Fikret Bila コラム:「AKPとギュレン運動撲滅」文書事件からの教訓
2009年06月23日付 Milliyet 紙

「AKPとギュレン撲滅計画」という名前で世間に広まった「文書」のために何日にも渡って行われた議論や接触は、重要な教訓に満ちていた。
政治も軍もメディアも注意して学ぶ必要があるこれらの教訓を次のように要約することができる。

■ 危機管理
1.トルコの政治と軍の関係は依然もろい構造である。信用問題は完全に解決されたわけではない。この関係は挑発からより注意深く守られる必要がある。文民の権力も軍部の権力も第3の勢力の策略に乗らないことが非常に重要である。

2.もはや「脅威」や「危機」によって点数を稼ぐようなことを人々は支持しない。信用できると考えていない。真実が明らかになる前に報道に頼み、「脅威」にさらされているのだということを謳い上げるやり方はもはや捨て去られなければならない。

3.有名な文書がもたらした「危機」の雰囲気は、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相のイルケル・バシュブー参謀総長との会見後には消えた。この会見がより早く行われていれば、危機の雰囲気は生じなかっただろう。従って、エルドアン首相の発言はバシュブー参謀総長との会見後変化した。首相は、EU諸国の大使にクーデターの可能性はないという保障に値する発言を行った。
このこともまたこの種のニュースや噂に対して、首相と参謀総長の直接の会見の重要性を明らかにした。こうした可能性がある時には、危機を引き起こすような発言や態度を避ける必要があることが明らかになった。

■ 危機を引き起こす試み
4.トルコ国軍(TSK)を標的にした報道を行う新聞が、真実を調査するのではなく、世間を混乱させたがっていることが分かった。TSKはしばらくの間この種の報道機関の唯一の的であり話題であった。このことはTSKと同じくらい政権も取り組む必要がある。危機を煽る策略に乗らないように政権も注意深くなければならない。危機を生み出したり扇動しようとしたりする試みを支持してはならず、それに基づいて政治を行ってはならない。

■ バシュブー参謀総長は穏やか
5.イルケル・バシュブー参謀総長があらゆる機会で述べた民主主義や、憲法や法の支配を信奉するとの発言は、TSKの対処の仕方や立場を表していることは忘れてはならない。バシュブー参謀総長の発言は重視されるべきである。参謀総長の「反対する者たちはTSKに潜んでいることは出来ない」という表現も真剣な言質として認識されるべきである。バシュブー参謀総長が直近の文書に関し、自信に満ち悠然とした構えで司法に問うたことの重要性が理解されなければない。

■ 文書に注意
6.報道機関は特別な使命で行動せず、その真の目的や活動はジャーナリズムであるが、それが目にしたあらゆる文書を前もって真実だと認めてしまうことは誤解を招きかねないということも忘れてはならない。最近世間を賑わす多くの重要な文書が偽造であることが明るみになることは、文書の増加に対してメディアも注意することが必要だということを明らかにした。

■ 共通の態度
7.かかる文書の出現とともに始まった議論の過程は、トルコであらゆる集団が民主主義の下に一致したことも示した。単に首相や参謀総長だけではなく、全政党の指導者、市民社会組織(市民団体)やメディアがこの問題において共通の態度を示した。

■ 恐怖感を持たせること
8.参謀本部長がはっきりと保障を与えたにも関わらず、まだ指揮官の中でクーデターの可能性があるかのように「化物がでた(危機的状況だ)」という安易なやり口は放棄されなければならない。単にこれによって存立する「王よりも王制主義者である」という世評も、もはや人々を信用させるには程遠い。

9.公正、公平な裁判、他の人権、法の支配のような神聖な価値は全ての人や裁判において有効とならなければいけない。この価値観は「状況」によって、「人」によって変化してはならない。

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( 翻訳者:三上真人 )
( 記事ID:16778 )