「カスピ海にアンタリヤを」―トルコメニスタンに大型トルコ系ホテル開業
2009年06月15日付 Hurriyet 紙

トルコメニスタンのアヴァザ地区をアンタリヤのような観光天国にしようと目論むトルコのビジネスマンたちは、10億ドルのホテル投資をおこなった。既に完成している5つのホテルは、トルコメニスタン大統領ベルディムハンメドフとトルコの文化観光大臣エルトゥールル・ギュナイによってテープカットがなされた。全部で1100床をもつこの5つのホテルにより、トルコメニスタンの観光客収容率は1日で25%アップした。

世界で5番目の天然ガス埋蔵量をほこるトルコメニスタンは、新たなステップとして観光を取り上げたいと考えている。このためカスピ海沿岸に位置するトルコメンバシュ市を観光地区とすると宣言したトルコメニスタン政府は、10億ドルものホテルプロジェクトを立案した。現在の時点までに完成している5つのホテルは、トルコの4社が建設した。トルコメンバシュ市のアヴァザ地区におけるホテルのオープンのためにテープカットは、トルコメニスタン大統領ベルディムハンメドフとトルコの文化観光大臣エルトゥールル・ギュナイによって行われた。トルコメニスタンにおける新たなホテル建設のために、今後実現される全プロジェクトの規模は70億相当と見られる。ベルディムハンメドフ大統領は、2011年に観光地区における全てのホテル営業を開始し、この観光地区が最も重要な観光の中心地のひとつになると語った。

エルトゥールル・ギュナイ文化観光大臣は、「トルコは観光業において世界で7番目に急成長している国だと申しましたが、ベルディムハンメドフ大統領は、それは謙遜であり、トルコの観光業における実績から学びたいとおっしゃった」と語った。ギュナイ文化観光大臣はトルコの観光業関係者がシリアでの事業展開や、トルコメニスタンにおける投資において影響力を持ち始めていると話し、「ベルディムハメドフ大統領は、トルコメニスタンの観光業が発展するために大きな期待を寄せており、これについてトルコからのサポートを望んでいる」と述べた。

■観光について決定権を得ることを望んでいる
トルコ旅行業協会(TURSAB)のバシャラン・ウルソイ会長は、観光地区についての情報を提供する一方で、「トルコメニスタン側は石油と天然ガスのほかに観光においても決定権を得たいと考えている。トルコとしてはこの点についてサポートする。トルコメニスタン政府は観光専門学校の創設も望んでいるが、TURSABとしては学校の開校の代わりに、専門家を派遣する方針でいる」と話した。ウルソイ会長は、トルコメニスタンの学生がトルコで教育を受けるということも考えている。ウルソイ会長はアヴァザ地区にとってアンタリヤが手本となっていると述べた。

■ホテルは全て五つ星
トルコ旅行業界(TURSAB)のウルソイ会長は、現在トルコメニスタンの観光客収容数は全部で4000床であると話した。そして、現在トルコメニスタンで5つ星のホテルは1件しかないが、アヴァザ地区で建設されているホテルは全てが5つ星クラスであると話した。この5つのホテルのうち2件をセヒル建設が、そのほかをイチカレ社、ポリメクス社、デルタ建設が行った。セヒル建設は、カスピ海沿岸で土地を買収し、さらにもう1件のホテルを建設する。さらにこのホテルで使用するため、全長65メートルのヨットも購入した。現在までに建設されたホテルの建設コストは10億ドルで、総ベッド数は1100床、1人あたりの一泊分の料金は100ドルから150ドルとなる。2月に建設が始まったトルコメンバシュ空港のオープン後は、ヨーロッパからも観光客を見込む。

■天然ガス大国は今後、観光業でも発展するだろう
世界で5番目の天然ガス埋蔵量をほこり、自国の経済の多くをエネルギーに頼っているトルコメニスタンで、観光産業が次々とおこってきている。トルコメニスタンは1年に30万人の観光客を集めている。首都アシュガバードには、中央アジアで最も大きい空港のひとつがあり、平日にはイギリス、ドイツ、ロシア、トルコ、ウクライナ、アラブ首長国連邦からの飛行機が到着している。トルコを訪問するトルコメニスタンの人々がこの数年で急上昇していることが注目される。2006年には4万8857人であったトルコメニスタンからの観光客数が、2008年には8万8334人となった。しかし一方で、今年最初の3ヶ月は昨年の同月期に比べて8%落ちている。

■早期予約では43%の増加
トルコ観光業協会(TURSAB)のバシャラン・ウルソイ会長は、トルコ観光業における展望を語ったが、「早期予約」キャンペーンが功を奏していると話した。ウルソイ会長は、「早期予約をする人たちの数は43%増えた」と述べた。「新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)」に関する報道を批判するウルソイ会長は、「エア・フランスの飛行機墜落事故のニュースはあまり取り上げられなかった。これに対して、それぞれの空港でマスクを着用した人々の様子はテレビで度々映された。これには船で訪れる観光客さえ影響を受けた」というコメントを述べた。ウルソイ会長は、ドイツとロシアの観光客数が減っているが、昨年の数字に追いつくことを目標にしていると語った。

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( 翻訳者:萩原絵理香 )
( 記事ID:16704 )