Taha Akyolコラム:内閣改造、中道に向かうAKP
2009年05月02日付 Milliyet 紙

エルドアン首相の内閣改造は政治的観点から4つの点において「政治改革」のメッセージを与えている。公正発展党(AKP)の7年間の政権の間に大きな不和を作り出し、最近AKPを最も疲弊させた「神経の先端」ではほとんど治療の努力が見られている。
この神経の先端とはなんだろうか?

・世俗主義、宗教団体(教団)、情実人事のような議論であった。
・デニズフェネリをはじめとする不正の告発が「公正」のイメージを傷つけた。
・危機的時代において経済を効果的に運営できないという考えが実業界で広がった。
・ アルメニアやイラクにおける事態の進展、キプロスでの選挙と行き詰るだろうと見られる交渉、オバマ新政権といった要因は、外交政策が危機的時代に入ったことを示している。外交政策を活性化することが必要であった。
・ 内閣改造において「定例のメンバー交替」とも言える実際上の理由のほかに、この4つの要因が特に影響力を持っていると見られる。

■優先課題

ヒュセイン・チェリキ国民教育相は教育事業の改善に成功したが、同省は多くの政治的議論の焦点となった。この省にニメト・チュブクチュ氏のような、イデオロギーの観点から誰をも不安にさせず、合意を得られる人物が起用されたことは非常に重要な「中道」のサインである。チュブクチュ氏の在任中に、おそらく世俗主義、宗教団体といったような議論はだんだん減るであろう。そして高等教育機構のような問題でも改革の道が開かれるであろうと信じている。

ビュレント・アルンチ氏が副首相として入閣したことは、「ビュレント兄さん」の居場所に適していると同時に、不正に対する態度を示すものである。アルンチ氏の、シャバン・ディシュリ氏やデニズフェネリの事件における誠実で原則に基づいた批判を私たちは知っている。首相に「待った」をかけられる僅かな人物のひとりである!

それでは、アルンチ氏はしばしば「率直な」イデオロギー的発言で再び「神経の先端」の痛みに導きうるのだろうか?ありうることである!しかし自身の政府における立場でこれに注意すると考えうるし、また「第2の男」に位置する人物がジェミル・チチェキであることは重要なサインである。

アフメト・ダヴトオールが外務大臣になることは非常に適切な選択である。この時代においてトルコのどんな事態進展の成功にも、その後ろにはダヴトオール氏がいるのである!実際、ダヴトオール教授のこの役割を世界中が「知っている」のである。今、すでに行ってきたことを責任者として直に行うだろう……。すなわち、政府は国内での緊張を和らげようとする際に、外交政策に重きを置くだろう。

第2の重点は、経済である……。これを暗示するのは、アリ・ババジャン氏のような経験ある人物が経済の手綱を手にすることである。危機的時代において経済が責任者を定め、またより効果的に運営されることは、特に実業界にとって良いニュースである。

私にとって驚くべきことは、ナーズム・エルケン氏のような完璧で尊敬すべき人物が内閣に加わっていないことである。

■争いではなく仕事

ジェミル・チチェキ氏が「第2の男」の座を維持しているのは注目すべきことである。「(政策の)継続性」という原則の1つのサインであり、同時に内閣における政治的問題で「不適切な」声があがった場合、それらに対する保険機能を果たすと見られている。将来国会議長として内閣から取られるだろうといううわさが出た。政府にとっても良いことではなく、同時にうまくやっているキョクサル・トプタン現議長にも不当なことであった。

辞任し、続投し、そして新たに就任した大臣たちについて繰り言を述べることは可能である。しかし人物を分析する以上に内閣改造の「政治的」志向(を探ること)がより重要である。政治的、イデオロギー的緊張を和らげる、不正に敏感で経済と外交を優先する方向でのサインが評価すべきことであるのは疑いない……。

首相自身も落ち着かなければならない。国内での争いをやめ、経済と外交を優先すべきである。

新たな政府に成功を祈っている。

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:16342 )