今年のメッカ巡礼候補者、コンピュータを使ったくじ引きで決定
2009年05月21日付 Zaman 紙

メッカ巡礼候補者が、宗務庁長官であるアリ・バルダクオール氏も参加した式典で、コンピューターによるくじ引きで決定された。

バルダクオール氏は、宗務庁会議室において行なわれた式典での話の中で、メッカ巡礼に今年は75万4951名の希望者があり、このうち54万8000名は2007-2008年から持ち越しとなっている人である一方で、20万6045名は今回初めての希望者(登録者)であることを明らかにした。

「省庁間巡礼・小巡礼委員会」の会合が今日開かれ、巡礼に関する取り決めを決定したと話すバルダクオール氏は、以下のように続けた:

「委員会として候補者確定のため、当選優遇措置をとる決定を下した。これによると、事前登録を2007年に行い、3年連続してくじに参加した人は当選確率が9倍、2008年度では4倍で、今年が初回登録者は1倍となる。2007年に申し込んだものの当選せず、今回当選する人もでてくる。これはたとえ話だが。委員会として私たちの最も大きな悲しみは、思慮深い75万人の同胞たちのうち7万4千人しか巡礼にいけないということだ。本来ならば75万人全員を送り出してやりたい」

巡礼者の宿については、「通常(相部屋)、個室、ホテルタイプ」の3つのカテゴリーから登録してもらうと話すバルダクオール氏は、今年は通常の相部屋タイプを希望する者には、食事もつくと述べた。バルダクオール氏は、「巡礼・小巡礼中はトルコ国内でも食事はつくことになる。これもトルコの質およびサービスレベルが高いことを示している」と話した。バルダクオール氏はさらに通常タイプの相部屋は7人以上になることはないと述べている。

■巡礼の費用

去年は必要であったにも関わらず、巡礼費用の変更(値上げ)がなされなかったと強調するバルダクオール氏は、今年は特にメッカのハレム近くで改装や新築が行われたため、家の値段が上がっていると述べた。委員会とじっくり議論し、会合を開いた結果、費用に最低限の値上げ行ったと話すバルダクオール氏は、費用が通常タイプで12%、個室タイプで9%、ホテルタイプで6%の値上げをすることを述べた。
確実に巡礼権利を勝ち得た人は7月1日から本登録を行うことになると明らかにしたバルダクオール氏は、殉職者と兵士の家族用に600人分の割り当てがあると語った。

■巡礼の平均年齢は57歳

巡礼に参加する人の平均年齢を下げることを願っているにも関わらず、今年の巡礼者の平均年齢は57歳へと上がったと述べるバルダクオール氏は「この調子ならば、この平均年齢は上がっていくということだろう。なぜなら75万人の申込者のうち7万から8万人しか連れて行けないからだ。このため、委員会は最も年齢が高い人から2000名までの人には「年配者割り当て」として別枠を設けることにした」と話している。

去年そうであったように、今年も巡礼者の身の回り品を運ぶ予定だと述べるバルダクオール氏は、巡礼者たちが聖地で購入した品々を、実費でそれぞれの家に送ると述べた。

今年の巡礼教育セミナーもさらに早い時期から始めるとするバルダクオール氏は、さらに全ての旅行会社と共同でクルバン(犠牲獣を捧げること)の手筈を整えることになるとした。バルダックオール氏は、このようにして巡礼において犠牲となる動物たちの無駄を防ぐとし、犠牲獣の価格も後ほど明らかにすると述べた。

食事サービスにおいて、その基準は保健省とともに決めたと述べるバルダクオール氏は、「私たちの任務は巡礼者のために役に立つことです。巡礼者が食事の前後にお祈りをしてくれる、それだけのためにこの仕事をするのです。私たちの誰もが利益を目的とはしていない。私たちの委員会も商業目的ではありません。完全に我々の巡礼者の利益や権利を最もいい形で確かなものとするためなのです。私たちはすべてこれを利益目的ではないものとみなしているのです」と話している。

バルダクオール氏は国民へ以下のような警告を述べた:

「本登録の権利を勝ち得た人は、いかなる協会へも、委員会へも、また個人へも、費用、手付金またはコミッションを払わないように。7万4000名の巡礼者はみんな巡礼に行くことができ、くじに落選した人は絶対に行くことができません。本登録のリストに名を連ねない個人、協会、関連機関、会社に騙されて費用を支払わないように。本登録の権利を勝ち得た人々も、いかなる個人に、たとえその人が引退した宗教関係者であっても、大会社の社長であっても、だれであれそうした個人に費用を支払ったりせず、他に宿泊場所を探したいと思うのなら探せばいいし、検討すればいいし、自由に登録すればいい。私たち宗務庁と旅行代理店は公平にくじ引きを行なう。巡礼候補者たちが望む形で本登録を行なうことができる。言いなりになることもない。私たちも旅行代理店も巡礼者にあれこれ指図したほうがいいとは思っていない。これは自由意思で行うことであり、自由な選択により行うことである。本登録の権利を勝ち得た全ての人が参加することになる。このようにしたらあわてることもないし、興奮することもないし、個人で移動手段を駆使することもないし、追加料金を払う必要もない。トルコでこの種の支払いが始まると、残念ながら時おりそのために巡礼の質が下がる」

バルダクオール氏は2007年あるいは2008年以降巡礼を待っている人たちは、おそくとも5、6年のうちに巡礼のチャンスを得ることができると述べた。

今年のくじ引きでは違う方法を取り入れ抽選を行なうと述べたバルダクオール氏は、くじ引きの前に、当選確率やカテゴリーごとにグループ分けを行なうことを述べた。バルダクオール氏はくじの結果は今日の22:00から宗務庁ホームページで閲覧できることを伝えた。

■新型インフルエンザ

ある新聞記者が、新型インフルエンザによってエジプトのムフティー協会は、巡礼が延期される可能性もあると注意したとして、この点で不安があるかどうか尋ねると、バルダクオール氏は「トルコは大国であり、我が国ではこの問題について関係機関が対処しており、必要な行動をとっている。私たちは保健省の方針に従う。保健省は世界に先鞭をつける形で鳥インフルエンザや今回の新型インフルエンザにも対策を取ったし、とるつもりだ。保健省からの情報が私たちの行動指針(基準)となるだろう。願わくばこのような問題に直面したくないが、直面したなら必要な対策を打ち出す」と返答した。

バルダクオール氏は、その後、幸運を願いながら、「省庁間巡礼・小巡礼委員会」メンバーとともに抽選を開始した。

巡礼候補者は興奮したまなざしで抽選を見守り、その抽選で本登録の権利を勝ち得た人らは歓喜に包まれていた。

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( 翻訳者:近岡由紀 )
( 記事ID:16508 )