ザーヘダーンのシーア派モスクで爆弾テロ
2009年05月30日付 E'temad-e Melli 紙

【エッテマーデ・メッリー】木曜日夜、ザーヘダーンのアリー・イブン・アビーターレブ・モスク〔シーア派初代イマーム・アリーのモスク〕で爆破テロが起き、ファーティマ閣下の死を悼む哀悼者21名が殉教、同胞108名が負傷した。
〔※ファーティマは、預言者ムハンマドの娘にして初代イマーム・アリーの妻で、シーア派では聖人の一人に位置づけられる。この日はイスラーム太陰暦でファーティマ殉教記念日にあたり、このモスクではたくさんの人々がファーティマの死を哀悼していた〕

 ザーヘダーンのシーア派信徒にとって金曜モスクに次ぐ重要性をもつモスクであり、彼らの集会場所ともなっていたイマーム・アリー・モスクでは、〔この日は〕ムハンマドの娘の殉教記念日であったため、礼拝に来ていた人の数は通常の数倍に達していた。

 この爆破テロは19時45分頃に発生した。この爆破事件の発生後間もなく、別の爆発物がこのモスクの周辺から発見され、無事爆弾処理が行われたとの発表がなされた。

 ジョンドッラーがこの爆破事件に関与したとする憶測が一部流れているが、スィースターン・バルーチェスターン州司法総局長はこのことについての明言は避けている。

 エブラーヒーム・ハミーディー総局長はまた、ザーヘダーンのアリー・イブン・アビーターレブ・モスクでの爆破テロに関わった容疑者一人を逮捕したことを明らかにした。また同氏は、このテロ事件でモスクにいた女性たちには一人の被害者も出ていないことを指摘した上で、死傷者たちの中には10歳の子どもからお年寄りまでさまざまな年齢層の人がいたと述べた。

 スィースターン・バルーチェスターン州司法総局長は爆破テロに関わった一人を逮捕したことを述べた上で、「休日にも拘わらず、司法上の手続き、及び初動捜査が州中央検察の監督の下、特別予審判事によって現在行われている。この州でテロ行為を繰り返している主なグループはマーレク〔・リーギー〕率いるグループ〔=ジョンドッラー〕だが、我々は今回の爆破事件がこのグループによって行われたものなのかどうか、まだ最終的な結論には達していない。他方、逮捕された容疑者に対しては、国家の安全を脅かす行為を働いた容疑がかけられているが、動機については今のところ発表できる段階にはない」と続けた。

 スィースターン・バルーチェスターン州司法総局長の話では、爆破の実行犯は一人で、今年のホルダード月7日〔西暦2009年5月28日〕の日没の礼拝中に、集団礼拝の最後列で男性礼拝者たちに混じる形で爆発物を爆破させ、自らも自爆したという。

 州の最高指導者代理、及びスィースターン・バルーチェスターン州知事も共同声明を発表し、その中でこのテロ事件を非難しつつ、ザーヘダーンでは3日間喪に服すことを発表した。

 またザーヘダーンのスンナ派金曜礼拝導師であるモウラヴィー・アブドル・ハミードも声明を発表し、今回の卑劣な攻撃を非難した。この声明文には、以下のようにある。

 「か弱き礼拝者たちの一部が礼拝中に殉教を遂げ、あるいは負傷したこと、そして愚かな者たちが神の家〔=事件が発生したモスク〕に対して侮蔑的行為を働いたことは、小生、ならびにシーア派・スンナ派を問わず、その他すべての州民の心を著しく傷付け、ショックを与えた。人間性に反し、またモスクを侮辱した今回の恐ろしい犯罪行為を強く非難するとともに、この事件の殉教者のご遺族にお悔やみの言葉を述べる。またこの恐ろしい犯罪を謀り企てた者たちに対しては、このような犯罪から手を引き、神の怒りと、肩を寄せ合いながら共存するシーア派とスンナ派の気高き人々の憤怒から身を遠ざけるよう、警告する」。

〔後略〕

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( 翻訳者:小野彩 )
( 記事ID:16629 )