妻の離婚請求、却下:ある夫婦の離婚騒動
2008年10月21日付 E'temad-e Melli 紙

ある若い女性が資産家の夫との離婚を求めて、婚資金として設定された12万4千枚の金貨を放棄した。これに対してこの女性の夫は、詐欺師の妻に全財産を詐取されたと主張、控訴審は離婚を求める女性の要求を却下した。

 本紙記者の報告によると、数ヶ月前、ある若い女性が家庭裁判所を訪れ、離婚を求める訴えを起こした。この女性は夫との離婚を勝ち取るためには、婚資金として設定された12万4千枚の金貨を放棄することもいとわない姿勢を示した。

 女性は離婚を求める理由として、家庭裁判所の裁判官に次のように語った。「13年前、私がまだ17歳だった頃、広告を通じて知ったある会社の面接を受け、そこで秘書として働き始めました。私はこの会社で、13年間働きました。私が働き始めてすぐに、当時40歳、私とは約20歳も年の差のあるこの会社の経営者が、私に告白してきました。彼は私のことが好きで、私に対してどんな愛情も惜しみませんでしたし、どんなケアも面倒がりませんでした。でも、私は20歳も年の差のある男性と結婚したいとは思いませんでした」。

 女性は次のように続けた。「それから数年が経ちましたが、私はこの間ずっとメフルダード〔会社経営者の男性〕の愛を感じてきました。そしてついに、彼の愛を真剣に考え、最終的な答えを彼に伝えようと心に決めました。私はメフルダードとの結婚を決心しました。この間、私は彼がいい人だと気が付いたからです。このようなわけで、私とメフルダードは、私の家族の強い反対を押し切って、6ヶ月前に契りを結びました」。

 「しかし共同生活を始めてから6ヶ月が経ち、私はメフルダードを愛していないのだということ、20歳も年の差のある男性と生活することは困難だということを、今感じています。私は夫との離縁を求めます。婚資金12万4千枚の金貨を放棄しても構いません」。

 このような女性の訴えを受け、担当の裁判官は審理を開始、この女性の夫を裁判所に召喚した。

 男性は調べの中で裁判官に次のように述べた。「妻は詐欺師です。彼女は何年もの間私の秘書を務め、その間私をその気にさせてきました。結婚すると、彼女は私の愛情を悪用し、私の全財産を奪い取りました。この女は自分が知っているあらゆる方法、あらゆる策略を用いて、私が所有する土地の一部を自分の名義にしてくれるよう、いつも私におねだりしてきました。私も妻にぞっこんで、彼女が詐欺師などとは想像だにしていなかったため、彼女を喜ばせたい一心で、土地を次々に妻名義にしてしまいました。そればかりかこの女は、私と結婚する際、多額の婚資金を要求してきました」。

 男性は次のように続けた。「妻は詐欺師です。私は彼女の話にだまされたのです。今や、私は全財産を失いました。彼女は、私が無一文であることを知っているのです。だから、婚資金を放棄するなどといっているのです。私は彼女を訴えます。妻と別れるつもりはありません」。

 裁判官は男性の主張を聞き届け、残りの審理を完了した上で、離婚を求める女性の言い分は十分ではないと判断、彼女の要求を退けた。

 女性の抗議を受け、本件はテヘラン州控訴審第45法廷に移された。控訴審は本件を審理した上で、一審の判決を支持、離婚を求める女性の訴えは十分な理由に基づくものではないとして、それを退け、判決は確定した。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:15001 )