ハマスは決断すべき 武力か?それとも政治力か?
2009年01月27日付 Milliyet 紙

トルコ政府が「ハマスの支持者、さらには代弁者」であると批判される一方、外務大臣は興味深い言動に出た。
ババジャン外務大臣は、「『ハマス』は決断しなければならなりません。武力組織を目指しているのか、それとも政治的活動を目指しているのか。我々の提案はハマスが政治構造の中で位置を占めることです」と述べ、「ハマスという真実があります。しかし、ハマスが間違っているところもあります。我々はハマスの犯している間違いを承認するつもりはありません」と述べた。

ブリュッセルでEUのガザ会議に参加したアリ・ババジャン外相と、往路も復路も検討課題に挙がっている諸問題について話をした。主要な話題は、イスラエルのガザ攻撃、その結果と解決の模索だった。

ババジャン外相の姿勢、そして注意深く選んだ言葉は、「ハマスの支持者、さらには代弁者」となっていると批判されたトルコ政府が、これまでより中央に近い態度に変わったことを示していた。

■『武力か、政治か』
ババジャン外相は、ハマスに対するギュル大統領とエルドアン首相の姿勢の違いについて私がした質問に答える際、「首相は、当初からガザで起きている悲劇について、イスラエルが実行する政策を批判しており、一人の父親として話をしています」と述べた。
「我々はマフムード・アッバース氏を、パレスチナ政府首脳として認めています」と述べた後、「大統領と首相の発言は、一般的な枠組みの中で理解する必要があります。同じ姿勢をとることが重要なのではありません。異なる面を前面に出しているのです」と強調した。

しかしババジャン外相は、我々との会話の中で、ハマスに対して批判的な姿勢を見せ、警告といえる次の提案を述べた。
「ハマスは決断をしなければなりません。武力を伴う組織を目指したいのか、それとも政治的活動をする組織を目指すのか。我々の提案は、ハマスが政治的構造の中に位置することです」

■「ハマス側にも間違いがある」
ババジャン外相は、ハマス側が間違っているところもあると述べ、以下のように語った。
「パレスチナにある諸派の間で調整が必要です。ガザの発展のためにこれが必要なのです。政治基盤を形成する必要があります。ガザにはハマスという現実があります。しかしハマスにも間違いがあります。我々はハマスの行為を承認したり、間違いを支持したりすることはありません。

政治的改革が必要なのです。パレスチナの人々が自分たちの運命を選挙でもって決めるような制度を作るべきなのです。そしてその選挙結果については、国内外のすべての人が敬意を表するべきです。最近の選挙でハマスの党は44パーセントの票を得ました。国会議員の数は74名です。過半数以上なのです。ハマスからは10名の大臣が出ています。44パーセントの票を獲得した政党の支持基盤を無視することは出来ません。

国会議員の多くは服役中です。議長も獄中です。イスラエルが奇襲を行い、逮捕されました。私は人権と民主主義を強調しました。禁輸措置の廃止は、人権を保障するなら当然のことであり、パレスチナの民衆の意思を認めることも民主主義なら当然のことです。これはEUが理解できる話です。

ガザは360平方キロメートルの場所で、1500万人が住んでいます。逃げる場所はありません。ガザ全体が屋外刑務所のようで、継続的に爆撃されています。『禁輸措置を継続させることは、集団処罰になります』と私は述べました」

ババジャン外相は、ハマスを警告する一方で、イスラエル側には「ハマスを無視していては解決方法は見出せない」というメッセージを発した。
[後略]

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( 翻訳者:白石百合子 )
( 記事ID:15664 )