イランのタンカー、国軍が派遣した艦隊によって海賊の手から逃れる
2009年06月29日付 E'temad-e Melli 紙

アデン湾に折よく派遣されていた国軍海上部隊の艦隊によって、同海域を航行していた一隻のイランのタンカーの強奪が阻止された。

 国軍海上部隊の広報の発表によると、ここ数日、アデン湾で活動する海賊たちはイランのタンカー“ハーディー号”の強奪を計画していた。タンカーからの連絡を受け、同海域に派遣されていたイラン・イスラーム共和国軍海上部隊の艦隊が同タンカーのもとに到着、海賊による攻撃を阻止している間に、海賊たちを乗せたボートは逃走していったという。

 ハーディー号からの救援要請を受け、アメリカの駆逐艦一隻とサウジアラビアのフリゲート艦(大砲を備えた艦船)一隻も、直ちにこのタンカーのもとに向かったが、それらがハーディー号のもとに到着する前に、同タンカーはイラン艦隊による護送を受けた。

 アデン湾海域の海上交通の安全確立と、同海域を航行するイラン船舶の護送を目的に、イラン・イスラーム共和国軍の海上部隊に所属する艦隊数隻が、ここ数カ月の間、アデン湾に派遣されていた。

 海賊の多くはアフリカのソマリア人であり、強力な中央政府が存在しないこの国の混乱を利用して、ソマリアの長大な沿岸地域を自らの支配下に置いている。これまでに二度、これらの海賊によってイランの船舶や船荷が奪われる事件が起きており、二度とも交渉と身代金の支払いによって、事件の収束が図られてきた。

 アデン湾の海賊は、多くが以前は漁師をしていた人々であったが、ここ数年のソマリアの政情不安を受けて、国際的な船舶航行を脅かす存在に変化している。

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( 翻訳者:森田沙里 )
( 記事ID:16848 )