イラク地方議会選挙:開票途中経過
2009年02月01日付 al-Sabah al-Jadid 紙

■ マーリキー、アッラーウィー、部族連合優勢

2009年02月01日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP1面

【バグダード:ムルワ・サバーフ】

開票の始まった地方議会選挙結果につき、シーア派地区では、マーリキー首相の支持を受けた候補者の組合せによる躍進が目立つ。またスンニー派アラブは、投票率51%と、(ボイコットした)前回に比べると影響力をもつ形で参加した。

各地の非公式発表によれば、南部6県で「法治国家連合」が首位を占めている。しかし、マーリキー首相が党首を務めるダアワ党の牙城とされるバグダード南のカルバラー県においては、伝統的名家出身の無所属候補ユースフ・アル=ハビービー率いる一派がトップで、「法治国家連合」は2位につけている。

今次選挙においては、合計440の議席を14401人の候補401の政治団体が争うこととなった。

アンバール県では、2005年1月選挙の際の1%以下に対して、今回の投票率は40%にのぼるとされる。これが確かならば、有権者たちは、インフラはじめ基本サービスの提供に失敗している現県議会の再選を阻むことになる。

途中経過によれば、アブドゥルアジーズ・アル=ハキームのイスラム最高評議会は、元々優勢であった7県中6県で、マーリキーの支持を受けた勢力により敗退する可能性がある。またサドル派も、マイサーン県ではマーリキー派のために敗色濃厚である。

スンニー派アラブ地区では、地元部族関係者が政界復帰に向け躍進している。特にアンバールでは、本来の第一勢力、イスラム最高評議会をしのぐ勢いである。ニネヴェではクルド勢力が部族連合のため優位を失いつつある。また、イヤード・アッラーウィー元首相の支持を受ける「イラク・リスト」も最高評議会を抑えて票を伸ばしている。

イラク北部ではキリスト教徒も活発に参加し、モースルでは投票所が閉まる直前にラッシュ現象が見られた。選挙キャンペーンは、シーア派各派、特にマーリキー派、イスラム最高評議会、そして双方から支援を要請されたサドル派の間の緊張を高め非難合戦の様相を呈した。

今次選挙で誕生する地方議会は、地方分権制度の枠内で広範な権限を有することになる。2009年予算において政府は24億ドルを地方議会に割り当てている。なお、首相府顧問によれば、地方議会は昨年度予算の11%しか消費していない。

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( 翻訳者:十倉桐子 )
( 記事ID:15709 )