エジプトでニカーブを着用した女性教員のAUC入構許可を認める判決、大学当局が異議
2009年06月10日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ 学界関係者ら、ニカーブ着用女性のカイロ・アメリカン大学入構許可へオバマ大統領の介入を呼びかけ

2009年06月10日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【カイロ:フサーム・アブー・ターリブ(本紙)】

 カイロ・アメリカン大学のサラフ主義者の教授や学生達は、ニカーブ[※顔を覆うヴェール]を着用した女性大学教授が大学に入構し構内を移動することを許可し、ニカーブを取るよう要求もしないことを認めるギザ県行政裁判所の判決に対して、大学指導部が異議申し立てを決定したことを非難した。アズハル大学のイーマーン・アル=ズィーニー教授は、学内におけるニカーブ着用許可の判決を獲得するため、法廷で激しい闘争を行ってきた。カイロ・アメリカン大学は昨日、イーマーン・アル=ズィーニー教授に有利な結果となった判決の執行停止を求め、弁護士を通して最高行政裁判所に異議申し立てを行っている。

 カイロ・アメリカンの大学首脳部がズィーニー教授を追及し、全ての学生および教授に認められている研究活動を好きなように行う権利を彼女から強制的に奪おうと固執していることに対して、同大学の教授多数は怒りを表した。

 またイーマーン教授は、本紙に対する談話の中で、カイロに常に暮らしている大学の幹部よりもオバマ新アメリカ大統領の方が開放的で穏健に見えるということに遺憾の意を表明した。

 また、オバマ大統領がイスラーム服の着用や礼拝行為の自由など、憲法で保障されている権利をアメリカ合衆国内のイスラーム教徒たちに認めるべく奮励努力すると明言したことに触れ、アラブ世界のアメリカ系教育機関の当局者たちとは正反対だと述べた。

 そしてイーマーン教授は、いかなる困難が待ち受けようとも絶望することはないと誓い、「大学指導部がこの問題について非常に強硬であることは知っている。しかし私は、全世界で憲法が保障している権利を勝ち取ることを諦めるはしない」と述べた。

 またイーマーン教授は、アメリカン大学がエジプト領内に存在しているにも拘らず、エジプト政府が今回の件において自分の努力を支援してこなかったことについて遺憾の意を表明した。

 イーマーン教授の代理人であるニザール・グラーブ弁護士は、カイロ・アメリカン大学の学長側と担当部署が長期間にわたって依頼人に対して頑迷な姿勢をとりつづけ、アラブ世界とイスラム世界の双方で広く称賛を浴びたオバマ大統領の演説の後も同様の姿勢をとりつづけていることを非難した。そしてニザール弁護士はオバマ大統領に対して、カイロ・アメリカン大学の責任者たちが依頼人について下された判決に従うよう圧力をかけ、自らの約束を実行するよう呼びかけた。

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( 翻訳者:梶田知子 )
( 記事ID:16756 )