「アルメニア人への謝罪」署名キャンペーンが議論に
2008年12月16日付 Milliyet 紙

■「兄弟であるアルメニア人に謝罪をします」

近頃、.アフメト・インセル教授、バスクン・オラン教授、そして新聞コラムニストであるアリ・バイラムオール氏らのグループが「アルメニア人へ謝罪する」と名付けられた署名キャンペーンを始めた。「兄弟であるアルメニア人へ謝罪する」というキャンペーンの声明文では、「1915年にオスマン帝国のアルメニア人たちが受けた『大惨劇』に無関心であること、これを否定することは良心が許さない。この不正を拒絶し、兄弟であるアルメニア人の感情や苦しみを分かち合い、彼らに謝罪します」と述べられている。
謝罪するグループは、キャンペーンの目的を以下のように説明している。

■「真相は異なっている」

「アルメニア人の身に起こったことは、トルコであまり知られておらず、忘れられ、抹殺された事実です。トルコ人はこの事件を年長者や祖父たちから聞いてきました。しかしこの問題には、いかなる時も、客観的な歴史解釈は行われてきませんでいた。このため、非常に多くの人々がトルコで、今日悪意なく、アルメニア人の身には何も起こらなかったと考えています。
これが、大きな重要性をもたない、二次的な、さらには、互いの殺し合いとして起こった事件であり、第一次世界大戦という特殊な条件がもたらした、ある種の「よくある出来事」だったという考えが、公的史観(を宣伝する側)から何年も語られてきました。しかし、残念ながら真相は全く異なっています。おそらく1つの真実があります。それは今現在、もはやアナトリアにはアルメニア人はおらず、他の構成要素であるトルコ人やクルド人あ今もここにいるということです。この運動の主体は個人です。個人の良心から来る声です。謝罪する者は謝罪し、謝罪しない者はしない。これほどの時間ずっと、ほとんど100年近くにわたり、この話題について言及できなかったこと、公然と話し合うことが出来なかったことに対して謝罪します」

■個人の態度

長い議論の末に同意に至ったこの運動では、通常の方法とは異なる手法をとることが計画されている。キャンペーンの先導者は、目標はインターネットで運動を1年間続けること、可能な限り多くの参加者を得ることだと述べている。

ガラタサライ大学のアフメト・インセル教授は、このキャンペーンは歴史的責任に対する個人的な態度(の表明である)と定義する。また、「公の政治とは関わりなく、我々市民は、トルコの歴史に関する自分の考えを表明する権利を持っています。キャンペーンを政治の材料に転換しないことが必要です」と述べた。
バフチェシェヒル大学経済経営学部教員のジェンギズ・アクタル博士は運動に関連して、「個人を、個人の感情を前面に出す運動の時代が来た、いや、その時代はもう過ぎてしまったかもしれないという考えから、私たちは出発しました。おそらく年頭には非常に広範囲な運動にすることを目標としています」と語った。

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( 翻訳者:白石百合子 )
( 記事ID:15346 )