ダボス退席事件”主犯”のルーツはアナトリアのアルメニア家系
2009年02月01日付 Radikal 紙

世界経済フォーラムのクラウス・シュワブ会長は、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相が来年のダボス会議に参加することを「心から待っている」と述べ、「次は同じような不快なことが起こらないよう、我々は特別な関心を払うつもりです」と述べた。シュワブ会長は、退席事件について、司会者のデイビッド・ウグナテウス氏に責任があるとした。

シュワブ会長は、NTVテレビに行った説明の中で、トルコとトルコ人をとても好きであり、エルドアン首相へ尊敬の念を抱いていると話した。またシュワブ会長は、エルドアン首相がイスラエルのシモン・ペレス大統領との論争の後、ダボスを去ったことについてコメントし、この事件はトルコとイスラエルの関係に悪影響を与えていないし、今後も与えないだろうと話した。討論会で起こったことを「不快なこと」と位置付けたシュワブ会長は、来年の会議では、このような討論会の進行に関する問題が起こらないように、特別に尽力すると述べた。シュワブ会長は、今回起こった事件では、司会進行に間違いがあったとし、次年度は同じ過ちを繰り返さない、と述べた。

■故意ではなかった

イスラエルのシモン・ペレス大統領により長い発言時間を与えたとエルドアン首相が非難したワシントンポスト紙コラムニスト、デビッド・イグナティウス氏は、失礼なことをしようと思ったのではない、と語った。ミッリエト紙の報道によれば、イグナティウス氏は、この問題に関する質問に、以下のように返答した。
「中東地域での仲介役として尽力され、私が尊敬しているエルドアン首相に対し、失礼なことをしようといういかなる意図もありませんでした。29日夜については、時間がなくなってしまったので残念でした。我々の持ち時間が終わってしまったために、いずれの講演者にも2回目の発言のチャンスを与えることができませんでした。エルドアン首相は、我々のパネルのテーマでもあった、『和平プロセスへ戻る』ために手助け出来る人達のひとりです。今後数ヶ月において、エルドアン首相とトルコは、この問題で主要な役割を演じるでしょう」

■起源は、トルコの地方都市ハルプトに

タイイプ・エルドアン首相がダボスを退席する理由となった司会者デビッド・イグナティウス氏は、トルコをよく知る人物だ。家族の祖先はハルプトにさかのぼり、トルコから移住したアルメニア人系家庭の孫にあたる。
1920年にカルフォルニアで生まれた父ポール・ロバート・イグナティウス氏は、大統領リンドン・ジョンソン政権時代、海軍大将と国防省副大臣を務めた。息子のイグナティウス氏は、かつて父が代表を務めていたワシントンポスト紙の記者である。アルメニア人ジェノサイド説を支持するイグナティウス氏は、2006年にイスタンブルで祖先の物語について質問したトルコ人新聞記者に対して、「この件に関することは話したくありません」と述べたという。
また同氏は、12月に公開された映画「ワールド・オブ・ライズ」に脚色された原作本の著者としてイスタンブルを訪問し、講演を行い、首相府の代表顧問であるアフメト・ダヴトオール氏とも対談を行っていた。ガザ攻撃後のトルコの中東政策については、「誤った方向へ倒れるドミノゲーム」にたとえていた。

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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:15701 )