株価急落:指数8000ポイント台に
2008年12月14日付 E'temad-e Melli 紙

【経済部】株価指数が9000ポイント台を割り込んだのは、まだ時計の針が朝10時を指す前のことだった。株価指数は9000ポイントの大台を割るのではないかとの予測は、土曜日の取引開始とともに、現実のものとなったのだ。

 現在、株価総合指数は8000ポイント台にとどまっている。過去3年間激しい値動きを見せていた株価指数は昨日、史上最大の下げ幅を記録、5年前の数字に逆戻りした。ガラス張りのホールに集まった株主たちは、「アーザル月23日」〔西暦12月13日〕のことを決して忘れることはないだろう。

 株価総合指数は水曜日の取引で9000ポイント台を維持していたが、9000ポイント台を割り込み市場を震撼させるまで、あと23ポイントに迫っていた。そのような中、昨日株価指数は〔最終的に〕50ポイントの下落を記録し、8973ポイントとなった。ついに9000ポイント台という心理的な境界が崩れ去ったのである。

 数ヶ月前から株価総合指数の下落傾向は続いており、専門家らはこのような事態を予測済みであった。9000ポイント台を割り込んだ現在、市場関係者らは市場に対する真剣な支援がない場合には、総合指数は今後2ヶ月間で7000ポイント台へと突入するだろうとしている。これは国の経済の「ショーウィンドウ」にとって大いなる警告を意味する。

 ここ最近、資本市場には陰りが差している中、経済相は先日、株式市場に資金を注入する必要はないとの見方を示し、〔‥‥〕政府による3000億トマーンの支援を否定した。このことは資本家らを大きな不安に陥れている。

 資本市場のある専門家は、このことについて「指数や株価の急落を考えれば、現在の株式市場の状況は100%異常な状況に陥っているといえる」と指摘する。

 シャーヒーン・シャーヤーン=アーラーニー氏は、大多数の企業の株価は下落しており、株式市場一日〔で取引される株の?〕価値は250億ドルも下がったと指摘した上で、次のように述べる。「株価・指数の急落の原因の一つは、世界的な金融危機にあるが、しかし資本市場の運営における構造的な欠陥にも原因がある。例えば、資本市場の規模が小さすぎて、政府系大企業の譲渡といった大きな仕事はできない、といったようなことだ」。

 〔中略〕

 このような中、一部の市場関係者らは依然として、政府による資金の注入や支援の必要性がないわけではないとして、もし現在の状況がこのまま続けば、市場〔の信用〕は必ず大きく失墜し、イラン市場の将来に対する資本家らの期待も潰えてしまう、そうなれば国内投資の奨励〔という政府の思惑〕と矛盾を抱えるだろうとの見方を示している。

 このことに関し、「アーリヤーブールス信託」役員のベフザード・ルーヒー氏は、日常的な株価指数の下落の真の原因は政府の一部の政策にあるとした上で、イラン学生通信に次のように語っている。「外交分野での政策が、多くの負担を企業に強いている。これこそが資本市場の不安定化を招いている原因だ。みなイラン市場から逃げようとしているのだ」。

 ルーヒー氏はまた、〔政府による〕市場への資金注入はこの問題の鎮痛剤にはなるとしつつ、「市場が抱える根本的な問題が解決されない限り、資金注入は一時的な鎮痛剤にしかならないだろう。もし株式市場が抱える根本的な問題が解決されれば、市場は必ず発展・成長するはずだ」と指摘する。

 株式市場の指数の下落傾向が続いていることで、資本市場には不信感が漂っており、市場関係者らは、株価指数が7000ポイント台にまで落ち込むとの噂が現実のものとなる日を、不安をもって見つめている。

 過去5年間で最も指数が低かったのは、9002ポイントを記録した1382年シャフリーヴァル月26日〔2003年9月17日〕のことで、その日株価総合指数は9000ポイント台を越えることに成功したのであった。それ以来5年間、株価総合指数が9066ポイントを下回ることはなかったのだ。

 そしてついに昨日、このことが起きてしまった。午前9時42分、株価総合指数は8000ポイント台へと突入したのである。この日は、7000ポイント台を目ざす始まりの日となったとも言えるだろう。政府が市場の状況を改善するためにどのような施策に着手するのか、見守る必要があろう。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
関連記事(アフマディーネジャード大統領「石油価格が5ドルになっても国の運営には問題はない」)

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:15356 )