モフセン・レザーイー、大統領選への出馬を正式に表明
2009年04月30日付 E'temad-e Melli 紙

モフセン・レザーイーは気高きイラン国民に向けた声明を発表し、その中で第10期大統領選への出馬を表明した。

 レザーイー公益判別評議会書記の声明には、次のようにある。
〔前回の大統領選挙では〕これまでの変革や進歩が、国政運営の改善や社会の基本的問題の解決に活かされていないと感じていた。〔‥‥〕このような理由から、私は第9期大統領選出馬へ向けた準備を進めることを決断したわけだが、投票当日の2日前、二つの理由から出馬を辞退した。第一の理由は、私が求める理念の実現や変化に対して幅広い支持が得られていないと感じたからであり、第二の理由は選挙の実施の仕方に抗議するためであった。

当時から今日に至るまで、私は人民主権、選挙、そして国政運営をより効率的なものにするために、体制の維持に大いなる関心を払ってきた人々や一般市民との話し合い・相談に力を入れてきた。私は、個人を中心とした政権ではなく、〔様々な人や勢力からなる〕連合政権を樹立することで、国政運営に変革を起こす必要があると確信している。別の言い方をすれば、「計画中心主義」が個人的な趣向や独善的・単独主義的な思考に取って代わられねばならないのである。

 声明はさらに次のように続けている。
以上のような理念を実現するために、連合政府構想に賛同し、それに関わってきた友人のうちの誰かが選挙への出馬を決意し、私がその他の友人たちとともにその彼を応援する、そして人民の票によって選ばれた有能で責任ある政府が行政を担う、そういった図式に私は期待していた。〔‥‥〕

しかし、我慢や期待を伴った私の様々な努力は、結局実を結ばなかった。そして選挙への出馬を決めたその他の候補者たちが、しばらく前から活動を先行させている様子を見て、私は自ら選挙に出馬することを決意した。

〔中略〕

 レザーイーは自らが感じている「危機」を、次のように列挙している。

  1. イランが国内、地域、そして国際社会に有している経済的・社会的・政治的・文化的なチャンスが失われつつある。

  2. 失業やインフレ、貧困、麻薬、その他の社会問題が国を脅かしている。訴訟件数は年間1000万件を数え、交通事故の死傷者数は約10万件に上るといった問題は、これらの問題に起因している。結果、社会から喜びや安らぎが失われつつある。

  3. 政治や国政の分野で倫理観が弱体化しており、それは社会一般に波及している。勧善禁悪の思想は「国営化」され、元来それを支えてきた一般国民は、この思想から遠ざかりつつある。

  4. 政府と〔イランを構成する少数〕民族、シーアとスンナの間の分裂・不一致が大きくなっている。革命とイランの政治生命にとって基本である団結は、いまや深刻な脅威に直面している。

  5. 一部の政府関係者・政治家たちは、自らの無能ぶりによって体制を傷つけている。国民は最高指導部とイスラーム共和国体制に愛情と信頼を寄せているが、しかし〔彼らの失政に関し〕体制にその責任を問う声が上がる可能性もある。

  6. イスラーム世界内部に、イスラーム共和国イランとイスラームそのものに敵対的な戦線が拡大を見せている。

  7. 社会に安らぎと平穏が普及する代わりに、警察国家的な雰囲気が作り出されている。


〔後略〕

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:16337 )