法医学協会の不審な報告―イズミル「血の復讐」殺人事件裁判で
2009年04月18日付 Milliyet 紙

イズミルのボルノバ区でイブラヒム・ダシュグン氏がモスクで礼拝中に、頭を撃たれ殺害されたことに関連し5人の容疑者が拘束され開かれた裁判は、第二重要犯罪裁判所で厳戒態勢の下で行われた。4月15日の水曜日に開かれた審理は誰も傍聴できず、裁判所の審理法廷のドアは施錠されていた。裁判所の周囲を、警察が警戒していた。裁判所は、(事件現場)周辺にある職場の監視カメラの映像を記録したCDの解読のため、これらをイスタンブル法医学協会に送付した。しかし同協会は、驚くべきことに、裁判所に対し、文章で、「この映像をみる担当者は、兵役中(のため解読できない)」と説明した。

2008年4月発生した事件では、モスク内で礼拝中の26歳のイブラヒム・ダシュグン氏が頭を撃たれ殺害された。事件を捜査した警察は、カルスでの土地を巡る諍いにより、互いに「血の復讐」関係となったポラット一家の5人が、モスクでイブラヒム・ダシュグンを殺害したとして、逮捕した。事件の現場に近いところに設置された監視カメラ(の映像)より確認された容疑者らは拘束され、刑務所に送られた。(容疑者の)M.P、O.P、S.P、H.P、M.Pが勾留のまま裁判が開かれたイズミル第2重要犯罪裁判所では、厳戒態勢のもと審理が開始し、傍聴者が誰一人認められなかった。共和国検察局が作成した訴状では、容疑者について、「血の復讐をおこなうという理由で意図的に人物を殺したこと、そして、これに共謀」罪が加えられ終身刑を請求した。

初回の審理に一部人物が拳銃を持ってきたことが明らかとなり、その一部が拘束されたことで、今回の審理では厳戒態勢が取られた。安全上の理由により審理を誰も傍聴できず、裁判所の周囲と法廷場の外では、警官が警戒し法廷場のドアは施錠された。

トゥルグト・ユルドゥルム裁判長は、イスタンブル法医学協会から出された報告書では、「CD調査担当職員である人物が兵役に行っており、調査ができなかった」旨の報告があることを明らかにした。ユルドゥルム裁判長長は、これを受けて事件現場に近い職場にある監視カメラの映像に映った人物が容疑者であるか否か確証を得るために、今回はCDをアンカラ犯罪警察研究所本部の音声―映像データ調査支部局へ送った。容疑者らの収監を継続する決定がなされた審理は延期された。

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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:16237 )