Huseyin Gulerce コラム:オバマ後のトルコ
2009年04月09日付 Zaman 紙

黒人がアメリカ大統領となることはまず共感を生む。名前にヒュセインとつくと、イスラム世界では親しみを喚起する。私たちの国民は実際に「元来イスラム教徒だがもちろん表明していない…」という風にずっと前からなっている。

アメリカの大統領就任からまだ100日も経過しないうちに、初公式訪問をトルコへおこない、イスラム世界に向けて大国民議会で「イスラム世界との戦いはありません、起こす気はありません」というメッセージを送るということはとても特別なことである。学生たちと、超大国の大統領のようにではなく、周りと同じ立場であるかのように会話をしたことは、心を捉えるには十分だ。ブッシュ政権時代の占領、不正、思い上がったアメリカの代わりに、クリントン元大統領の訪問を思い出させるアメリカに対する反感を、二日間のうちに共感へと変える訪問だった。私たちのイスラムのあり方について世俗的で民主的なシステムとともに強調した後、アメリカとトルコの間の模範的な協調関係に触れたこと、あらゆる機会にトルコのEU加盟への重要性を私たちとヨーロッパ両方へ語ったことは、特に強調すべきことである。

オバマ大統領の訪問は、短期的にだけではなく、中長期的にトルコの内政、外政に根本的な変化をもたらすだろう。

外交について以下のことが言えるだろう:アメリカ大統領の訪問は、文明間同盟プロジェクトにおけるトルコの役割を強固なものとし、世界平和のために両政府を模範的パートナーへ高める新しい状況を示している。

内政については、あるいは今のうちから大胆な言い方かも知れないが、こう言わざるを得ない:オバマが訪問する前のトルコは忘れなさい。オバマ訪問後の新しいトルコがあるのだから。

この新しいトルコでは、もはや民主主義は批判だけのものではなくなり、官僚依存体制から救われよう。もはや世俗主義は、強制ではなく、信教の自由、表現の自由のための確固とした土壌に、民主的な世俗主義へと変化しよう。オバマ大統領の訪問は、「エルゲネコン事件」といった種類の仕組みの時代を終え、クーデターの記録を過去のものとした。エルゲネコン裁判の行方、クーデター計画者への措置を気にかけている者達にとっても今回の訪問は大いに方向性を伝えた。

他のどのアメリカ大統領の訪問も、オバマ大統領の訪問ほど、トルコの将来にとってのターニングポイントを成さなかった。この訪問は、それほど影響が深く、長期的なものとなろうターニングポイントである:すでに裁判官(が恣意的に判断を下す)国家、軍の干渉のような民主主義上の脅威を終わらせた。これを理解できない者、理解したくない者にとってあらゆる試みは行き詰まったのだ。

新時代の政党は、ただ民主化すること、自由を拡大すること、EU参加への改革に賛同することで存続でき、拡大できよう。例えばCHP党首であるバイカル氏は、この状況をいち早く察知した者の一人である。フィクレト・ビラ氏の昨日のミッリエト紙の記事には、以下の表現がある:「解決策はEU加盟である。バイカル氏は3点で注目されている問題を解決し保証をおこなえる唯一の道がトルコがヨーロッパ連合(EU)に正式加盟することであり、その必要性をオバマ大統領へ伝えたこと強調して、以下のように続けた:

「トルコのEU加盟国問題でとなるため明確な支援を示したことに感謝した。」

これは、小さい変化ではない。CHPの選挙前の新姿勢をさらに意味付ける新状況に私たちは直面しているのである。

新しいアメリカとともに急速に変化する新しいトルコを最もよく読まねばならないのは、マスコミ方々である。彼らはもはやオバマ大統領の以下の言葉を記者と報道責任者の部屋に掲示せねば:
「信教と表現の自由は、力強く生き生きとした市民社会を創り、国家を強力なものとすることに導く…。」一部の(メディアの)方々に申し上げる:今後、やれ頑迷だ狂信的だと言って非難したり、反動だとして報道する際には慎重に考えるべきである…。

オバマ大統領が強調したのは、アタテュルクの最も大きな遺産である(民主的な)世俗主義と民主主義であり、これの継続を国会が保証し、信教の自由、法の優越性、力ではなく公正(を尊重すること)、(考え方の)共有を強制することやトルコをある方向に方向付けようとする者達がこれをなし得ないのを喚起したことが、皆の教訓となりますように。

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( 翻訳者:近岡由紀 )
( 記事ID:16172 )