大ムフティー、豚インフルエンザによる小巡礼延期もあり得るとの見解を発表
2009年06月19日付 Al-Ahram 紙

■ 大ムフティー「ウムラ(小巡礼)の延期についてのファトワーは、病気の危険性を見極める専門家の意見に基づいて行われる」

2009年06月19日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【アムル・ガマール】

 エジプトの大ムフティー、アリー・グムア師は、「豚インフルエンザ」として知られる新たな感染症の流行を警戒してウムラ(小巡礼)延期を認めるファトワーを出すかどうかは、この病の脅威レベルに関するWHOや国内あるいは地域内の保健省といった管轄当局の専門的見解しだいであると発言した。

 この発言はハーティム・アル=ガバリー保健相に対する返答として出されたもので、保健相は大ムフティーに対し、豚インフルエンザウィルス問題が世界中で取り沙汰されている現況のもとで、ウムラを実行することがどの程度義務的であるかについて、シャリーア(イスラーム法)上の見解を訊ねていた。

大ムフティーは「もしも人々の健康や生命に深刻な被害をもたらすレベルに達するといった、差し迫った危機的状況が明らかであるならば、『不利益の排除は利益の追求に優先する』との原則に従い、それを取り除くことが義務となる」と述べた。また、シャリーアはムスリムに対し、管轄当局が定める衛生面での指針を遵守し、流行国からの出入国にあたってはその指針に違反しないよう義務付けており、預言者―彼の上に祝福と平和あれ―は「もしもある土地でそれ(感染症)について聞いたなら、あなた方はそこに行ってはいけない。またもし、あなた方がいる土地でそれが生じたならば、そこから逃げ出してはいけない」と語っていると付け加えた。

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( 翻訳者:勝畑冬実 )
( 記事ID:16770 )