ギュル大統領、テヘラン訪問
2009年03月11日付 Yeni Safak 紙

アブドゥッラー・ギュル大統領は、イラン訪問がとても有益で有意義に過ぎたと述べ、「トルコとイランはとても根源的な歴史と文明のある、どの観点から見ても力のある国である」と話した。

ギュル大統領は、経済協力機構(EİT; ECO)第10回首脳サミットに参加するためイランの首都テヘランを訪れ、マフムード・アフマディネジャード大統領とアーヤトッラーのアリー・ハーメネイーとは個別に会見した。ギュル大統領はさらに後、会見に関しトルコ人新聞記者らに説明を行い質問に答えた。

ギュル大統領は、イラン側との会見で、両国関係を吟味し目標が新たにされたと明らかにし、2ヶ国の貿易額が200億ドルレベルに達するためお互い便宜をはかるだろうと述べた。

同大統領は、エネルギーと輸送の問題についても取り上げたと述べ、「輸送は重要だ。なぜなら我々と中央アジアを結ぶ線路と道路はここを通っている。昔のシルクロードの活性化という観点から、これは重要である」と話した。

■ 経済協力機構

ギュル大統領は、テヘランへは経済協力機構第10回首脳サミットのために訪れたことに触れ、「この機構は歴史的に古く、1985年トルコ、イラン、パキスタンとにより新しい形が与えられた」と述べた。

同大統領は、ソビエト連邦が解体した後、アフガニスタンとタジキスタンさらにトルコ共和国もEİTの加盟国となったと述べ、地域で唯一の協力機構であったEİTの枠組みにおいて経済と貿易の増加、そして自由貿易を目指したメカニズムが作られたと明らかにした。ギュル大統領は、両国が関税リストを作り整え、相互値下げを始める予定だと説明し、関税を2015年までには完全に下げると言及した。

同大統領は、これによりトルコの輸出は増加するだろうと明らかにし、「我々が設立者となったため、EİTを重要視している。トルコ系の共和国とともに協調する我々のとても重要な機関だ」と述べた。

■ 「世界で新たな政治期」

ギュル大統領は、国際政治と関係において新しい過程に入ったと明らかにし、「世界で新たな政治的時期となった。アメリカでの大統領選の後、世界はこのような時期に入った。以前のアメリカ政府は、単独で決定をおこない、必要な際に単独で実施し、考えを実行するときに押し付けるような方法とスタイルを追求していた」と述べた。

同大統領は、アメリカ新政権は以前の政権とは真逆の施策を追求すると強調し、「新政権はとても複眼的であり、人の意見を聞き、人からのアドバイスを受け、問題について話し合う場をつくるとはっきりと明言する政権だ。少なくとも、今までそしてこれからも続けていくと言っている」と話した。

同大統領は、ある質問について、イラン側と世界の新しい政治的風潮についても話し、そしてこの新たな枠組みでは問題が対話という方法で解決されるという点で考えを共有したと述べた。

また会見に満足していると明らかにし、「イランも満足していると思っている。両国関係、地域、世界の問題に関する良い、そして有益な会見となった」と述べた。

■ イランとアメリカの関係

ギュル大統領は、イランとアメリカの関係改善に関しては、2ヶ国とも好意的であるように見えたと述べた。

同大統領はトルコの調停(的役割)に関する質問に答え、国際関係においてこれがトルコ特有の施政であり、トルコの価値ある活動はみなに理解されていると述べた。また、トルコはイランとは隣人で親友であり、西欧諸国とは同盟関係にあると指摘し、「よってこのような特徴のある国には、もちろん様々な狭い型の中へ収まりきらない多くの任務が下る」と述べた。

同大統領は、「30年間で堆積した問題は突然解決されない。みなが好意的であるのを見た。イラン人もアメリカ人も好意的だ。努力されるだろう、もちろん一挙に氷解しない。好意的であることによってのみ変化につながる」と述べた。

同大統領は、双方の信用を増やすための措置にとっていかなる表現や言葉を用いるかが重要であると述べ、「その方法は話すことから始まり、始まったのだ。もっとも重要なことはこれである。誰かに話しかけるときに使った言葉、これが最初の一歩なのだ。その点から見ると、180度の変化がある。誠実であると示す行動によって信用はつくられる」と述べた。

■ イスラエル訪問は計画されていない

ギュル大統領は、イスラエルへの訪問の可能性に関する質問に、「計画されていない。意思はあったが、ガザ攻撃の後その訪問はできなくなった」と答えた。

同大統領は、条件が整えばパレスチナとイスラエルへの訪問がありえるが、今のところこのような訪問は考えられていないと述べた。また、イランとイスラエル間の不信が取り除かれること、これが可能かどうかに関する質問に答え、「すべての(欲する)土壌作りというものがあり、それは国連安全保障理事会にある。ありえる、すべてがありえることだ。国連安全保障理事会決議687号を見てみると、そこに合法性の基礎がある。とても広範囲にわたる活動の結果、そうした状況に至ろう。世界が新しい時代に入ると同時に1つの時期をつくり出す。ありえないことはない、すべてありえるのだ」と述べた。

■ オバマ大統領のトルコ訪問

ギュル大統領は、アメリカのオバマ大統領による訪土に関する重要かつ自分宛てのメッセージが来たと明らかにし、「この訪問に喜びを感じている」と述べた。

同大統領は、「新時期の最初にレールがよく敷き広げられれば、そのレールを通じて進める。こうしたことに、今回の訪問は機会を提供する」と述べ、アメリカのヒラリー・クリントン国務長官の訪問も重要であったと明らかにした。またトルコ-アメリカ間の協力体制に似た関係にある国はとても少ないと強調し、「こうした事ごとも両国の良い協力関係を明らかにするものであり、両国関係、地域と世界(の関係)の点から重要である」と話した。同大統領は、2ヶ国間の協力に関して、「協力とは、共に働くことだ。我々の利益になる事項において、共同歩調をとっている。利益にならないいかなることも我々は強要されないし、トルコは受け入れなかった」と述べた。

同大統領は、「トルコ-アメリカ間の協力は大層、確かな基礎の下で進んでいる。この新時期はより確実で有意義なものとなろう。アメリカが押し付けてトルコが行った、という関係ではない。これをみなに知っておいてもらいたい。これを受け入れない者もいる」と述べた。

同大統領は、「トルコは、まさに今が時だ、我々はあなた方(アメリカ側)より良く知っているし、正しいのはこれだと言い主張した。その時点では受け入れなかったが、後でトルコの正当性が明らかになったとき、すべてが敬意と変わった。トルコの外交の最も重要な変化はこれである。自分たちに押し付けられた仕事をやるのではなく、これらを話し合い、必要なときに自分たちで強いるという政治なのだ」と述べた。同大統領は今日のサミットで、EİT加盟国のリーダーとの会見にも参加するだろうと付け加えた。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:15974 )