バトゥマンで「クルド語を話そう」キャンペーン開始
2009年05月31日付 Hurriyet 紙

「クルド協会」の理事たちは、バトゥマンで、広告ボードにクルド語で『みなさんクルド語を話しましょう』というポスターを掲げ、「クルド語を話そう」キャンペーンを始めた。

協会の理事たちは、(このキャンペーンについて)以下の様に語った。「クルド語の復活を目指して始めたキャンペーンに対し、前向きな評価をもらいました。クルド語のための語学授業も始めました。かつて同化させられてしまっていたクルド語が、あらゆる場所で話されるために、今われわれはこの一連のキャンペーンに重点を置いています」

『みなさんクルド語を話しましょう』キャンペーンを始めたクルド協会バトゥマン支部が、バトゥマン市の中心地にある広告ボードに掲げたポスターが話題となった。クルド人たちが自分たちの言語を自由に話すことができるようにするため、一連の新しいキャンペーンを始めることを明らかにする「クルド語研究・発展協会(クルド協会)」のバトゥマン支部理事であるアブデュルバシル・トゥズン氏は、バトゥマンでは人口の80%が残念ながらクルド語を話しておらず、よりよく通じるトルコ語を話していると述べ、以下の様に話した。「クルド人の少数は家庭ではクルド語を話しています。(しかし)街中の市場やその他の場所では、通常クルド語を話していません。われわれも、昔アドナン・メンデレスが始めた『トルコ語を話そう』キャンペーンと似たようなことを始めたのです。さらにわれわれの協会では、週に3回語学授業も始めました。2000冊に近いクルド語の本を、授業に参加する人たちに無料で配布しています」

■もはや禁止されていない
クルド語が過去においては同化させられていたと述べるトゥズン氏は、(さらに)以下の様に話した。
「昔はクルド語を話すことは、どこであれほとんど罪として考えられていました。しかし、EU加盟交渉のプロセスとともに、現在では禁止されていません。トルコ国営局(TRT)のチャンネル6でも、クルド語の番組があります。教育システムやその他の理由から クルド語は同化させられました。クルド語に対して国民教育省の支援を望んでいます。学校において選択、もしくは必修として授業が行われる必要のあることを、何回も説明しました。以前、バトゥマンで開校されたクルド語学校は、十分な支援を得ることができずに閉鎖されました。今回、われわれが同じ場所に設立したクルド協会により、市民がクルド語を自由に話すことができるようになることを望んでいます。バトゥマンの広告ボードに掲載したクルド語のポスターには、クルド人作家たちも描かれていますが、このポスターに対し、あらゆる分野から前向きな支援を得ました。他のキャンペーンで、クルド語があらゆる場所で話されるために努力します。またクルド語が、公的機関や組織においても話すことができるよう、世論に呼びかけます」

■少し難しい
バトゥマンで暮らすカスム・ナイマンさんは、この種のキャンペーンにより、クルド語が広く普及するだろうと信じていること、(しかし)文化的、経済的なセットアップ(調整)がなされない限り、クルド語が使われることはないだろうと述べつつ、以下の様に話した。「こういったキャンペーンで、クルド語にとって望まれるような結果は得られることはありません。 (クルド語を話すことが) 経済的、社会的生活に何らかの貢献をするようになれば、もしかしたらその時がクルド語にとっての前進となるでしょう。私たちにも間違いはあります。クルド人でありながら、クルド語を話していません。いつも容易にわかりあえるトルコ語を好んで使っています。キャンペーンによってクルド語が広く普及することは少し難しいと思います」

(また)フェルハット・バユンドゥルさんは、なによりまず、クルド語も公的な言語になる必要があることを述べ、以下の様に話した。「クルド人が多く暮らす場所において、法的な障害は取り除かれるべきです。一定の機関や組織においても、市民は申請をクルド語で行えるようになるべきです。この問題は、クルド語授業やこの種のキャンペーンによってどうにかなるとは思いません。国家は、クルド語にも支援を行うべきであり、予算も配分しなくてはなりません。私は法律家です。裁判所ではいくつかの裁判において、市民らが自身の言いたいことをよりよくわかってもらうために、書記官たちがクルド語の通訳の仕事を引き受けています」

(さらに)マフメット・アリ・エメキさんも、クルド語の活性化のために最も重要な要素の一つが、国家がこの問題に予算を割り当てることであると述べ、以下の様に話した。「この問題のために経済的な援助は不可欠です。家ではクルド語を、外に出ればトルコ語を話します。日常生活において、常にトルコ語を好んで使っています。なぜなら、自分自身の言いたいことは、トルコ語のほうがよりうまく表現できるからです。さらに、残念なことに、私たちは二つの言語をまぜこぜにして用いています。これも間違いです。二つの言語をきちんと話すことが必要です」

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:16574 )