ベカーア地方の麻薬商人をAFPが取材
2008年10月06日付 Al-Nahar 紙

■ 彼は神以外の何ものも恐れない!

2008年10月06日付アル=ナハール紙(レバノン)HP世界の話題面

 フランス通信社(AFP)は、レバノンの麻薬商人で指名手配中のヌーフ・ズアイティルについて、レバノン北部のアルズ地区とベカー地方を隔てるレバノン山脈のふもとにある彼の村クナイサで取材を行った。このルポルタージュはおそらく今日、世界中の多くの新聞に、写真と共に掲載されると見られる。(写真:AFP通信)

 AFPによるとズアイティル (37歳)は、ハシシの原料となる大麻を栽培し、ハシシを商っていると語った。そして彼は、「それは自ら選んだのではなく、諸々の事情から止むを得なかったのだ!」と述べた。また、ズアイティルは自分が独立した存在であることを強調し、「私はいかなる勢力にも属していないし、誰の庇護も受けていない」と語った。

 ズアイティルは長髪を束ね、細身のジーンズとアメリカのカウボーイブーツをはき、腰に拳銃を携え、マシンガンやロケット弾発射機を装備した14人の護衛に囲まれて歩き回っている。護衛たちははお互いを「トラ」、「サソリ」、「ビン・ラーディン」などのニックネームで呼び合っているという。

 ズアイティルは既婚者で、アリーを長男、ゲバラを末っ子とする4人の子供の父親である。彼は村に建てた大きな家に住んでおり、その家の入口には往来者の接近に対して注意を促す高い監視塔がそびえ立っている。そして家の中庭には車が数台止めてあり、その窓ガラスにはスモークがかかっている。その中にはハマーが1台あり、その他にも四輪駆動車が1台ある。

 ズアイティルの収益は、収穫が良い時には年間およそ150万ドルに達する。彼は、人口およそ200人に上る村民の生活を援助している。彼らの中には、水道や電気もままならない家に住んでいる者もいる。

 ズアイティルは「私は彼らの面倒を見ている。彼らにパンと水を確保してやっている。なぜなら国家にはそれができないからだ」と語った。国内の司法当局や国際刑事警察機構に指名手配されているにもかかわらず、彼はそれを嘲笑って言う。「ハシシの商売は犯罪で、国家を売り、国民を殺し、飢えにさらすことは犯罪ではない…そういうことならば、私は誇りを持って最大の犯罪者であり続けるだろう!」

 ズアイティルは自宅周辺に広がる大麻農場の前に立ち、挑戦的にこう言った。「私は神以外の何ものも恐れない!」

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:南・西アジア地域言語論(アラビア語メディア翻訳) )
( 記事ID:15022 )