大統領選で各党派はどの候補者を支持しているか?
2009年05月26日付 Jam-e Jam 紙

【政治部】第10期大統領選まで残すところ18日となり、〔どの党がどの候補者を支持するかという〕政治的構図の方もほぼ固まってきた。そのような中にあって、政界で存在感を示してきた有力組織の一つである「闘う宗教指導者協会」は、特定の候補者に対する支持表明は行わないことを正式決定している(ただし同協会の総書記は、昨日アフマディーネジャード支持を表明している)。

 それ以外の団体は、原理派であれ、改革派であれ、大統領選の宣伝期間が〔正式に〕開始された時にはすでに、どの候補者を支持するかについて自らの立場を明らかにしていた。一部はアフマディーネジャードを、また別の一部の党派はミール・ホセイン・ムーサヴィーを、そして少数の一部政党はキャッルービー、及びレザーイーを支持すると表明している。

 キャッルービーについては、「国民信頼党」という党をしばらく前から自ら設立しており、同党の看板を背負って選挙に臨んでいる。また、「建設の奉仕者党」の一部も、キャッルービーに同一歩調を取っている。

マフダヴィー=キャニー、アフマディーネジャードへの支持を表明

 昨日、「闘う宗教指導者協会」の総書記を務めるアーヤトッラー・マフダヴィー=キャニーは同党のウェブサイトに掲載されたインタビューの中で、マフムード・アフマディーネジャード大統領への支持を表明した。

 同師は、「闘う宗教指導者協会」の意志決定の仕組みについて触れ、「宗教指導者協会は出席委員の3分の2の票で、〔組織としての対応などについて〕決議を行うことになっている。マフムード・アフマディーネジャードの立候補を支持するかどうかについて議論するために開かれた会合で、同氏支持は過半数の票を獲得したものの、3分の2という必要票数には達しなかった」と語った。

 同師はまた、「〔大統領選でどの候補を支持するかに関して〕《沈黙》を選択した人々は、過半数まで3票不足の少数派であった。ただし、《沈黙》とは《アフマディーネジャードを拒否する》という意味ではなく、単に闘う宗教指導者協会はこの問題について立場を明らかにすべきではない、というのがその趣旨である」とも付け加えた。

 国会の原理派所属議員らの間でも、アフマディーネジャードの大統領選立候補への支持を正式に表明するかどうかをめぐって、しばらく前から対立が続いていたが、昨日過半数の票によって支持表明を行うことを決議した。

 国会ニュースが伝えたところによると、投票ではアフマディーネジャードへの支持声明の発表に原理派議員のうち80名が賛成票を、75名が反対票を投じ、原理派が〔一体となって〕アフマディーネジャードの立候補を支持することが決まった。

アフマディーネジャード支持の政党・団体

 原理派・改革派両派の有力政党・団体のほとんどが、選挙で誰を支持するかについて、態度をすでに明らかにしている。支持が特に集まっているのは、ミール・ホセイン・ムーサヴィーとマフムード・アフマディーネジャードの両候補者である。

 原理派諸団体のなかで最も重要な団体の一つである「イマームと最高指導者の路線を支持する戦線」は、オルディーベヘシュト月初旬〔4月下旬〕に自身の立場について正式に発表を行っている。

 「イマームと最高指導者の路線を支持する戦線」は14の団体をその傘下におさめる集団で、先の第9期大統領選挙ではアリー・ラーリージャーニー候補を支持したが、今回の選挙ではマフムード・アフマディーネジャードの支持に回っている。

 ハビーボッラー・アスギャル=オウラーディーが総書記を務める「イマームと最高指導者の路線を支持する戦線」を構成するのは、以下の14団体。〔※記事には13団体しか記載されていない〕
・イスラーム連合党
・技術者イスラーム協会
・ゼイナブ協会〔※ゼイナブは第3代イマーム・ホセインの妹の名前〕
・労働者イスラーム協会
・文化人イスラーム協会
・スポーツ関係者イスラーム協会
・医師イスラーム協会
・インド亜大陸イスラーム協会
・ゼイナブ信奉者協会
・元国会議員イスラーム協会
・バーザール・同業者組合イスラーム協会連合
・大学生イスラーム協会
・大学人イスラーム協会

 ホセイン・フェダーイーが総書記を務める、もう一つの原理派有力団体「イスラーム革命献身者協会」も、マフムード・アフマディーネジャードの立候補を支持している。献身者協会は前回の選挙では、モハンマド・バーゲル・ガーリーバーフ現テヘラン市長を支持していた。

ミール・ホセイン・ムーサヴィーを支持している政党

 改革派の政党・団体の一つ、「闘う宗教指導者会議」はミール・ホセイン・ムーサヴィーが立候補表明を行う以前、セイエド・モハンマド・ハータミーを支持していた。しかし、ハータミーがムーサヴィーのために出馬を辞退して以降は、同党はムーサヴィーへの支持を表明している。

 また、モフセン・ミールダーマーディーが総書記を務めるイラン・イスラーム参加戦線党、及びモハンマド・サラーマティーが総書記を務めるイスラーム革命聖戦士機構の両改革派政党も、ミール・ホセイン・ムーサヴィーを支持している。両党とも、前回の選挙ではモスタファー・モイーンを支持していた。

 「建設の奉仕者党」もミール・ホセイン・ムーサヴィーを支持しているが、この政党にはその他のムーサヴィー支持政党とは異なる点がある。それは、同党の総書記を務めるゴラーム・ホセイン・キャルバースチーがメフディー・キャッルービー支持に回っていることだ。キャッルービー国民信頼党総書記は、選挙に勝利した暁には、キャルバースチーを第一副大統領にするとまで踏み込んだ発言を行っている。

 建設の奉仕者党は、ハーシェミー=ラフサンジャーニーに近い政党の一つで、前回の第9期大統領選挙でも同師を支持していた。

 ハーシェミー=ラフサンジャーニーに近いもう一つの政党で、モハンマド・バーゲル・ノウバフトが総書記を務める「穏健と発展党」も、今回の選挙ではミール・ホセイン・ムーサヴィー支持に回っている。また、「ゴム神学校講師・研究者会議」(ムーサヴィー=タブリーズィー総書記)、「人民主権党」、「イラン・イスラーム連帯党」、「イスラーム労働党」、「自由党」、「労働者の家」、「元国会議員の会」、「イマームの路線を支持する諸勢力の会」、「ジハード的開発者」、「イスラーム革命女性協会」、「新思考の女性たちの会」などの政党・団体も、第10期大統領選ではミール・ホセイン・ムーサヴィーへの支持を表明している。

キャッルービー:政党の支持は限定的

 第9期大統領選では政党の支持を受けることなく選挙を戦ったメフディー・キャッルービーは、今回の選挙でも改革派がミール・ホセイン・ムーサヴィー支持に回る中、政党の支持をあてにすることができない状況に直面している。

 そのため、国民信頼党の総書記を務める同師は、今回の選挙では政党の支持が少ない代わりに、改革派の著名人ら〔※〕を引きつける戦略をとり、彼らの支援によって政党による支持不足を補おうとしている。
〔※例えば、キャルバースチー元テヘラン市長、アブタヒー元副大統領、エマードッディーン・バーギー「受刑者の人権を守る会」会長、アッバース・アブディー(ジャーナリスト)、ジャミーレ・キャディーヴァル(女性活動家)、モハンマド・グーチャーニー(ジャーナリスト)など〕

 今回の選挙では、〔自身が党首を務める〕国民信頼党がキャッルービー支持を強く打ち出している他、イラン・イスラーム大学卒業生協会(元団結強化事務所の会)といった改革派系組織が、キャッルービー支持に回っている。

レザーイーを支持する政党

 他方、アブドルホセイン・ルーホルアミーニーが総書記を務める原理派政党「イラン・イスラーム公正発展党」は、モフセン・レザーイーの支持に回っている。

 これ以外には、「国民団結戦線」、「最高指導者の統治を支持する協会」、「青年アーバードギャラーン(開発者)協会」、「イラン緑の党」、「イスラーム革命献身者党」、「善良な思想を持つ者たちのイラン・イスラーム党」、「ザグロス大連合」、「イラン障害者協会」、「イラン・イスラーム革命防衛協会」、「イラン・イスラーム美徳党」、「ムスリム女性協会」、「ザフラーを信奉する女性の会」〔※ザフラーとは、預言者ムハンマドの娘で初代イマーム・アリーの妻ファーティマのこと〕、「女性イスラーム協会」、「ファーティマ主義者の会」などが、モフセン・レザーイー支持に回っている。

 総体的に言えば、次期大統領が決まり、誰が次期政権の中枢を担うのかを予測する際に、これら様々な政党による支持表明が重要な意味をもつことは確かだが、しかしこれまでの大統領選を見る限り、支持政党が多いかどうかは、候補者の当落に直接的な関係は必ずしもないという結論を得ることができよう。

 第9期大統領選挙が、その好例だ。マフムード・アフマディーネジャードは当時、ほとんどどの政党・党派からも支持を受けていなかったが、改革派や一部原理派から幅広い支持を受けていたハーシェミー=ラフサンジャーニーや、原理派の重鎮であったラーリージャーニーを相手に選挙を戦い、民衆から過半数の票を得ることに成功した。

 このことは、通常国民が政党の提示した名簿にしたがって票を投じる地方議会選挙や国会選挙とは違い、大統領選挙では国民は政党ではなく、個人に投票するのであり、そのためある候補者を政党が支持したとかしなかったとかいうことは、その候補者の強みあるいは弱みには必ずしもならない、ということをよく示している。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:16537 )