マルディン・ビルゲ村の惨劇の詳細、徐々に明らかに
2009年05月05日付 Hurriyet 紙

ビルゲ村での大量殺人に関して捜査が続く中、事件の詳細も明らかになり始めた。拘束された人々や複数の目撃者の証言によれば、婚礼が行われた家にいた人々に対するカラシニコフ銃による射撃は20分ほど続いた。

覆面をかぶった5-6人の襲撃者は、夜の礼拝のアザーンの声とともに、ジェミル・チェレビ元村長の家に入った。家の下の階には厩舎と倉庫がある。その上の階に上がった襲撃者は部屋に押し入った。

■ 何百もの銃弾を撃った

男性たちは、横に並んだ3つの部屋にいたが、礼拝のために道路側の部屋に集まっていた。彼らに向けて射撃した襲撃者らは、礼拝中の人々を後方から撃った。大半の人の頭を撃った襲撃者らは、射撃で即死を免れた人々については、彼らのそばにやってきて射殺した。

同じ頃、家の隣にある、女性や子供たちがいた平屋の建物の部屋にも襲撃者らは押し入った。カラシニコフ銃を使って何百もの銃弾を撃った襲撃者らは婚礼の参加者のうち誰も生きていないことを確認したのち、追跡されるのを避けるために村にある自動車のタイヤをナイフで切ってパンクさせ、逃走した。

■ 大量殺人の目撃者は恐怖を語った

マズダー県のビルゲ村で起こった殺人の目撃者らは、泣きながら事件を語った。大量殺人で母、父と9人の親族を失った15歳のヒュルヤ・チェレビさんは、家でチーズを作っていたために婚礼に行かなかったと述べた。殺人のあった家のとなりに住んでいたヒュルヤ・チェレビさんは、以下のように述べた。

「午後9時ごろ銃声を耳にしました。私は婚礼で銃を撃ちながら楽しんでいるのだと思いましたが、すぐ後に悲鳴や叫び声を聞いて外に出ました。まさにその瞬間、手に銃をもち、頭に帽子をかぶった人を見ました。彼は私を見るなり発砲してきました。私は家の前で地面に身を伏せて助かりました。銃声が収まって隣の家に行くと、すべての人が血まみれの状態でした。父や姉が血まみれなのを見ました。姉は穴だらけになって亡くなっていました。しかし、おじの娘(従兄弟)は、目を開いて、私を見ていました。彼女は死んでいませんでした。私はこの光景を一生涯忘れないでしょう。どうかこの悲しみを誰にも経験させないように、この事件を犯した人たちが罰を逃れることがないように。いったいどうしてこんなことをしたのか・・。」

(村では)確執や「血の復讐」は無かったと語るヒュルヤ・チェレビさんは、「この事件を誰が犯したのか知りません。私たちの村から数人が捕まったと聞きました。捕まった人たちがこの事件を犯したのだと思います。」と述べた。

■ 映画を観ていて、助かった

大量殺人で母、父と2人の兄弟を失った14歳のスルタン・チェレビ君も、テレビで映画を観ていたために婚礼に行かなかったと述べた。

テレビを観ているときに銃声を聞いたと明らかにしたスルタン・チェレビ君は、「約15分続きました。銃声が収まった後婚礼があった家に行きました。至る所に遺体がありました。僕は意識を失いました、家族を失ったのです。今、僕は何をしたらいいかわかりません」といって涙を流した。

■ 埋葬用の穴が掘られた

襲撃で亡くなった人々のために、ビルゲ村の入口にある墓地に、建設重機を使って埋葬用の穴が掘られた。大人用にはそれぞれ埋葬用の穴が掘られたが、殺害された6人の子供のためには水路のような長い穴が掘られた。子供たちは並んでここに埋葬される予定だと明らかにされた。

村では一日中悲嘆の叫びや泣き声が絶えることがなかった。事件で夫、子供、母、父を失った婦人たちは村の広場に集まって涙を流しながら泣き叫んだ。

■ 大臣たちは村を訪問した

ベシル・アタライ内務大臣とサドゥッラー・エルギン法務大臣、メフディ・エケル農業村務大臣は、村に来て襲撃で亡くなった人たちの近親者にお悔やみの言葉を述べた。

大量殺人が起こった家やその周辺を視察した大臣たちは、事件について、捜査関係者たちから事情を聞いた。アタライ大臣は、記者たちの質問には終始答えず、「ただお悔やみの言葉を述べにやって来た」と述べた。

■ 検死が完了した

マルディン国立病院で検死が完了した遺体は病院の別館に運ばれ、そこで周辺の県や郡からやって来たイマームによって清められた。棺も別館に台車で運ばれた。

ビルゲ村まで500メートルの距離で事態の進行を取材していた記者たちは、生中継が行われると怒りを買うとして、マルディン県当局や共和国検事局の命によって、そこから遠ざけられた。亡くなった人々が埋葬されるのを容易に見ることができる場所で待機していた生中継用の車両と記者たちは、埋葬の様子を見ることができないように、村の2キロメートル外に追い出された。この間海外の新聞、通信社やテレビ機関も村に特派員を送って事件を近くから追おうとした。

■ 2家族は、親類

大量殺人で命を落とした44人に含まれる花婿のハビブ・アルさんは、彼と同様に襲撃で無くなった婚約者のセヴギ・チェレビさんと、母親の側の親戚であることが、明らかになった。

襲撃者たちが、土地争いのせいで関係が疎遠になっている親戚のジェミル・チェレビ氏に対し、その娘のセヴギさんを村の誰かと結婚させるよう求め、しかし、(ジェミル・チェレビ氏が)この求めに応じなかったため、婚礼の夜に事件を引き起こしたと見られている。

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( 翻訳者:三上真人 )
( 記事ID:16370 )