エジプトのコプト教徒、教会に対するアズハルと同等の支援を政府に要求
2009年04月22日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ コプト教の信徒団体、教会に対するアズハルと同等の財政支援を要求

2009年04月22日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【カイロ:フサーム・アブーターリブ本紙記者】

 コプト信徒協会は、エジプトのキリスト教徒の多数派を占めるコプト正教会に対する財政上の平等を求めて、行政裁判所に提訴した。

 信徒団体のメンバーは、「国の年間予算において、公式な宗教的組織であるアズハルが得る年間支援は、毎年3億エジプトポンドであるのに対して、コプト教会は何ら財政支援を割り当てられていない。これは、旧来のものであれ、今般憲法に追加されたものであれ、市民権活性化に関する諸法規に明らかに反するものである」という見解を示している。

 提訴を行ったコプト教徒思想家のカマール・ザーヒル氏は、本紙に対する談話の中で、「全ての団体や社会勢力の平等を謳っている憲法の条項に照らせば、教会はアズハルと同等の支援を受ける権利を有している」と述べた上で、「教会が年間数億ポンドもの支援を受け取っているという根拠のない噂を広める人々がいるが、これは全くの事実無根だ」と付け加えた。

 同氏はまた、「エジプトの教会では、聖職者や修道士のほか、数万人が教会での職務に従事しているが、これらの人々の多くが、きわめて困難な生活条件に直面している。エジプト財政に長年巣食っていた誤りを正す時が来た」と強調した。

 シュヌーダ総主教の法律顧問であるナギーブ・ギブライール氏はこの要求を「公正なものだ」と支持し、ムバーラク大統領に対して、「この数年、すすんで示してこられた本来の人徳を示す」よう訴えた。同氏はまた、「教会は長年にわたり剥奪されてきた権利を獲得する権利を有している」と述べた。

 一方、コプト教徒思想家で元国会議員のガマール・アスアド・アブドゥルマラーク氏は、「コプト教徒が毎日のように司法に訴える」ことに反対し、教会の支持者たちが自らの権利を要求するにあたって、より穏健な方法をとるよう呼びかけた。

 同氏は本紙に対する談話の中で、公的生活においてイスラーム教徒とコプト教徒の間に差別は存在しないと否定しつつ、「政府は財政的、社会的に教会を支援していくべきである」との見解を示した。

 これに関連して、ヘルワーンのアンバ・バサンティ主教は、「政府は、モスクに対してと同様に、毎年予算を配分しなければならない」と要求している。同主教は本紙に対して、「エジプトの人々の間には、聖職者と教会が巨額の支援を受けているという話を含め、誤った情報が広まっている」と語った。

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( 翻訳者:梶田知子 )
( 記事ID:16363 )