エジプトで偽炭酸水の移動式工場が摘発される
2008年10月13日付 Al-Ahram 紙

■移動式工場で殺人炭酸水を製造!

2008年10月13日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

 自動車の交換部品や子どものお菓子、靴墨、食品といった少なからぬ製品の偽装が広がっていることについてマスコミが報じるのは珍しくもない。しかし、偽の商品を製造するための専門の工場が作られて、しかもそれが肝臓や腎臓の不全などの危険な病気を引き起こしかねない炭酸水だったとは、今まで誰も聞いたことがないような珍奇な話だ。

 シャルキーヤ県のミニヤ・アル=カムハで発見された工場では、従業員が水道の蛇口から直接出した普通の飲料水に砂糖や人工着色料、添加物、ソディウムなどを混ぜ、安く上げるために、消費期限を延ばす効果がある炭酸を加えていなかった。そのため製品は1日、2日で消費期限が切れ、ボトルの底にはなぞの沈殿物が生じる。まるで傷みやすいオレンジを絞って何日か置きっぱなしにしたようなものだ。腐ったら、もちろん我々はそれを飲まないだろう!

 工場はもちろん認可を受けておらず、瓶詰めは手作業で行われていた。ミニヤ・アル=カムハのアフマド・サブリー食品監督官が言うには、工場のトイレはボトル詰めや保管が行われるホールに直接面しており、トイレとホールの間には仕切りもドアもなかったという。しかもホールには下水管が走っていた。従業員自身も清潔さへの配慮を欠いており、健康診断書も持っていなかった。

 さらにサブリー食品監督官は、「我々はこの工場を包囲し、従業員13人を逮捕した。彼らはアル=ムハンマディーヤ村、マラーミス村、ハンダサト・ライイ通りの間で、工場の場所を一定期間ごとに移動させていたことが判明した。それは彼らの仕業が露見しないためであり、また認可を申請しないで済ませるためだったと思われる」と述べた。

 シャルキーヤ県の工場に関する保健省の報告書はこの事件について、「内容物は偽装で人間の食用に適さず、規格に適合していなかった。沈殿物があり、炭酸(ソーダ)成分が含まれておらず、他社専用のビンを用いているなど、あらゆる面において商品偽造である。この製品は国民の健康にとって危険であり、長期間大量に摂取すると肝臓や腎臓の不全といった病気につながる」との、ミンヤ・アル=カムハ病院のアラー・ムカッリド院長のコメントを掲載している。

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( 翻訳者:小林洋子 )
( 記事ID:14922 )