灯させるつもりはないようだ。

 首都テヘランやその他大都市の貴金属商は二日前までに、営業停止に踏み切っていたが、現在この営業停止の波は絨毯販売業にまで拡大を見せている。手織り絨毯は付加価値税の対象外であるが、絨毯市場の関係者らの多くは昨日、半日の営業休止を発表、さらに一部には終日営業を取りやめたところもあった。

 同業者組合評議会の会長は、絨毯は付加価値税の対象ではないのに、なぜ絨毯業界が営業を中止したのか分からないと、驚きの声を上げている。

 これまで、経済関係者らは付加価値税の突然の導入が市場停止の主な理由だと表明している。その一方で二日前、マフムード・アフマディーネジャード大統領は書簡の中で、正式に付加価値税の導入を二ヶ月間凍結する発表を行っている。

 経済問題に詳しい識者らによると、経済関係者らは政府をあまり信用しておらず、意志決定が突然である場合は特にそうだという。実際、第9政権の経済責任者らは突然の意志決定によって市場を新たな困難に直面させることがありうるということを、砂糖市場や携帯電話市場を例に証明してきた過去があるのだ。現在も市場関係者らは、政府の経済政策に対する不信から、市場の停止を付加価値税の突然の導入に対抗するための手段として選択しているのである。

 このことに関連し、同業者組合評議会理事会の理事を務めるガーセム・ノウデ=ファラーハーニー氏は、イラン労働通信に「バーザールの一部の店舗は営業を停止していたが、話し合いにより問題は解決し、再び営業を再開した」と話した。

 同理事はさらに、「法律を簡単に無効にすることはできない、国会での手続きが必要だということを、バーザール関係者は理解すべきだ。付加価値税が凍結になっている間に問題を解決する方法を考える必要がある」と続け、次のように付け加えた。「大統領の書簡により、二ヶ月間の猶予が与えられた。この期間は延長も可能だ。この二ヶ月間のうちに、問題の解決に努力し、各組合と会合を重ねることで、〔付加価値税の仕組み等について〕周知徹底を図る必要がある」。

〔中略〕

 他方、本紙の元に届いた情報によると、本日もまた一部のバーザール関係者らは営業の停止を継続する予定だという。複数の情報によると、家庭用品販売業者が抗議運動の先頭に立っている模様だ。

 この事態に対し、同業者組合の指導者らは強い口調で、バーザール関係者らに対してことばを向けている。ノウデ=ファラーハーニー氏は昨日、次のように述べた。「大統領が付加価値税の導入を二ヶ月間凍結したにもかかわらず、いまだ一部の商店主らは営業停止を行っている。彼らは別所から暗示を受けているということだ」。

〔中略〕

 ノウデ=ファラーハーニー氏はさらに、「一部の商店主は店舗の営業を停止し、付加価値税法の廃止を狙っている。このような行動は全くバカげている。バーザールが休止しても、法が廃止されるということにはならないからだ。大統領は2ヶ月間の猶予を同業者組合に与えた。これは、〔付加価値税の導入を断念するためのものではなく〕われわれが業界の抱える問題を解決するためのものなのだ」。

 ノウデ=ファラーハーニー氏はその上で、「付加価値税法が凍結されてもなお、一部の商店主は営業を中止したままだ。これは彼らが、別所から教唆を受けているということを意味している」と指摘した。

 「別所」とは具体的にどこのことかとのファールス通信の質問に、ファラーハーニー氏は「私は政治的なことは何も知らないし、お話しすることもできない」とだけ答えた。
〔※訳注:いうまでもなく「別所」は、イラン・イスラーム共和国体制の「敵」(通常は米など)を暗示している〕

〔後略〕

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:14919 )