イラン国産衛星「オミード」、宇宙空間に飛び立つ
2009年02月04日付 Jam-e Jam 紙

【政治部】イスラーム革命30周年記念祭3日目にあわせ、国産人工衛星「オミード」(希望)が打ち上げられ、同衛星は無事軌道上に乗った。

 衛星打ち上げロケット「サフィール」(メッセンジャー)によって行われた国産衛星「オミード」打ち上げ成功の報道は、発表直後から世界のメディアで大々的に取り上げられた。

 9回もの実験を経なければならなかった一部の国とは異なり、イラン・イスラーム共和国は、衛星打ち上げロケット「サフィール」の三度目の打ち上げ実験で、衛星「オミード」を軌道上に乗せることに成功した。

 イラン大統領は、国産衛星「オミード」打ち上げ成功はイラン・イスラーム共和国の歴史を飾る誇り高き偉大な出来事であるとして、次のように述べた。「この偉大なる出来事は、数ヶ月にわたる飽くなき努力と研究、複雑な数学的計算の結果成し遂げられたものであり、もっぱら我が国の専門家・研究者によって製造されたロケットによって宇宙空間に打ち上げられた」。

 イラン国営通信の報道によると、マフムード・アフマディーネジャード大統領は国産衛星「オミード」の打ち上げ成功を受け、「国産衛星オミードの打ち上げは、我が国のステータスを高めるものであり、親愛なるイラン国民に多くのチャンスを与えるだろう」と語った。

 アフマディーネジャード大統領は続けて、国産衛星オミードの特徴について指摘して、次のように述べた。「今回打ち上げられたロケットは二段階式である。つまり、ある一定距離まで第一段ロケットが進み、その後第二段ロケットが第一段ロケットから分離して、衛星をより高い高度まで運ぶ、という具合である。またある地点で、衛星はテコによって再び特定の方向へと飛んでいく」。

 大統領は次のように続けた。「衛星オミードは軌道上を移動し、所定の情報を地上に転送することになっている。こういった技術はすべて、我が国の専門家らによって作られたものだ。もちろん、今回の衛星に必要とされる機能のすべてが実装されているわけではなく、衛星を打ち上げ、軌道上に乗せる技術〔の確立〕が目指されていたに過ぎない」。

 アフマディーネジャード大統領はまた、衛星から情報をキャッチする地上基地について、次のように述べた。「地上基地には二つの任務がある。一つは衛星の動きを追跡することであり、もう一つは衛星からの情報をキャッチすることである。現在、衛星からの情報をキャッチするための固定ならびに可動式の基地多数が、国内及び〔国外の〕一部の国に存在する。これらの基地で用いられている技術も、完全に国産である」。

 大統領は、我が国は衛星技術を完全にマスターしたと述べた上で、「今後、我が国の専門家らの仕事は、衛星の重量を増やし、さらに高度を上げるといった観点からの性能の向上に向けられる」と語った。

 アフマディーネジャード大統領はまた、我が国によって宇宙空間に打ち上げられた衛星は、他の多くの国と比較して低コストかつスピーディーに実現したと述べ、「一部の国は9回も〔打ち上げ実験を〕繰り返さなければならなかったが、我が国の技術者は同じ地点に到達するのに3回で済んだ」と指摘した。

 「首脳会議ホール」で行われた「第22回国際ハーラズミー祭」で演説したアフマディーネジャード大統領は、科学の進歩と知の新たな領域の征服に、歴史上多くの努力がなされてきたが、これらの努力がもたらした成果は人類社会のために活用されてこなかったと指摘、その上で「これらの努力の多くは、一部の人々が支配を拡大し、利己的な目的をかなえるために用いられてきた」と批判した。

国防相「衛星オミードは宇宙空間へのイランの参入の道を切り開いた」

 モスタファー・モハンマド・ナッジャール国防軍需相は、「衛星オミードはイランで最初の衛星であり、小さな衛星ではあるが、しかしイランがこの成果を手に入れたことは極めて重要である。実際、今回の衛星によって宇宙空間に参入するための道が切り開かれたと言っていい」と強調した。

 ファールス通信の報道によると、「ハーラズミー祭」に出席したナッジャール司令官はそのかたわらで、イランの研究者らによって初めて衛星オミードの打ち上げが成功したことは一つの大いなる勝利であり、イスラーム教国イランの矜恃にとって輝かしい一ページをなすものだとの認識を示した。

 同相はまた、衛星オミードの打ち上げ成功は、我が国の研究・科学・産業の各部門の努力の賜であるとした上で、次のように語った。「神の嘉せしファジル(夜明け)10日間〔革命記念日に至る10日間のこと〕に成し遂げられた今回の仕事は、聖なるイスラーム共和国体制にとって初となるものである。今回の偉大なる事業で用いられた装備はすべて国産である。衛星オミードや二段階式打ち上げロケット・サフィール2も、国内の専門家らによって製造されたものだ」。

 また、衛星「メスバーフ」(灯り)について質問を受けたナッジャール国防相は、「イランの研究者の努力によって、衛星メスバーフも〔今後〕必ず打ち上げが可能となるだろう」と強調した。

外相「イランの人工衛星活動は平和目的」

 マヌーチェフル・モッタキー外相は、イランの技術力は平和利用を目的としたもので、国の〔非軍事的な〕必要性をまかなうものだとした上で、「イランの人工衛星活動は平和利用を目的としている」と強調した。

 ファールス通信の報道によると、エチオピアの首都で開かれたアフリカ連合首脳会議二日目に出席したモッタキー外相は、そのかたわらで、軍事領域でのイランの能力は国防を旨としたものだと述べ、「イラン国民は平和を希求し、世界のすべての諸国民との誠実な関係を追求している」と語った。

〔後略〕

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:15753 )