「イラン人民による第三の革命の始まり」:ファールス通信が論評
2009年06月13日付 Jam-e Jam 紙

ジャーメ・ジャム・オンライン版(7時52分付)

ファールス通信は、マフムード・アフマディーネジャードが勝利を収めた第10期大統領選挙の結果について、イランにおける第三の革命の始まりであるとした上で、「今回の選挙で、国民は革命40周年へ向かう最初の年に、体制の身体から腐敗、差別、特権主義、そして不正義の元凶を取り除くべく、大いなる外科手術に着手した」とする論評を発表した。

 ファールス通信の論評全文は、以下の通り。

 数ヶ月にわたる期待の末、ついに国民再生の瞬間が到来した。忘れ難き永遠なるホルダード月22日〔6月12日〕、国民は投票所に足を運び、逆風の中、自らの誇り高き歴史の黄金のページに大いなる伝説を書き込んだのである。

 この熱気に溢れた伝説によって、芸術的行動を起こしたイラン国民3500万人は、国民の堅固で誇りに満ちた姿を再び〔世界に〕示した。彼らは固き決意のもと、自らが求める理想の崇高なる地平に視線を定め、力強く国の建設に邁進することを決断したのである。

第10期大統領選での人々の票が伝えるもの

 人々の誇り高き投票の熱気さめやらぬこの時点で、ホルダード月22日の熱烈なる伝説の様々な側面について分析を行い、包括的かつ完全な評価を下すことは性急に過ぎるであろう。しかし事の重要性に鑑みるならば、今回の選挙の最新の結果発表がなされた現時点で、そのことが示す教訓について暫定的な指摘をしておかねばなるまい。もし許されるならば、次の機会により包括的な分析・評価を行いたいと思う。

1.今回の選挙の第一の、そして最大の勝者は人民である。彼らは選挙に大きく参加することで、敵を絶望させ、潜在的危険性をイランから遠ざけた。今回の選挙は「ヴァーチャルなイスラーム」、「純粋なイスラームやイスラーム体制の理想に対する転倒した解釈」に対する、「預言者ムハンマドの純粋なイスラーム」の勝利に他ならない。カラフルで豪華な服を身にまとい、上辺ばかりに気を取られている人の耳目を集め欺く〔※〕、そういった逸脱(ビドア)に対する勝利なのである。
〔※訳注:「緑」をシンボルカラーとして選挙戦を展開したムーサヴィーや、その背後にいるとされる、ラフサンジャーニーに代表される富裕層を示唆した表現〕

 コーランの「ファトゥフ(勝利)」章の第一節「アッラーのお助けが来て、勝利が来て」〔※〕について、コーラン解釈者たちは信徒たちの「勝利」に対して、神の「助け」が先立っていることを、なかでも指摘している。
〔※訳注:これはコーラン第48章「ファトゥフ」(勝利)ではなく、第110章「アン・ナスル」(助け)に登場する章句〕

 つまり信徒たちの大勝利のカギは、神の手に握られているのであり、神の助けがあって初めて、勝利の門が彼らに開かれるということだ。ホルダード月22日の勝利の日は、この章句の正しさを証明する客観的な例の一つであることに、疑う余地はない。この日、人民の心は開かれ、3500万の投票用紙の伝説に対峙する不信仰と偽善のすべては討ち滅ぼされた。そして「ナムルードたちの炎」の中から〔※〕、〔神の〕永遠の恩寵と祝福と勝利の門が忠実なるイラン国民に開かれたのである。
〔※訳注:「ナムルード」とは旧約聖書に出てくる「ニムロド」のこと。ニムロドは偶像崇拝を拒絶するアブラハムを炎の中に投げ込んだ暴君であり、不信仰者の象徴。ユダヤ教の伝承では、アブラハムは神への真の信仰を持っていたので、ニムロドによって炎の中に投げ入れられても無事だったが、誠実さを欠いたその弟は炎で焼け死んだとされる〕

 この運命を左右する戦場の真の勝者は、間違いなく人民だった。彼ら人民は、西洋の最後の望みを潰えさせ、アメリカのカウボーイたちにこれまで以上の自己嫌悪と途惑いをもたらしたのだ。

2.第10期大統領選の結果が示すのは、誠実が中傷・誹謗・虚偽に勝ったということである。人々は倫理的原則やイスラーム体制の理想に対する誠実さ・率直さ・忠誠心と、金儲け第一主義的な態度、陰に陽に時流に乗ろうとする便乗主義、古色蒼然とした手法との違いをよく心得ている。勝つためならば手段を厭わぬ者たちが、その足元から権力のハシゴが外されるという目にあったのも、そのためである。彼らは空手形ばかり乱発してきたため、国民はもはやそのような中身のないスローガンに見向きもしなかったというわけだ。

3.第10期大統領選挙は、イランでは「貧困・腐敗・差別との闘い」が重視されていることを示した。革命最高指導者は「改革」ということばを「貧困・腐敗・差別との永遠なる闘い」という意味で捉えた。最高指導者のこのような〔貧困や腐敗をなくすための〕文化を作ろうという思想によって、イランという国は成り立っているのである。

4.あるところに賢者がいた。彼はいつも、説教壇の上から人々に説教を行っていた。多くの人が町の金曜モスクにやってきては、彼の周りに集まっていた。そのため、新参者には彼の話を聞くためのスペースはどこにもなかった。そんなある日、ある好青年がモスクに入ってきて、次のように叫んだ。「神は、神の創造物が一人でも多くモスクに入れるよう、今いる場所から一歩前に出る者を赦し給う」。説教壇の上でこの話を聞いた賢者は、下に降りてきて、次のように言った。「私は何年もの間、人々に何かを伝えようと努力して参りましたが、今日この青年の口からすべてが語られました。『汝今いるところから、一歩前に出よ』」。

 3500万人の人民の票が国の責任者たちに突きつけたメッセージ。それは、この賢者と新たにモスクにやってきた青年の会話そのものである。このメッセージは繰り返し何度でも読み直すべきである。
〔※恐らく、この寓話に登場する「賢者」はハーメネイー最高指導者をはじめとする宗教指導者を、「青年」はアフマディーネジャード大統領を示唆しているものと思われる。〕

 人民がホルダード月22日に語ったこと、それは以下の通りである。

・この国には、〔「公益判別評議会議長」などの〕「長」が多い。しかし人々が〔指導者として〕求めているのは、人民の奉仕の義務が自らよりも重いとは考えない人、人民の苦労を減らすとまでは言わないまでも、少なくともこれ以上増やそうとしない人である。

・いつも高慢な態度で〔自分は革命に貢献した闘士だなどと〕威張り散らし、自らとの比較で他の人の価値を計ろうとする人たちには、市井の人々が何を思い、何を大切にしているのかを理解していないと、人々は言った。

・人々は、政治には誠実さが伴わなければならないと言った。

・人々は、自由よりも正義に価値を置く人に票を投じた。

・人々は、政治のあり方を変えるために立候補した人物に票を投じた。人々が票を投じた人は、「私はあなた方の長ではない。私は国民に奉仕する掃除夫となるべく立候補したのだ」と言っていたのである。

・人々は、「リベラリズム」と「デモクラシー」は、西洋が言うほど堅く、深く結びついているわけではないということを示した。デモクラシーの畑からは、理想を収穫することが可能である。デモクラシーを怖がる必要はない。なぜならデモクラシーは一つの方法として、国家・国民に奉仕させることが可能だからだ。もし〔国家という〕ゲームの舞台をきちんとデザインするならば、「デモクラシー」を「リベラリズム」、「放任主義」、「禁じられたものでも許されるとするような放逸な態度」から救い出すことができるのだ。

・ホルダード月22日は、政治家と人民の間の距離が大きくかけ離れていることを訴えた。政治家たる者、出来事の「声」をそれが実際に起こる前に聞く耳を持たねばならない。人々はこの選挙で、自らの本当の姿を示した。あたかも歴史の過ちと契約を結んだかのように、つねに〔庶民の願望に対して〕無関心を決め込む我が国のエセ知識人どもに対して、人々は次のように告発しているのである。「人民大衆とは、知識人のサロンやカフェ、政党や組合、チャットルームなどに出入りしているような人々ではない。彼らは、貧富の格差を骨身に感じ、天にまで届かんばかりの富と深い谷底の下に落ち込んだ貧の落差に苦しんでいる、そういった人たちなのだ。彼らはイスラーム体制に相応しい政治を求めているのだ」、と。

5.第10期大統領選挙に多くの人たちが参加したことが示すのは、領土の一体性やイスラーム体制の理想の防衛といった重要な政治・治安上の問題が発生したとき、人々はいつも以上に積極的に〔政治に〕参加するという基本的事実である。これ自体、大きな政治的出来事には積極的に参加しようという国民の高い意識を物語るものであり、またある意味でイランが安全保障上の懸念から免れていることの証左でもある。今回の選挙は、体制の基盤強化ではなく、民族・宗教対立を煽ろうとしていた人たちの、カラー革命やビロード革命の妄想にとどめを刺したのである。
〔※「緑」をシンボルカラーとして選挙戦を戦ったムーサヴィーや、マイノリティの権利擁護を主張したキャッルービーを標的にした文章だと思われる〕

〔中略〕

 イスラーム体制の精神ならびに生命は、すべての問題、特に〔‥‥〕選挙への人々の参加と一体であり、人々の潜在的な力を現実化させるにあたって他に代え難い役割を担っているということを、88年ホルダード月22日〔西暦2009年6月12日〕は示した。

 ホルダード月22日は、イラン人民にとっての「第三の革命」だと言わねばなるまい。国民は革命40周年へ向かう最初の年に、体制の身体から腐敗、差別、特権主義、そして不正義の元凶を取り除くべく、大いなる外科手術に着手したのである。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:16690 )