昔と今のイードの違い…家族の絆を取り戻すアイデアを教えます
2008年12月07日付 Al-Ahram 紙

■ 現在と過去のイードの光景

2008年12月07日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP家庭面

【アマル・アワドゥッラー】

 ムアッジン〔=礼拝の呼びかけを行う人〕がイード〔=イスラームの祭礼、犠牲祭〕の礼拝を呼びかけると、人々は各自の家から礼拝をするために集まってくる。礼拝の後、人々は通りに繰り出して祝福を述べあい、「良いイードを」と声を掛け合う。それから祖父や年長のおじは兄弟を訪ねてその子ども達を起こし、イードのお小遣いを配る。すると子供たちは、たいていは派手な色の新品の服を着て、イードの挨拶をしに近所の人達のところを回ってから通りに向かい、色つき風船や爆竹で遊ぶ。こうして通りや公園はどこも、楽しむ子供たちの叫び声や笑い声で一杯になるのだ。

お昼には食事を取るため家族全員が集まり、それから親戚や友達への訪問を始める。これが喜びと幸せ、そして親族との絆に包まれたかつてのイードの姿だった。しかし今日では、速い生活リズムや大混雑、生活の重い負担、家族の分裂のため、その姿は変わってしまい、昔は家族で楽しんでいた伝統的なイードの光景は失われた。専門家たちは新たなイード像をどう考えているのだろうか。また、どうやって親族間の強い絆を取り戻すことができるのであろうか?

 家族問題の専門家であるスアード・アドリー氏は、年々イードの喜びや感覚は失われ、普段の週末と変わらなくなってしまっていると語る。社会生活の様相が以前と変わってしまい、人々は多くの人間関係を省略して、お祝いの挨拶も携帯や電話の通話で済ますようになった。たいていの家族は自分の家庭中心になり、子供たちをつれて食堂に行ったり娯楽施設に行くことを好むようになった。そういう場所は一年中いつでも利用できるというのに。

 いつもと違ったことをするための新しいアイデアとして、カイロの外に旅に出て、親類や友達から離れてイードを過ごすという光景も見られるようになった。家に残って訪問しあったりイードのお小遣いを配ったりするよりお金もかからない。これは家族という存在の精神的溝が大きくなっていることの明白な証拠だ。家族は社会の核であり、私達は特にイードにおける社会的・宗教的訪問を通して家族とその結束を維持しなければならない。私達が小さいときから学んだ親族の絆とは、親類や親戚の訪問を意味している。もし社会と関わりがなく、絆の弱い家族の中で子供が育ったとしたら、それは子供の性格に影響して、そうした絆が意味している美しい特質の感覚を失ってしまう。どうやってその感覚と感情を子供に与え、どうやって子供たちに本当のイードの喜びを与えたらいいのか、考えてみたことがありますか。今後、あなたの子ども達に思い出を作る手助けとなる、いくつかのアイデアをお教えします 。

・ 初めての家族会議を開きましょう。みんなに都合の良い日時を選び、話し合うべき事柄について家族全員に尋ねます。そしてまず、家族のスローガンを選びます。それからイードの過ごし方についてそれぞれの考えを議論して、訪ねたい場所や人、毎日の献立、着るもの、家事などについての考えを記録しておきます。

・ あなたの家族の伝統や習慣を作り、みんなの提案をききましょう。毎年決まった日に作り、親戚や友達に配る家族の伝統の献立を選んで、イード用のノートに記録しておきます。

・ 家用に決まった飾りを用意し、毎年のイードにその飾りを吊るしましょう。

・ 絆を深めるため、イードの夜に親類や友人とのお茶会や夜会を催しましょう。子供たちにも友達を誘うことを許し、イードの喜びに参加させましょう。

・ 家用になにか新しい物を購入するようにしましょう。そして家族のための簡単なプレゼント、特に手作りで特別な意味を持つプレゼントを子ども達が準備できるよう、手助けしてあげましょう。

・ 子供にジャーナリストの役回りをするよう教えましょう。そしてお爺ちゃんやお婆ちゃんなどに、イードの思い出について質問を用意する手助けをし、録音したり写真に撮ったりして記録しておきましょう。

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( 翻訳者:平寛多朗 )
( 記事ID:15354 )