クユムジュケント(貴金属細工工房団地)に、キリスト教徒用礼拝堂設置
2009年07月19日付 Milliyet 紙

イスタンブル郊外のイェニボスナに新設された貴金属細工工房団地の「クユムジュケント」の中には、現在、モスクだけがあるが、この道の達人であるシリア正教徒やアルメニア人の職人たちが礼拝を行うことができるよう、2か所の礼拝堂が建設される。

クユムジュケントの運営組織は、グランドバザール(カパルチャルシュ)で何世紀もつづいてきた貴金属工房を、クユムジュケントに移したギリシャ人、シリア正教徒、そしてアルメニア人の貴金属細工職人たちが、日々の礼拝を行うことができるようにするために、礼拝堂を建設している。

クユムジュケントの職人たちの30%がギリシャ人、シリア正教徒、そしてアルメニア人であると述べるクユムジュケント運営委員会理事のサイト・エルダル・メティネル氏は、以下の様に続けた。「この職業の第一人者たちは、金属加工においてはシリア正教徒、宝石加工業においてはアルメニア人です。何世紀もの間、カパルチャルシュの小さな工房でこの産業の振興を担ってきました。クユムジュケントのプロジェクトにより、多くの工房がイェニボスナに移りました。われわれの施設には、どの階にもモスクがあります。ギリシャ人、アルメニア人、シリア正教徒の職人たちも、日々の礼拝ができるようにと礼拝堂を作ることに決めました。」

■顧客も望んだ

国外からやってくる外国人の買い物客が礼拝用の部屋を求めていることも、礼拝堂の建設に影響したと述べる同氏は、以下の様に話した。「トルコは3つの宗教を一箇所に集めた、モザイク状の国として賞賛されています。宗教が異なっていても、何世紀もの間同じ文化を共有し、同じ土地で暮らしてきました。きっとトルコにおいて、ひとつの例見本になるでしょう。ムスリムが礼拝を重視するのと同様、非ムスリムの人々も重視しているのです」

■内装は、ミルダンオール氏による

1つはショッピングセンターの中に、もう1つ工房群の中に、あわせて2つの礼拝堂を建設すると述べる同氏は、この建物の内装がヴァンの歴史的なアクダマル教会を修復したアルメニア人建築家、ザカルヤン・ミルダンオール氏によって行われることを明らかにした。建設が続いている礼拝堂は年末までには完成すると述べるメティネル氏は、必要な財源が、ギリシャ人やシリア正教徒、アルメニア人の職人たちから集められたと話した。同氏はさらに、障害者たちのために特別な階段やエレベーター、そしてトイレも作ると述べた。

■中央銀行の窓口が設けられる

サイト・エルダル・メティネル氏は、クユムジュケントを業界から3億ドルの資金を集めて建設したこと、そして3千万ドルの費用で産業廃棄物処理施設を作ったと述べた。同氏はさらに「建設が終わったら6万人の雇用を生み出します。国内からはあまり関心をもたれていませんが、中国や南アフリカまでわたる多くの国から人が来ています」と述べた。また、中央銀行や造幣局が、クユムジュケントに窓口を設けることを述べる同氏は、“クユムジュケント・バザール”プロジェクトにより、小売業分野も行うと述べた。同氏は、「嫁入り道具や家電製品、家具、ウェディングドレス、靴、旅行代理店、カフェ、そしてレストランといった関連する業種の店も、中に入ります」と述べた。

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:16983 )