Fikret Bila コラム:憲法裁判所が描くロードマップ
2008年10月26日付 Milliyet 紙

憲法裁判所は2つの重要な判決の理由を明らかにした。
イスラーム風スカーフ訴訟と公正発展党(AKP)解党訴訟で憲法裁判所が下した判決の理由は、政党にとってはロードマップの意味合いをもつ。

■共和国の性質
憲法裁判所は、イスラーム風スカーフ解禁のために実施された、第10条及び第42条の改変を無効にした判決で、トルコ大国民議会の権限領域を線引きしたことになった。
この判決では、憲法の改正不可条項、また改正の提案不可条項に関して、トルコ大国民議会が憲法改正をすることはできないとした。共和国の本質を規定するこの条項はもともとの建国者政府によって決定されており、この条項はトルコ大国民議会の憲法改正権限から除外されていると強調した。

この規定に基づいて、憲法の最初の4条項に対する直接的、あるいは間接的な改正の試みは、法制化したとしても、法的には有効ではなくなると結論づけられた。
従って公正発展党政権は、これらの条項に影響を及ぼす憲法改正に傾倒しないことが必要である。
憲法裁判所は、決定したこのロードマップをイスラーム風スカーフに関する判決でも確実なものとした。公正発展党が世俗主義に反する焦点となっているとみなされる際に、同党がイスラーム風スカーフを解禁する目的で行ったものの無効にされた憲法改正が最も重要な要素になったことを再度、憲法裁判所は判決をもって確定した。

■深刻な警告
憲法裁判所が公正発展党に対して行ったその他の警告は次のように列挙できる。
1.世俗主義を拒絶する環境整備に傾倒しないように。
2.宗教的感情を政争の道具にしないように。
3.政争に優越性をもたらすといって、宗教性を政治領域に持ち込まないように。さもなければ、政治体制の正統性が問われることになる。
4.スカーフ禁止、コーラン学校における年齢制限、イマーム・ハティプ高校出身者の[大学入試における]得点係数を通して、世俗主義に反する政争を行わないように。
5.国を単独で自分たちの支援基盤のためだけに治めようとしないように。
6.報道の自由を制限しないように。
7.少数派の自由を保護するように。

憲法裁判所は、公正発展党のこれらのことについての発言及び行動を世俗主義に反する焦点を形成している理由と認めた。
今後、与党はこの分野において、より注意を払う必要がある。

■支援される政治
憲法裁判所は、公正発展党は世俗主義に反する焦点となっていると判断するとともに、解党ではなく、国庫補助金の一部削減を決定する際、政治的理由を用いた。今回の判決は、この観点からもロードマップを描いたことになる。
高等裁判所が肯定的であると判断し、刑罰を軽減する「軽減理由」と考えた、公正発展党を解党から救った理由は次のものである。
1.国民の大部分が(2007年)7月22日に公正発展党を支持
2.暴力を扇動していない
3.公正発展党はEU加盟努力を法的改革そして政治改革によって加速化
4.女性に対する優遇措置(ポジティヴ・アクション)の努力
5.大統領を直接国民投票によって選出することを可能にした憲法改正
6.欧州人権裁判所の判決を再審理由とみなしたこと
7.国際人権規約を国内法へ反映

これらも憲法裁判所が支持したロードマップである。
もちろん否定的なロードマップと同様に、肯定的なロードマップの理由も議論されることが可能である。
公正発展党は、解党訴訟とイスラーム風スカーフ、両訴訟に関する理由が付された判決を真剣に受け取る必要がある。いずれの判決も与党の観点では非常に深刻な警告という性格を帯びている。

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( 翻訳者:幸加木 文 )
( 記事ID:14991 )