新型インフルエンザ、トルコ上陸
2009年05月16日付 Hurriyet 紙

世界で72人の命を奪った豚インフルエンザは14日(木曜日)、アムステルダムから来たイラク系アメリカ人S.S.A氏によってトルコにもたらされた。

空港の(発熱検査用の)サーモグラフィーで発熱のあることが分かった旅行者からA/H1N1が確認された。発症者の母親からもウイルスが検出された。保健省のアクダー大臣は同機の旅行者を1人1人探して警告していること、保健省からの連絡がない人については、電話で112番に連絡するようにと求めた。

全世界を恐怖に陥れ、様々な国で72人の命を奪った豚インフルエンザは、ついにトルコに到達した。5月14日木曜日13時41分第1613便のKLM飛行機でアムステルダムから来たイラク系アメリカ人S.S.A氏に豚インフルエンザウイルスA/H1N1が確認された。発症者の近親者から念のために採取した細胞を検査した結果、発症者の母からも豚インフルエンザウイルスが検出された。

S.S.A氏は、アタテュルク空港 (発熱検査用の)サーモグラフィーの前を通過した際、高い熱があることが分かった。隔離部屋に収容された旅行者は、高熱が続いていたので、救急車でハセキ病院に搬送された。S.S.A氏の近親者はパスポートと税関検査を通過して、国際ターミナルの出発フロアで待機となった。この間、病院の要請により、保健所の専門家チームが発症者の近親者の体温を計り、検査を行う必要があることを説明した。S.S.A氏の家族5人が18時にタクシーで病院に行き、17個のスーツケースも救急車で運ばれた。国民インフルエンザ関連研究所で行なった精密検査の結果、これらの人たちも「豚インフルエンザ」ウイルスのインフルエンザA/H1N1に感染していたことが明らかとなった。

■母親も病気

保健省は昨晩、豚インフルエンザウイルス感染が確認されたアメリカ人と一緒に旅行していた母親からも豚インフルエンザウイルスが検出されたことを明らかにした。会見では発症者に薬剤治療を行なったことが明らかにされ、他の家族はウイルスに感染していないことが明らかにされた。

■対策が講じられた

(豚インフルエンザ)発生を受け、保健省大臣のレジェプ・アクダー博士は昨日の朝、ホリディイン・イスタンブル・エアポートホテルで豚インフルエンザに対し結成された学術委員会の専門家による集会を開いた。アクダー大臣は、「病人は、アメリカ国籍で、空港において他の人たちと接触せず、家族と一緒に隔離され、観察下に置かれた。病人の病状は全般的によく、治療が行われている。必要なあらゆる警戒処置がとられたし、今もとられている」と述べた。

■生活をストップすることはない

アクダー大臣は、保健省が今日まで講じてきた対策は適切であると説明し、「もしも、なんらかの形で感染者が国内に入り、社会ではその病気のことが知らされておらず、多くの人が感染したのちに病原菌が発見さえるような事態であったらなら、もちろん、事態は大きく変わっていたでしょう(しかし、そうではないので安心してください。)」と話した。病気(豚インフルエンザ)がトルコでトルコ人に発生していないことを強調するアクダー大臣は、以下のように話した。
「大流行を防ぐために生活をストップするような必要はありません。潜伏期間は3-7日間です。発生が確認された人物の家族と、同じ飛行機で旅行していた人たちは、潜伏期間の間、観察下に置かれ、5月21日まで追跡されます。」

■旅行者に注意勧告

アクダー大臣は、A/H1N1感染が確認された発症者の家族からも、検査用サンプルがとられたと説明し、旅行者だけでなく、航空会社に対しても警告したと話した。アクダー大臣は、省の係官が、旅行者を1人1人探して注意し、情報を提供したことを明らかにし、「今いるところから、可能なかぎり動かないようにお願いします。そうすることにより、高レベルでの警戒処置を講じることができます。」と述べた。アクダー大臣は、飛行機に同乗した何人かとは今も連絡が取れていないことを明らかにする一方、『連絡が取れていない人がしなくてはいけないことは、112番に電話し、「私もこの便の飛行機に乗っていました。豚インフルエンザウイルスに感染した旅行者が見つかった飛行機です。」と知らせることです』と話した。

■病院での安全対策

アメリカ人の病人が滞在しているハセキ教育研究病院感染症クリニックの建物の15メートル四方には安全テープがはりめぐらされた。安全テープの中へは誰も立ち入れず、病院関係者と報道関係者はマスクを着用した。アタテュルク空港でも対策が強化された。パスポート・コントロールの警官を含め、空港職員はマスクと手袋着用を始めた。国際便到着フロアのパスポート検査所の前にある検疫所の手入れも行われた。

■危機センターは断続的に活動

豚インフルエンザ発生が明らかになったことで、イスタンブル県保健局でも危機センターが設置された。危機センターは、そこに集まるあらゆる情報を精査して対応策を方向付けている。保健省のレジェプ・アクダー大臣は昨日、危機センターを訪問して、対応策についての説明を受けた。アクダー大臣はイスタンブルの外でもこの形式で、対応策を県保健局で実施することを明らかにした。外国通信社は、トルコで初めて豚インフルエンザが発生したとのニュースを、「フラッスニュース」扱いで伝えた。外国通信社は保健省大臣レジェプ・アクダー大臣が直接その事実を認めたことを強調した。

■何度も手を洗う

・特に必要がない場合、病気が流行している国への旅行をしてはならない。
・旅行が不可避であれば、個人的予防を行うこと。マスクと手袋を携帯すること。
・もし最近7日以内に国外からトルコに戻ってきたのなら、38度以上の熱、のどの痛み、咳、倦怠感、衰弱のひとつがある場合、すぐに医師に相談すること。
・手を何度も何度も水と石けんで洗うこと。
・咳やくしゃみをする間、口と鼻を一度にハンカチでふさぐこと。

■192万箱の薬

保健省は、豚インフルエンザがトルコで流行する可能性に対し、192万箱の薬を貯蔵した。同省は豚インフルエンザのトルコでの流行の可能性に対し、貯蔵施設で保管している120万箱の薬に加えてさらに72万箱の薬を購入した。基礎保健局のセラジェディン・チョム局長は、「この数にもかかわらず、新しい薬も請求している。この薬のための新しい貯蔵施設を準備した。病気への対策として、あらゆる準備を続けている。」と述べた。

■世界で8451人の感染者

世界保健機構(WHO)によれば、豚インフルエンザに感染した人数は、36カ国で8451人にのぼり、伝染の発祥のメキシコでは66人が亡くなった。同国での感染者の数は2895人である。アメリカでも5人が死亡し、確認された感染者数は4714人である。日本とインドでも1人が感染したことを確認した。マレーシアでもまた、2例目の豚インフルエンザの感染が確認された。

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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:16468 )