警官の暴力による死傷者急増―法改正の悪影響
2009年06月18日付 Radikal 紙

警官の権限が拡大したこの2年間で13人が拘置所で殺された。警官の銃弾で53人が負傷し、416人が拷問や暴力を受けた。

トルコ人権財団は警官の権限が拡大したこの2年間のうちに、警官が原因の人権侵害を報告した。
この報告によると、警察官職務権限法(PVSK)が改正された2007年の7月以降、警官が拳銃を用いたことが原因で、または拘置された人々への保護責任がある拘置所内で合計53人が死亡した。13人が拘置所で死亡し、40人が警官の拳銃で死亡した。

警官が警告を聞かなかったがために発砲したり、デモ隊と衝突する中で、また家宅捜索の際などに拳銃が用いられた結果、合計40人が命を奪われ、53人が負傷した。

トルコ人権財団は「国際基準によると、警官部隊は自身と周囲の人の人命に関わる危険がある時にのみ拳銃を撃つことが出来る。しかしながら、警察官職務権限法(PVSK)の改正により、警官部隊は、命の危険がない時にも拳銃を用いる権限を最も広範囲において行使した。」と言う。

■ 416件の拷問・暴力

この間、合計416件の拷問・暴力事件が発生している。トルコ人権財団の報告によれば、これらの詳細は下記の通り:

激しい殴打:230件
侮辱的言動:57件
催涙ガス:47件
脅し:34件
有圧水・冷水をかける:11件
言葉による嫌がらせ:7件
殺すぞと脅迫:5件
殴るぞと脅迫:5件
急所への暴力:4件
寒く暗い中で放置:3件
膝立ちや、不動の姿勢の強要:3件
空腹・水分補給なしのまま放置:2件
頭に袋をかぶせる:2件
酸欠状態に放置:2件
裸のまま放置:2件
侮辱的動きを強制:2件

これらの事件の多く、すなわち168件が屋外で行われたことは、公的な場所以外での拷問が増加したことを示している。109件は、拘置所内で行われた。トルコ人権財団は、この事態に対し、「これらのデータを、そのもとになった事件の詳細とともに分析すると、警官隊が、デモの阻止や捜索の際に、検問の際に、あるいは犯罪防止活動の際に、また、移送や逮捕の際に、しばしば過剰で不要な暴力を用い、拷問や虐待をおこなっていることがわかる」と述べている。

2年間に47件で発生した、少なくとも331件の事件で、少なくとも1605人が権利の侵害をうけた。もっとも人権侵害が多かったのはイスタンブルの109件、23件のイズミル、ディヤルバクルとハッキャーリが各17件、ヴァン16件、アンカラとアダナが14件づつとなっている。

トルコ人権財団は、このデータについて、「警察官職務権限法の変更の結果、人権侵害が減少せず、むしろ組織的、かつ全国規模で、意味のある形で拡大したことをはっきり示している」と論評している。

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( 翻訳者:永井ひとみ )
( 記事ID:16726 )