ラフサンジャーニー、最高指導者に書簡:アフマディーネジャード非難に反論
2009年06月09日付 Jam-e Jam 紙

ジャーメ・ジャム・オンライン版

アーヤトッラー・アクバル・ハーシェミー=ラフサンジャーニー公益判別評議会議長は、アーヤトッラー・ハーメネイー・イスラーム革命最高指導者に書簡を送り、その中でマフムード・アフマディーネジャード大統領候補が最近、自らとその家族、及びその他体制の偉人らに向けて非難を繰り返していることに対して、これらの非難すべてを否定した上で、罷免され国外に逃亡したアボルハサン・バニーサドル〔初代大統領〕の時と似たような状況にイランが陥ることのないよう、ハーメネイー最高指導者に対処を求めた。

 メフル通信が報じたところによると、アーヤトッラー・ハーシェミー=ラフサンジャーニー事務所が送った書簡の冒頭には、次のようにある。
マフムード・アフマディーネジャード博士は、アーヤトッラー・ハーシェミー=ラフサンジャーニーをはじめ、国の偉人たちに対して事実に反した中傷を繰り返しています。アーヤトッラー・ハーシェミー=ラフサンジャーニーは1963年から1978年にかけて革命のために身を粉にして貢献した闘士であり、〔‥‥〕革命評議会の委員、暫定政府内務相代行、国会議長(1981〜1989年)、8年にわたる聖なる防衛の総司令官、大統領(1989〜1997年)を歴任、現在公益判別評議会議長、及び最高指導者専門家会議議長を務める人物です。

このような人物へのアフマディーネジャード氏の中傷に対し、全国の多くの気高きイラン人民からは、反論を行い、イスラーム体制の貴重な成果を守るべきだとする声が、さまざまな経路を通じてアーヤトッラー・ハーシェミー=ラフサンジャーニーのもとに寄せられています。

これに対し、同氏事務所もすぐにイラン国営放送に対して弁明の機会を設けるよう申し入れを行いましたが、国営放送はこの重要な問題を選挙後に先送りし、事実上〔アフマディーネジャードの非難に対して〕効果的な対応を取ることはできなくなってしまいました。

ここ数日間、今回の作られた嘘に対して何の説明もなされていないことに対して、全国各地で人々の抗議の波が拡大しています。このような抗議の波に便乗する輩がこれ以上、人々の清く誠実な感情を弄ぶようなことのないよう、アーヤトッラー・ハーシェミー=ラフサンジャーニーは大統領の非難に対する反論を、最高指導者閣下に、そして閣下を通じて気高きイラン人民に行う決意を致しました。〔‥‥〕

 アーヤトッラー・ハーシェミー=ラフサンジャーニーがアーヤトッラー・ハーメネイー・イスラーム革命最高指導者に宛てた書簡の全文は以下の通りとなっている。
慈悲深く慈愛あまねき神の御名において
最高指導者アーヤトッラー・ハーメネイー殿


残念なことに、アフマディーネジャード氏がムーサヴィー技師とのテレビ討論で、事前に用意周到な準備をした上で、無責任で真実を欠く発言を行い、その後様々な事件が引き起こされていることは、革命の勝利後の最初の数年間に偽善者たち〔※反体制組織モジャーヘディーネ・ハルグ(人民聖戦士機構)を指す〕やその他の反革命グループが行ってきた言動の苦い記憶を甦らせるものです。また2005年の大統領選挙や第6期国会選挙で〔ラフサンジャーニーに加えられた〕様々な中傷や、裁判で有罪が宣告されたパーリーズダールらによる〔高位宗教指導者らに対する〕名誉毀損を想起させます。

〔中略〕

もちろん、私は現政権が、バニーサドル政権と同じだと言うつもりはありませんし、同政権と似たような運命を現政権に辿って欲しいと願っているわけでもありません。むしろ私が意図しているのは、国が当時の状況に再び巻き込まれることのないようにしなければならない、ということです。

私は選挙を目前に控えた国の政治的状況をさらなる混乱に引き込むことのないよう、国民が期待するような即座の反応を控えてきました。

イマーム〔・ホメイニー〕の崩御を記念する式典で、私はアフマディーネジャード氏に、あなたの発言は様々な点で事実と異なる点が含まれている、〔アフマディーネジャードがムーサヴィーとのテレビ討論で指摘した〕私があるアラブ諸国の指導者に電話で密談をしたとか、〔アフマディーネジャードの〕対立候補者の選挙戦を裏で動かしているとかいった主張は偽りだ、ナーテグヌーリー氏といった体制の偉人たちや私の子供たちを不当に非難している、もっと悪いことに故イマームの行動を疑問に付すような発言を行っていると指摘し、卑劣で不当な攻撃に遭った人たちやその家族らが法的な措置を取る前に、誤った非難をはっきりと撤回するよう申し入れました。

また、〔アフマディーネジャードの発言を放映した〕国営放送に対しても、同放送局の規定に従い、関係者らに反論・弁明の機会を与えるよう要望しました。〔‥‥〕

残念なことに、こうした善意の申し入れは、事実上受け容れられませんでした。最高指導者も沈黙されることを良しとしました。しかし社会一般、特に若い世代の人たちに真実を知ってもらうことが必要なことに、疑う余地はありません。体制が信用を保ち、国民が心を一つにするためには、真実を知ってもらうことが重要です。もし真実への制限がほんの一部の人に限られているのでしたら、このような手紙をしたためることもなかったでしょう。

〔中略〕

もし私が我慢して、これまでのやり方〔=沈黙〕を続けても、間違いなく一部の国民や政党はこれ以上我慢ができなくなり、燃えたぎる胸の中から沸き起こる〔怒りの〕火山が社会に生まれることになるでしょう。その兆候は、一般の広場や通り、大学構内で開かれている選挙集会ですでに目にすることができます。

もし体制が、テレビ討論で話題にされたような誹謗中傷や虚偽などの卑劣かつ犯罪的な行為に対応しようとしない、あるいはできないようであれば、またもし法律の施行に責任をもつ者たちが、腐敗分子として特定の人物を名指しするような、明確に法律に違反した行為——このような行為は、裁判で違反が証明された場合に限って宣告できるはずです——に対して調査を行おうとしない、あるいはできないようであれば、そして大統領の地位にある者がイスラーム法と一般法の遵守を誓いながらも、自らの神聖なる職位に相応しくない大罪や反倫理的行為を平気で犯すようであれば、聖なるイスラーム体制の忠実な支持者を自負することなど、果たして私たちに許されるのでしょうか?

〔後略〕

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:16672 )