ワイドショーで行方不明の子供を捜した涙の母親・・・実は犯人だった
2009年05月28日付 Hurriyet 紙

48日に渡りワイドショーで話題になり、トルコ全土を激震させた幼いムハンメットの話は衝撃的な結末を迎えた。

■遺体は畑で発見された

テキルダーのチョルル郡で4月14日に家族より行方不明であると通報されたムハンメットを、母親と恋人が殴り殺したことが判明した。既婚者である母親が、恋人と性的関係を持った時にムハンメットが目撃したため、彼を殺したことがわかった。

数日間にわたりミュゲ・アンルが司会を務める朝番組に出演し、常に嘘をつきながら視聴者を騙し続けてきた母親は、テレビで涙を流し続けていた。夫、義母、近所の少女と共に番組に出演していた母親の話に矛盾があり、父親が常に違ったことを話したことでトルコ中の注目を集めた。

生放送で精神科医や警察関係者が何時間にもわたり質問を向けた母親は、緊張する様子もなく「子供が行方不明になったことに関して何も知りません」と話した。目撃者の証言によると、ムハンメットはお腹がすいてゴミ捨て場からパンを拾っていた。近所の人たちに食べ物を乞うていた。目撃者の証言は、寒気がするようなものだった。以下がその例である。

「ムハンメットは常にお腹を空かせていて、周りに害を与えるほどの行動に出ていた。家族はムハンメットのことを愛していなかったし、全く面倒を見ていなかった。母親の家には常に違う男の人が出入していた。子供はお腹を空かせていたが、母親は1日3箱タバコを吸っていた。子供の面倒を見ないばかりでなく、子供がどこにいるかも気にしていなかった。興味の対象は2番目の子供だった。最後に見たのは彼が白い車に乗るときだった。」

このような状況下で、母親はすべてを否定し、しばらくすると否定した言葉を認め、他の嘘を加えていた。他の男性とも関係を持っていたとされる23歳のこの女性の義母は、3日前のテレビ番組で嫁が「ムハンメットは死んだ。もう戻ってこない」と述べたとし、またこのことを分かりやすく説明するよう求めたと話した。母親はこのような疑いも認めなかった。

最も衝撃的なことは、生放送中に起こった。昨日またミュゲ・アンルの番組にゲストとして招かれた家族が、また事実を述べず、お互いに罪を着せている最中に生放送であのニュースが飛び込んできた。

畑で子供の死体が発見され、認定のため家族が呼ばれている…。

トルコ中がむせび泣いた。死体確認のニュースが入るまでそう時間はかからなかった。畑でバラバラになった死体が6歳のムハンメットのものであることが確定された。

ムハンメットの痛々しい結末に皆悲しんだ。

■ミュゲ・アンルはショックで倒れた

48日に渡るワイドショーで行方不明の少年の家族をゲストに招き、事件解決に向け努力していた司会者のミュゲ・アンルは、ムハンメット・フルトゥナの殺人事件を聞くと、病院に通うはめになった。ムハンメットが、母親ディルベル・フルトゥナにより殺害されたというニュースがミュゲ・アンルの耳に入ると、この有名な司会者は、啜り泣きをしながらショックに陥り始めた。

テレビの事件報道者ミュゲ・アンルは、番組にゲストとして招き、行方不明の息子を探していたディルベル・フルトゥナが、ケマル・Eと共に息子を殴り殺したことを知り、倒れかけた。

自分と一緒に、死亡していた息子を探していた母親ディルベル・フルトゥナと恋人ケマル・Eが、性的関係を持っているのをムハンメットが目撃してしまったため、殴り殺したことを聞き、ミュゲ・アンルの症状はさらに悪化した。

夕方のニュースで生放送のゲストとして招かれたミュゲ・アンルは、この事件をむせび泣きながら説明した。ATVのメインニュースの後、ミュゲ・アンルの症状は再び悪化し、医師の検査を受けた。

■事件の背景

テキルダーのチョルル郡で45日前行方不明になり、一昨日小麦畑で肉を食べられた状態で遺体が発見された6歳のムハンメットは、実母の恋人との秘密の関係を目撃してしまったことで殺害されたことがわかった。実母ディルベルと恋人のケメルを裸の状態で見てしまったムハンメットが、2人が性的行為を行っていた家の住人により殴り殺された後、毛布に包まれ、小麦畑に捨てられたことが判明した。この殺害を目撃していた実母のディルベル・フルトゥナは、2番目の子供も殺害されるという恐怖から、恐れて黙っていたと話した。小麦畑に放置されたムハンメットの肉は、鳥や虫が食べ、骨だけが残っていた。

チョルルのヌスレティエ地区近くにある小麦畑に散歩に行ったO.P.は、完全に腐り、骨だけが残っている子供の死体を発見した。畑の持ち主が警察に通報したのを受けて駆けつけたチョルル県警は、畑で発見された死体の骨、所持品、包まれていた毛布を調査するため、イスタンブル法医学研究所に送った。

チョルル県警の職員は、遺体が2009年4月14日に行方不明になり、ヌスレティエ地区に住むウミット、ディルベル・フルトゥナ夫妻の6歳の息子ムヘンメットであるかどうか確認するため、調査を開始した。

■テレビで助けを求めた

息子が行方不明になった母親のディルベル・フルトゥナは、ムハンメットが近所の家に行くため出て行ったきり戻ってこなかったと話し、夫のウミットと共にいくつものテレビ番組に出演し、(息子が)見つかるよう協力を求めた。息子が見つかるようにとテレビで涙を流し、助けを求めたフルトゥナ夫妻は、昨日もテレビの朝番組に出演中、警察が彼らと連絡を取り、チョルルに戻ってくるよう伝えた。

夫妻は、すぐにチョルル県警に駆けつけた。チョルル警察が見せた所持品をすぐに(ムハンメットの物だと)分かった母親は、泣きながら所持品を認定した。警察の短時間の事情聴取の後、母親を疑った警備官が状況をチョルム共和国検察局に通報した。検察の逮捕状をもとに、23歳の母親ディルベル・フルトゥナは拘束された。

チョルル警察は、拘束した母親の事情聴取後、41歳の恋人ケマル・エルミシュ、2人が会っていた家の住人で友人の23歳のシナン・ギョク、彼と宗教的婚約を済ませている38歳の妻ファディメ・セゼル、この両名の18歳の娘カデル・セゼル、16歳の息子K.S.も拘束された。拘束された6人は、2日間に渡り事情聴取が行われている。

■ベッドで真っ裸でいるところを見た

チョルル県警で事情聴取を行われている容疑者たちは、昨夜遅くに国立病院に運ばれ、身体検査を受けた。証言によると、事件当日母親のディルベル・フルトゥナは、恋人のケマル・エルミシュとシナン・ギョクの家で会った。2人の恋人がベッドに入っているときに、ムハンメットが家に入り2人の関係を目撃した。パニックに陥った 恋人たちは、家主のシナン・ギョクを呼び、子供を外に追い出し、脅かすように頼んだ。ムハンメットを外に追い出したギョクが殴ると子供は地面に横たわり、それを見てパニックに陥り恋人たちに連絡した。部屋から出てきたディルベル・フルトゥナとケマル・エルミシュは、地面に横たわるムハンメットを見ておののいた。母親のディルベルは、ギョクと恋人に息子を病院に連れて行くように頼んだ。

■毛布に包んで畑に捨てた

子供が死んだことを受けてシナン・ギョク、恋人のケマル・エルミシュ、息子K.S.は、子供を毛布に包んで自分たちのミニバスで畑に持って行き捨てた。しばらくして家に戻ってきたケマル・エルミシュは、ディルベル・フルトゥナにムハンメットが死亡し、(遺体を)畑に置いてきたと話した。彼女に、誰かに話したら2人目の子供も殺すと脅した。母親フルトゥナは(2人目を殺されることが怖くて)黙っていたことを明らかにした。警察官に証言したシナン・ギョクは、自分は子供を殴っておらず、ケマル・エルミシュが殴り殺したと述べた。

■鳥や虫たちが食べた

法医学研究所の専門家たちは、外に放置された遺体が45日間で鳥や虫たちによって食べられ、骨だけになりえると述べた。

■市民はリンチを要求した

(殺害された)ムハンメット・フルトゥナの母親とその恋人に部屋を貸したシナン・ギョク容疑者の勾留中の妻ファディメ・セゼルと彼女の娘と息子の3名が事情聴取のためにチョルル裁判所に連行された。検察の聴取が終わり、再び警察に連行される容疑者たちに、裁判所の前に集まった群衆が抗議の声を上げた。中には、「こいつらを放せ。罰は我々が与える」と叫ぶ者もいた。

事件に関して警察で事情聴取されている6人の容疑者たちは、一日延長して勾留された。容疑者のうちファディメ・セゼルと18歳の娘カデル・セゼルと16歳の息子K.S.は、手錠をかけられた状態でチョルル裁判所に連行された。ここで、検察により容疑者の証言が聴取された。ムハンメットを殺した犯人が裁判所にいることを知った約200人が、裁判所の前に集まり、罵倒した。これを受け、裁判所周辺に警察隊が配置され、群集は散らされた。

手錠をかけられた状態で警察に監視されながら裁判所から出て、泣き出したファディメ・セゼルと娘のカデル・セゼルと息子K.S.は、用意された車両に乗せられた。裁判所周辺に集まった群衆は、「こつらを放せ。罰は我々が与える」と叫んだ。警察の警備のおかげで容疑者たちは群集の「恥さらし!」と罵倒を浴びながらも無事に裁判所を離れた。

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( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:16556 )