アーホンドザーデ外務次官「安定の欠如こそアフガニスタンの最重要課題」
2009年03月31日付 Jam-e Jam 紙

ハーグで開かれたアフガニスタン国際会議のイラン代表団を率いたアーホンドザーデ・アジア担当外務次官は、「これまで警告を発してきたにも拘らず、アフガニスタンでは依然として、テロリズムと麻薬生産・密輸の二つが同国の安全を脅かす最重要問題であり続けている」と述べた。 

 報道中央局の報告によると、アーホンドザーデ次官は本日火曜日、同会議での演説の中でさらに、「アフガニスタンでは衛生・教育状況が改善されたとの報告もあるが、それは最小限度の前進に過ぎず、治安問題や麻薬対策、難民問題といった同国の主要問題はいまだ未解決のままとなっている」と指摘した。

 同外務次官は、全ての国にアフガニスタンでの麻薬密造・密売との戦いで責任を受け容れるよう求めた上で、「この分野では国際協力の強化が非常に有益だ」と指摘した。

 同次官はまた、アフガニスタンにおけるテロと過激主義の問題に触れ、「われわれの考えでは、テロは富める者と富まざる者を区別しない。それは、各分野でいかなる地位や能力をもっているかに拘らず、世界中のすべての人々を脅威にさらすものなのだ」と語った。

 アーホンドザーデ次官はさらに、「軍事的な方法だけが、テロや暴力に立ち向かう唯一の対処方法ではない。その根本にあるものを知り、排除することが必要である」とも述べた。

 同次官はまた、テロ対策が合法的で透明性が確保されたものとなり、この悪しき現象に恣意的に取り組む〔※〕ような口実を与えないためには、国際社会はテロに関して包括的な定義を行うことが必要だと呼びかけた。
〔※訳注:ここでアーホンドザーデ外務次官は、イランがテロ組織と名指ししている反体制組織MKO(モジャーヘディーネ・ハルグ)に対して、EUがテロ指名を解除したことを暗に非難している。ターリバーンやアル・カーイダをテロ組織としながら、MKOをテロ組織とせず、逆にパレスチナ「解放」組織であるハマースをテロ組織だとするのは、テロを「恣意的」に理解しているためだというのが、イランの立場〕

 同外務次官はさらに、アフガニスタンの治安・社会問題を解決するためには地域的協力の強化が必要だと指摘した上で、「イラン・イスラーム共和国はつねにアフガニスタンの不安定さに悩まされてきた。この方面で前向きな変化が起きるならば、いかなるものであれ、それは地域及びイランの安全保障にとって一歩前進であると言える。アフガニスタンの安定確立のためには、様々な領域での近隣諸国間の協力が必要だと考える」とも述べた。

 アーホンドザーデ次官はまた、アフガニスタン問題の解決は同国の国民によってなされるべきだと呼びかけた上で、「外国軍の存在は、アフガン情勢の改善には役立たない。兵力の増強は効果がないだろう」と語った。

 同外務次官はさらに、アフガニスタン国民の問題解決に国連が前向きな役割を果たしてきたことを評価した上で、このような国連の役割は「アフガニスタン新戦略」においてもさらに際立った位置を占めるべきだとの見方を示した。

 同次官は最後に、イラン・イスラーム共和国は7年前と同様、アフガニスタンの再建に協力する用意があると強調して「イラン・イスラーム共和国はアフガニスタン支援諸国が提案した共同協力案を歓迎し、麻薬密輸に関する構想やアフガニスタンの再建に結びつくような計画に協力する用意がある」と述べた。

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( 翻訳者:土橋多恵 )
( 記事ID:16245 )