エジプト酪農農場の15%が閉鎖の危機
2009年03月29日付 Al-Ahram 紙

■ミルクパウダー、酪農農場の15%を閉鎖の危機に!

2009年03月29日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【カイロ:ワジーフ・アル=サッカーラ、ヘバ・ハサン】

 エジプトの酪農農場の15%以上が、乾燥ミルクパウダーの輸入拡大によって閉鎖の危機に追い込まれている。輸入拡大によって市場がパウダー漬け にされたのだ!

この数字はエジプト酪農家協会のアブドゥルカーディル・アル=ハラーキー組合長によって確認されたもので、酪農家の多くが真剣に農場売却を考えていると組合長は指摘する。彼らにのしかかる重圧、特に納入価格を引き下げるよう、乳製品 工場のオーナーたちからかけられる重圧のためだ。

その裏では、乳製品の生産者と製造業者との間で争いと相互非難が行われている。生産者は製造業者を市場や製造の基準に従わず、安易に輸入ミルクパウダーで乳製品を製造し、搾取を行っていると非難する。他方で製造業者は、世界市場における牛乳価格は値下がりしており、国内価格も下がって当然だと主張する。その傍らで管轄省庁である農業省と通商省は手をこまねいているのだ。

 アブドゥルカーディル・アル=ハラーキー組合長は事態をこう説明する。世界金融危機が厳しくなった3ヶ月前から、国際的企業が世界標準の元の価格の50%以下の価格で、ミルクパウダーを国内市場に大量投入した上、多くの製造会社が缶詰製品の材料や原料としてそのミルクパウダーに向かったことが大きな衝撃となってエジプトミルク市場を襲い、利益率が生産を維持できるレベルを下回る事態に陥ったのである。

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( 翻訳者:平寛多朗 )
( 記事ID:16312 )