正教世界の2人の総主教、イスタンブルで相見える
2009年07月05日付 Radikal 紙

イスタンブルを訪問した新しいロシア正教会のキリル総主教は、フェネルのバルトロメオス・ギリシャ正教会総主教と会見した。キリル総主教は、明日6日にはギュル大統領やエルドアン首相との会見を予定している。

正教会世界の最も有力な二人の総主教である、就任したばかりのキリル・ロシア正教会総主教と、バルトロメオス・ギリシャ正教会総主教が会見した。キリル総主教は、この訪問が新たなスタートになることを祈っていると述べ、「われわれは一つにまとまった正教会の一部分です」との言葉を続けた。

キリル・モスクワ総主教は、イスタンブルとアンカラで行う公式会見のために、昨日4日特別機でイスタンブルに来た。12人の使節団を引き連れて訪れたキリル総主教は、在アンカラ・ロシア大使のウラジミール・イヴァノスキー大使や、イオアニス・ジジオヴラス・ペルガモン府主教、在イスタンブル・ロシア領事館の関係者らによって出迎えられた。

■花束で出迎えられた

キリル総主教は、イスタンブルのアタテュルク空港のVIPサロンで短時間の休憩を取った後、月曜日まで滞在する予定のリッツ・カールトンホテルに移動するため空港を後にした。同氏はその後、バルトロメオス・ギリシャ正教会総主教と会見するため、フェネル地区にある総主教庁へ赴いた。正教世界における「歴史的」な事件であるこの訪問で、キリル総主教は、花束で出迎えられた。同氏は聖ヨルギ教会での歓迎の儀式に参加し、「祝福の祈り」を執り行った。教会の出口では、正教徒の幾人かがキリル総主教と握手し、手にキスをした。

その後、バルトロメオス総主教とキリル総主教は会見した。バルトロメオス総主教は、歓迎の挨拶において以下の様に話した。「あなたが、総主教座と主教会を訪問されたことは、われわれにとって大きな喜びであり、感慨深いものです。あなたがここにいらっしゃるということは、聖なるロシア正教会が一体性や協力、そして友愛のメッセージをもたらしたことを意味します。」

キリル総主教の訪問は、ちょうど420年前にイオフ・キエフ府主教が初めてモスクワ総主教に任じられたことに匹敵する出来事であると述べたバルトロメオス総主教は、次のように語った。

「すべての正教会の指導者たちが、2008年にフェネルで一堂に集まった会議において満場一致で採択された決定と、現在準備中である正教会大議会の設置は、私たちがともに考えたことを実行する決意の現れです。あなた方は祖国の長く暗い夜に、教会が苦労で試された時代に、忍耐と根気、そして闘争によって得難い経験をしました。この傑出した特質の一方で、精神的な深さと偉大な学術的な知識により、人々や聖職者たちの尽きることのない親愛の情を得てこられました。これらすべてがあなた方に輝かしい総主教座の時代を約束しています。あなた方に約束します。われわれはあなた方の傍におり、心からの親愛と友愛の情をもって手を差し伸べます。」

キリル総主教もまた、この訪問がフェネルのギリシャ正教会との関係を活性化するスタート地点になることを願っていると述べ、バルトロメオス総主教の「われわれは一つにまとまった正教会の一部分です」というメッセージに同意すると述べた。

キリル総主教は、明日6日にアンカラで移動し、アブドゥッラー・ギュル大統領とレジェプ・タイイプ・エルドアン首相との会見が予定されている。

■二つの教会の間には不和が多い

何年もの間、二つの総主教座の間に続く不和の一つは、エストニア教会と関係するものである。モスクワ総主教は、バルトロメオス総主教が1996年の2月に設立したエストニア教会を「そこはロシアの領内である。よって、モスクワ総主教座の管轄下にある」と主張し、否定している。二つ目の不和も、ウクライナ教会がどちらに所属するかということに関係している。

また、モスクワ総主教座は、バルトロメオス総主教を世界の2億5千万の正教会信者のリーダーとは認めていない。モスクワ総主教は、フェネルのギリシャ正教会を正教世界の15の大教会の一つにすぎないと考えている。バルトロメオス総主教と犬猿の仲だったアレクシー前ロシア正教会総主教の死後、新たに総主教に就任したキリル氏が、最初の外国訪問先としてイスタンブルを選んだことは、重要な一歩として評価されている。

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:16872 )