Taha Akyolコラム : 女性の教育とメヴラーナ戦略(アフガニスタン雑感)
2009年06月14日付 Milliyet 紙

メザール・シェリフにある聖者アリーの聖廟から出てきたところである。入り口の左手の所でブルカ(頭から足首あたりまである、体の線を隠すための衣服)をまとった女性たちが待っている。私たちが出てから廟へ入るつもりのようだ。
彼女たちの側に近寄り、微笑みながら手を振って挨拶をした:―アッサラーム・アライクム(あなた方の上に平安がありますように)、アッラーの慈悲がありますように!
私の挨拶への返事はなく、彼女たちは急いで私から遠ざかり、少し先の所でまた待ち始めた。
彼女たちは市場やバザールで買い物をする、当然のことながら。しかし、一人の男性と挨拶を交わすことが、どうしてこれ程難しいのだろうか?
私は心の中で、屈辱的な気分を感じた。
メザール・シェリフやジェビズガンのような「周縁部」の県では、ブルカを身に着けていない女性を見なかったと言えるだろう。カブールでは、あらゆる場所でテロの脅威が感じられるが、比較的、生き生きとした社会生活が営まれている。ブルカを着るもの、スカーフを被るもの、そして頭に覆いをせずおしゃれに気を配る少女・女性たちもいる。実際に試してみたのだが、彼女たちは遠慮せずに男性と話し、自分に自信を持っている。
この点から、カーブルで私の心は元気付けられた。

■女性の教育
アフガニスタンでは、15歳以上の人口における男性の識字率の割合は43%、女性のその割合はというと12.6%であるという!全ての問題はここにある。
外務大臣アフメト・ダヴトオール氏は、アフガニスタンにあるトルコ学校を視察した。
私たちは、シビルガンにおるハビーベ・カディリ女子高校に来た。アフガン出身のトルコ人事業家が、母親であるハビーベさんの思い出のためにこの学校を設立させたという。この学校は、私たちの国民教育省によって運営されている。
教師は全員、トルコ人の女性である。
校長のスルタン・ジェイラン氏は私と同郷であることが分かった。イェルキョイの出身らしい。クラスの担任教師であるセマ・ヤルチュンさんは、私に教室を案内してくれた。全ての女性教師、全ての女子生徒、全ての教室はピカピカとして、活気で溢れている・・・
タリバンは、この女性教師たちの住む寮をロケット弾で攻撃したのだ!教師たちはその原因を以下のように説明する:
―高学年のクラスでは初めのうちは、ブルカで学校に来る子たちがいます。彼女たちは学校の中ではブルカを脱ぎます。私たちはこれに干渉しません。1,2ヶ月経たない内に、道端でもブルカを着用しなくなりますが、これは彼女たち自身から出た行動です。これによって、私たちに感謝する母親たちもいました。

教師の寮は、トルコの民間団体によって守られている。
学校で、生徒達が私たちに「私のスカーフにバラの刺繍」と「ヴァルダルの草原」という民謡を歌ってくれた。トルコ語の歌と民謡を歌い楽しむ、幸福で自由な、笑顔のアフガン娘たち!
アフガニスタンでフェットュラー・ギュレンにより設立された学校もある。私たちは、シビルガン、カーブルにあるその学校を見学した。子供たちは、私たちにバルシュ・マンチョやヤヴズ・ビンギョルの素晴らしい歌を歌ってくれた。トルコ語の歌を歌い楽しむ、幸福で自由な、笑顔のアフガン娘たち!
明日のアフガニスタンを、この若い世代がつくるのだ。
全てのこの教師たちは理想主義者である、この教師たちは英雄である。これらの学校はトルコの文化使節である。

■メヴラーナ戦略!
私たちのトルコ協力開発機構(TİKA)と「イマル・ティミ(発展チーム)」という名の民間団体が、アフガニスタンで550の社会プロジェクトを実行している。この活動で多くの学校、病院、橋がつくられた。5万人の女性と女子が読み書きを習ったのだ!
ベルフ市にある、メヴラーナの父バハエッディン・ヴェレドの家とマドラサ(宗教的な教育施設)もTİKAによって修復される。外務大臣ダヴトオール氏は各地での講演で強調している。
―メヴラーナは、アフガニスタンのバルフ市に生まれた。彼の父のマドラサはここにあります。そして、メヴラーナの世界を照らす作品をトルコのコンヤで書きました。私たちの友好関係はこのような戦略的奥行きを有するものなのです。

大臣は決定を下し、プロジェクトは明らかになった。この断固たる決意の裏には、計画をイランに持っていかれないようにしようという計算も、重要な要因として働いたに違いない。
ダヴトオール氏は、パキスタンそしてアフガニスタンで、全ての政治団体と面会しながら、この地域におけるトルコの影響を増加させようとしている。世界の、この最も問題のある地域においてその影響を増加させようとしているトルコは、その西洋との関係においてもより強くなると信じており、これを「中心国家戦略」と呼んでいる。

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( 翻訳者:西山愛実 )
( 記事ID:16691 )