Taha Akyolコラム:外交的勝利; トルコ、国連安保理非常任理事国入り
2008年10月20日付 Milliyet 紙

トルコが47年もの間望み続けた外交的勝利をものにした。国連安全保障理事会の非常任理事国に選出されたのである。しかも191カ国の内159カ国の賛成票を得て!

国連のロビー活動において、トルコに対する支持・不支持をめぐるとても多くの劇的な出来事を経験した、経験豊富な外交官であるバーキ・イルキン氏の喜びの涙は、成功の大きさに由来している。

以前ギリシャが選出されたことがあった。今回はウガンダも選出され、ようやく2年間のメンバー入りかと過小評価することは間違いである。ウガンダはアフリカ地域の唯一の候補国であった。(しかし)トルコは、多くの議論をかいくぐって選出されたのである。

北大西洋条約機構(NATO)の一員であり、ヨーロッパ連合(EU)の加盟候補国であるトルコが、アラブ世界やアジア、アフリカそしてラテンアメリカから159票の賛成票を獲得したことは、実際に外交的な「勝利」である。トルコのますます増加する国際的な活動の、外交政策における『戦略的な奥深さ』の証明である。なぜなら...

■ 戦略的な奥深さ

つまり、中央アジア、アフリカ、ラテンアメリカの国々に、極東のマレーシアに首相や大統領のレベルで訪問が行われること、これが『戦略的な奥深さ』のひとつの適用であるらしい!

誠実なNATOのメンバーであり、EUの加盟候補国であるトルコがアラブやイスラム世界との関係を発展させたことは、エクメレッディン・イフサンオール教授がイスラム会議機構の事務局長に選ばれたこと(につながり)…

それと同時にイスラエルとの関係を発展させたことは、イスラエルとシリアを対面させることのできる唯一の国がトルコであること、そしてサルコジ(フランス大統領)さえもトルコのこの役割を讃えること(につながり)…

トルコが『イラク近隣諸国会議』を設定することは、『黒海協力機構』、『コーカサス安定プラットホーム』、『エネルギー回廊』といったプロジェクトの先導を切ること(につながり)…

これらはバラバラの政策ではなく、『戦略的な奥深さ』に依拠したひとつのビジョンの適用であった。そして国連で159もの賛成票をもって証明されたのは、このビジョンが成功であるということである。

■ ビジョンの設計者

第一の名誉は外交官のものである。トルコの少なくとも150年続く近代的外交の伝統が寄与している。特にわたしはバーキ・イルキン国連常駐大使を祝福している。もちろん政府や共和国大統領も祝福している。

もう1人、ある人物を祝福しなければならない。このビジョンの設計者、アフメト・ダヴトオール教授は、580ページにも及ぶ『戦略的な奥深さ』と題した壮大な書物の著者であり、首相や共和国大統領の外交政策筆頭諮問官でもある。

外交政策を、「表面的なことを説明する平面幾何学の論理によってではなく、現象の背後に影響力を行使するため立体幾何学のパラメーターによって」分析するダヴトオール氏のこの本をみなさんが読んだなら、トルコを戦略的な「中心」として見ることになり、「周囲に向け」考えを巡らし始めることになります。(そして)突然近隣のバルカン諸国、中東(の国々)、コーカサス、ロシア、黒海(沿岸地域)、地中海(沿岸地域)、中央アジア、イスラム世界、アジア、アフリカそしてラテンアメリカが、みなさんの目の前で『戦略的な奥深さ』として形をなし、「トルコの戦略的な関係と外交政策の方法」として考えるようになります。外交政策における個々の問題に対して、例えばレバノン問題に対してもこのビジョンによって接近が図られました。

159票の賛成票はまさにこの図式がもたらしたのです!オッリ・レーン(欧州委員会委員)がこのわれわれの成功を「トルコが国際的な分野で増やしつつある役割を証明したもの」と述べ祝福したことは、本当のことなのです。

キプロスやイラク問題の臨界点に入るであろうこの先2年間にトルコが安保理で非常任理事国になることは、類まれなる価値ある勝利である。

50年間努力してきたすべての人々を祝福します。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:14943 )