MHPの町長、刺され集中治療へ
2009年05月03日付 Radikal 紙

アンタリヤのアランヤ郡インジェクムの民族主義者行動党所属のファフリ・バイサル町長が、11箇所を刺され重体である。

アンタリヤのアランヤ郡インジェクム町で19歳のファーティフ・カラドゥマンが、民族主義者行動党所属で46歳のファフリ・バイサル町長をナイフで11箇所刺した。負傷した状態で4キロの距離を車を運転して、携帯電話でかかりつけのムスタファ・チェティネル医師に助けを求めたバイサル町長は、運び込まれた病院で治療を受ける一方、襲撃したカラドゥマンは、6時間後に病院から50mの自宅で犯行に使ったナイフとともに逮捕された。民族主義者行動党所属でアンタリヤ選出のヒュセイン・ユルドゥズ議員は、襲撃が政治的な目的で行なわれたことを述べる一方、事件の際襲撃者のそばにいたセルベト・チェティンとアフメト・オズチュルクも逮捕された。

事件は、2時30分頃起こった。友達とご飯を食べた後レストランから出たファフリ・バイサル町長は、アンタリヤとアランヤを結ぶD-400線のアラルラハン交差点でファーティフ・カラドゥマンとその友達を見ると停車した。友達とともに車に乗ったカラドゥマンとバイサル町長の間に、未だ理由は明らかではないが口論が生じた。ファーティフ・カラドゥマンは、携帯していたナイフでバイサル町長を矢継ぎ早に11回刺した。

■ 負傷した状態で車を運転した

血にまみれたファフリ・バイサルが死亡したと考えたファーティフ・カラドゥマンと2人の友達は逃げ出した。襲撃者が遠ざかるとバイサル町長は、負傷した状態で自動車を運転し、4キロ離れたインジェクムビーチホテルに来た。ホテルの警備員に助けを求めて自分の携帯電話でかかりつけのムスタファ・チェティネル医師に連絡させた民族主義者行動党所属の町長は、電話で「気分が悪い、刺された。助けてください」と述べ失神した。

ムスタファ・チェティネル医師と医者である奥さんが一緒にすぐにホテルに駆けつけ、大量に失血したバイサル町長を救急車が来るのを待たずに自分の車でバシュケント大学のアランヤ治療・研究病院に運んだ。チェティネル医師は、車中から病院に電話をかけて、負傷した町長の状態を医師に知らせ、必要な準備をさせておいた。すぐに病院で手術を受けたバイサル町長は、集中治療室に運ばれた。

ジェバヒル・ハベラル院長は、自分も加わった手術が1時間半ほどかかったと述べて、「バイサル町長の体には11箇所の刺し傷があった。手術の後に集中治療室に入れた。命の危険はまだ続いている」と述べた。事件を聞いて民族主義者行動党のヒュセイン・ユルドゥズ議員を筆頭に党関係者が駆けつけ不安の中町長の様態を見守った。

■ 合同捜査

アランヤで警察と軍警察は、襲撃者が町でバナナを売っているファーティフ・カラドゥマンであると特定し、逮捕のために行動を起こした。まず襲撃の間カラドゥマンのそばにいたアフメト・オズチュルクを逮捕した。オズチュルクの証言でファーティフ・カラドゥマンとともにセルベト・クルチがいたことが明らかになった。

朝まで捜査を続けた警察は、襲撃を行なったと判明したファーティフ・カラドゥマンとそばにいたセルべト・クルチを、襲撃で負傷をおったファフリ・バイサル町長が治療を受けている病院から50メートルの家で逮捕した。この二人を逮捕した家で事件で使われたナイフと50グラムの大麻を押収した。

カラドゥマンとともに逮捕されたセルベト・チェティンとアフメト・オズチュルクの軍警察による尋問は続いている。

■ 私は親友である。

バイサル町長のかかりつけ医師のムスタファ・チェティネル氏は、町長自身が電話してきたことを述べて、「すぐに妻のアイシェギュル・チェティネルとともに彼の許に向かい、最初の治療を行なった。緊急の救急車が来るのを待たずに病院に運んだ。町長は、あらゆる健康問題で私に電話する」と述べた。

チェティネル医師は、襲撃の原因を知らないこと、バイサル町長は意識ははっきりしているが口をきけないことを強調した。

■ 襲撃者は民主党のシンパ

この町で3期連続して町長を務めている民族主義者行動党所属のファフリ・バイサルをナイフで襲撃したカラドゥマンは、今回の3月29日の選挙で民主党の候補ビラル・コルクマズを支持しており、親戚であることが明らかになった。

カラドゥマンのセリキ郡にあるバナナの店舗がバイサル町長の要請で町役場によって撤去され、カラドゥマンが、「私の仕事を奪わせない」とバイサルに対して恨みを抱いていたといわれる。

■ 病院にたくさんの訪問者

バイサル町長が襲撃で負傷したと聞いた何百人もの人々が治療を受けているバシュケント大学アランヤ治療・研究病院に駆けつけた。「お大事に」と訪問に来た人々の中には各政党の区長と多くの民族主義者行動党の政治家達と関係者も含まれていた。

訪問に来た中で民族主義者行動党のアンタリヤ選出の国会議員ヒュセイン・ユルドゥズは、病院の前にいた報道陣に行った記者会見で、「司法と検察当局を信じている。今後事件は司法にゆだねられる。政治はこのように醜いものであってはいけない。この事件が政治的な次元のものであると考えている」と話した。

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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:16350 )