ガザでのシオニストの犯罪行為に、イラン各層から怒りの声
2008年12月29日付 Jam-e Jam 紙


【政治部】最近シオニストたちがガザで行っている犯罪行為は、彼らがカーナーやサブラー、シャティーラーで繰り返してきた犯罪行為と同列に位置づけることができるだろう。
〔訳注:カーナーは、2006年7月にイスラエルが爆撃したレバノン南部の町のこと。サブラー及びシャティーラーは、レバノンにあるパレスチナ難民キャンプの名前で、1982年にイスラエル軍の包囲の下レバノンのキリスト教徒民兵によって虐殺が行われた〕

 この犯罪行為に対する自称人権団体やアラブ諸国の指導者らの行動は、これまでと同様、沈黙の域を出るものではなく、せいぜい拘束力のない声明文を発出することに留まっている。シオニスト体制によるガザ住民の虐殺は、今回もまた、アメリカと一部西洋諸国の支援のもと行われたものであり、一部報道によれば、アラブ諸国の一部指導者がこれにゴーサインを出したとも言われている。

 イラン大統領は、シオニスト体制のガザでの犯罪行為に対する国連安保理やその他国際機関のこれまでの行動について、次のように述べている。「何年もの間、国連安保理では中身のない無意味な決議を発出するために、会議が開かれてきた。シオニストの犯罪者どもにとっていたくもかゆくもない決議となるよう、努力が行われてきたのだ」。

 イラン国営通信(IRNA)の報道によると、マフムード・アフマディーネジャード大統領は現在のガザ住民に対する犯罪行為は、歴史的に見ても類例を見ないものだと指摘した上で、「歴史上の暴君たちや血に飢えた者たちですら、自らの犯罪行為に対して一定の限度というものをもっていた。しかし抑制を知らぬ厚顔無恥なるシオニストどもは、自らの犯罪行為に対して限度をまったく知らない」と述べた。

 同大統領はまた、〔‥‥〕ガザの被抑圧民に対する封鎖措置に触れて、次のように語った。「今日、ガザの住民は食料・医薬品の禁輸措置に直面する一方で、継続的にシオニスト体制の空爆や砲撃に晒されている。パレスチナの子供や若者たちは両親の目の前で惨殺されているが、人権を声高に叫ぶ嘘つきどもは沈黙を決め込み、忌まわしき犯罪行為を続けられるよう、犯罪者たちにゴーサインまで出している」。

イラン国民は最後まで共に抵抗する

 大統領はパレスチナのイスラミック・ジハード運動のラマダーン・アブドゥッラー事務局長と電話で会談し、「イラン国民は今回の事件に対して、極めて不愉快かつ哀悼の念を抱いており、最後までパレスチナ人民と共に抵抗し続けるだろう」と述べた。

ラーリージャーニー国会議長「イスラーム諸国議会会議の会議開催を」

 アリー・ラーリージャーニー国会議長も今回のシオニスト体制による野蛮な行動に対して、ガザの被抑圧民への支持を表明しつつ、この問題をさまざまな側面から検討し、パレスチナとガザ地区の被抑圧民を支援するための会議を早急に開催するよう、イスラーム諸国議会会議の実行委員会に申し入れた。

国会議員ら、ガザでの犯罪行為に抗議するための集会を開催

 国会議員らは昨日、国会議長、国会運営理事会委員、パレスチナ国民インティファーダ支援会議のモフタシャミープール事務局長、その他の一部関係者らとともに、ガザ住民への支持とシオニスト体制による犯罪行為への非難を表明するために、パレスチナ広場で抗議集会を開催した。

 この集会の冒頭、アリー・ラーリージャーニー国会議長に続いて、ハマース代表者が演説を行った。駐テヘラン・ハマース代表のアブー・ウサーマ氏はシオニスト体制がガザで行っている野蛮な犯罪行為を非難した上で、「ガザの状況が改善することは今後もないであろう。しかしヨルダン川西岸地区では状況に変化が生じるだろう。現在西岸地区では、第三次インティファーダが起こりつつある」と指摘した。

 同代表はイラン国会の活動に謝意を表した上で、「略奪体制の外務大臣は恥知らずにもアラブ諸国を外遊し、自らの攻撃について説明に回っている。実に遺憾なことだ」と述べた。

 同代表はさらに、今日西岸地区では第三次インティファーダが起こりつつあると強調し、「神はわれわれと共にあり、彼ら〔=アッバース率いるパレスチナ自治政府のことか?〕の足元にある大地を揺らすであろう。彼らは西岸地区を占領している。しかし〔パレスチナ〕国民の魂や意志を封じこめることはできない」と論じた。

イラン、ガザでの犯罪行為の首謀者たちに対する裁判を要求

 外務省は、ガザで起きた人道に対する罪を調査し、首謀者らの裁判を行うよう国際機関に要求する声明を発表した。

学生ら、国連事務所前で抗議集会

 イラン人大学生らは、シオニスト体制によるガザでの犯罪行為と、それに対する国連ならびに国連安保理の沈黙に抗議するため、テヘランにある国連事務所前で抗議集会を行った。

 集会参加者と治安維持軍隊員らとの間での数分間にわたる小競り合いに発展したこの集会の中で、学生らは、シオニスト体制に対してガザでの犯罪行為を3日以内にやめさせることができないようであれば、テヘランの国連事務所は閉鎖に追い込まれるだろうと国連に警告した。

バスィージ隊員ら、パレスチナ防衛の用意を表明

 バスィージ抵抗部隊は声明を発表し、エルサレム占領体制によるパレスチナ被抑圧民に対する最近の攻撃を非難した上で、パレスチナの無防備かつ抑圧されし人民を支援するために「イスラーム世界軍」を結成する用意があると宣言した。

 声明の中でバスィージ抵抗軍は、「バスィージ隊員はイスラーム世界軍を結成して、パレスチナとガザにいる無防備かつ抑圧されし人民の救援に急行し、被抑圧者の支援という人間としての義務を遂行する用意がある」と表明している。

〔中略〕

2000トンの食料・医薬品、ガザに送られる

 イランは2000トンの食料・医薬品をガザに送る予定だ。救援物資を積んだ船には、医療チームやメディア関係者も乗り込むことになっている。この船は、10日から12日でヨルダンないしはエジプトの港に到着し、そこで救援物資の荷下ろしが行われた後、ガザの住民に物資が届けられる予定だ。

 イラン赤新月社の総裁は、「2000トンの食料・医薬品は今日、ガザに向けて送られることになっている」とし、ガザにイラン赤新月社の支援が届けられるのに数々の障碍が立ちふさがっていることに遺憾の意を表明した。同総裁は、エジプトの空路を使って救援物資を届けることに、同国政府が合意したことを明らかにして、「二日前、エジプト政府は食料・医薬品からなるイラン赤新月社の救援物資を、同国の空路を使ってガザに届けることに許可を出した」と述べた。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:15488 )