ギュル大統領は法廷へ―「一兆リラ紛失」事件で裁判所決定
2009年05月18日付 Milliyet 紙

スィンジャン重罪裁判所は、ギュル大統領は「1兆リラ紛失」訴訟に関連し、書類への虚偽記載の罪で裁かれる必要があるとの決定を下した。大統領官邸は裁判所のこの決定に対し、声明を発表した。

「1兆リラ紛失」訴訟では、アブドゥッラー・ギュルついての告訴状が作成されたが、国会議員に選出されたため、告訴手続きはとられなかった。ギュル氏は、国会議員として8年間法律上、免責とされた。しかし大統領に選出された後議論が起こった。「ギュル大統領についての書類はどうなるのか?」といったものであった。

アンカラの共和国検察庁は、ギュル大統領の件で送付されたこの告訴状に関し、訴追せず、との決定を下した。そこでは「ギュル大統領については法的措置が不可能なため、証拠と要件を検証するための調査が行われる見込みが無く、よって訴追をしない」と述べられていた。

この決定に対し異議がもちあがり、スィンジャン第一重罪裁判所が最終的な判断を下した。これによると、「アブドゥッラー・ギュル大統領は裁かれなければならない」という。決定書では大統領について「被疑者」という表現が使われている。

スィンジャン第一重罪裁判所のオスマン・カチマズ裁判長によって書かれた決定書は以下のとおり。

「トルコ共和国憲法と法律では、全ての人が裁かれるとされている。免除は例外的措置であり、除外される人物は諸法律で逐一明示される。それ以外の何人(なにびと)も、裁かれないという免責をもたない。
 被疑者のアブドゥッラー・ギュル氏とその関係者らについてアンカラ共和国検察庁が調査を行ったが、ギュル氏が当時、美徳党選出のカイセリ国会議員であったことから、告訴状は要旨と共にトルコ大国民議会に提出されるべく法務省に送られた。
 被疑者のギュル氏が2007年8月28日開催のトルコ大国民議会第6回本議会で大統領に選出されたため、彼についての告訴状は、憲法第83条に照らして処理されるために首相府に送られた。首相府は当該書類を法務省に送り、必要な処置がなされることを求めた。」

決定書には、これに続いて、アンカラ共和国検察庁で行われた手続きが記載され、検察庁が下した「大統領についての調査は行われない」という決定を無効である、としている。

■ 大統領官邸から声明が届いた

大統領府はインターネットサイトを通じて声明を発表し、大統領は国家反逆罪についてのみ裁かれ得ると表明された。声明では以下のように述べられている。

「アンカラ共和国検察庁が大統領閣下について出した「調査不能」という決定に関して異議申し立てが行われ、それを受け、スィンジャン第一重罪裁判所が判断を下したが、それは、以下の問題を含んでいる。
 当該決定の元となった行為に関して、すでに解散した政党の党首、二人の副党首、会計責任者と71の県責任者が、1998年に訴訟された。現大統領閣下については、その時点で国会議員であったため、不逮捕特権を理由に訴訟が行われなかった。ご自身は、免責を無効とし、裁判を受けることを求めたが、免責は有効とされた。
 この訴訟の結果、副党首らと会計責任者はいかなる罪にもあたらないとして無罪が確定した。当該政党の財務責任者にあたる副党首と会計責任者さえ無罪とされた中、その当時、渉外担当の副党首にして、党の金銭的な面で全く権利、権限、責任の無かった現大統領閣下が、この訴訟を理由に、一部の勢力により現在、被疑者であるかのように言われていることは、善意ある行為とは到底考えることができない。大統領は、これまで、被疑者ともならず、また実際裁かれることもなかったのである。
 大統領閣下が国会議員であったとき、損害賠償訴訟については不逮捕特権が適応されないとして、財務省は当該資金回収を目的に、1999年に、他の人々と共に(大統領に対して)、損害賠償訴訟をおこなった。副党首という立場と職権の範囲を考えると、財務面で責任を持たなかったと判断され、2007年4月19日、すなわち大統領に選出される前に、当該訴訟は棄却と決定された。
 さらに、憲法に照らし、大統領は「国家反逆罪」以外のいかなる罪によっても、裁かれることは不可能である。
 以上の理由を踏まえ、大統領閣下が国会議員職を離れてからアンカラ共和国検察庁が当該告訴状について下した調査不能の決定と、この決定への意義申し立てに対しスィンジャン第一重罪裁判所が下した決定は、この枠組みをもとに検討されなくれはならない。
 以上、国民の皆様に敬意を持ってお伝えします。」

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( 翻訳者:下中菜都子 )
( 記事ID:16484 )